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初めてのおてつたびで残した夏の思い出


ずっと参加してみたかった『おてつたび』に、ついに行くことができた!


場所は京都の京丹後市にある『海辺のバンガロー Small Beach』さん。

海が目の前という最高のロケーション。リピーター宿泊者さんが集まり、だけど観光客がごった返すこともない。BBQをする人たち。のんびりとSUPをする人たち。大雨の中花火を上げる人たち。私が感じたかった夏が、すべて目の前にあった。ひとことで言えば『最高!』だったのだけど、最高だけじゃ収めるにはむずかしい、本当に濃い3日間だった。

海が目の前ーー!!!

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おてつたびに参加したきっかけ

何がきっかけだったかは忘れたけど、おてつたびを知ったのは結構前だったと思う。

旅人(特にバックパッカー)は旅の資金にいつも頭を悩ませる。そこである日出会ったのがおてつたび。旅先でお手伝い(お仕事)をしながら旅ができるサービス。リゾバとは違い、おてつたびは『地方』や『農業』『イベント』にも焦点を当てている。田舎が好きな私にとって、とてもコンセプトがマッチしたのだ。

ところが私は高卒から働いてるバリバリ正社員。今はフルリモート・フルフレックスで副業にも寛容な会社にいるのだが、いきなりゴリゴリ働くのはしんどいな…と思ってなかなかおてつたびには参加できていなかった。

だがそこで『海辺のバンガロー Small Beach』さんが3連休の募集をしていた。場所は京丹後市。行きやすい。しかも、私の大好きな海が、目の前。気がつけば、勢いで申し込みをしていた。決まったのが2〜3日前。採用の連絡をいただいき、嬉しさと興奮で舞い上がったその勢いでそのまま熱中症・虫対策グッズを買いに行く。とても待ち遠しかった。

旅先ではたらく。いつも行く旅とは、また違った旅。いつもと違う緊張感にとてもワクワクした。

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7/13 初日 インスピレーションの日

Small Beachのオーナーの鳴海さん(以下なるみーさん)と11時にご対面。おてつたびのチャットで『10時〜13時に直接Small Beachに来てください』と連絡が来て、社会人としてぶっちゃけ何時に来るのが正解なのかわからなかったが、とりあえず11時に到着。あとから聞くと、なるみーさんは時間管理が苦手だとおっしゃっていた。笑

このような感じてとても気さくで話しやすいなるみーさんとはすぐに打ち解けることができた。

ちなみになるみーさんは京丹後市の市議会委員もされている。もともとSmall Beachを運営されていた方がご高齢で、継ぐ人がいなかったためなるみーさんが引き継いだそう。最近の宿はインスタ映えするオシャレなところが多いが、シンプルでとても温かみがあるSmall Beachが私はとても気に入った。

早速バンガロー内を掃除するお仕事をスタート。1時間半掃除したあと、『せっかく京丹後へきたので、しっかり観光してください!』と言ってくださった。これぞおてつたび!私は海鮮丼を食べに久美浜湾のほうへ向かった。

久美浜湾と かぶと山
久美浜湾付近の町並みを散歩


帰りに、寄り道して五色浜へも。

五色浜
一瞬ヒロインに見えたけどヒロイソだった


夏の夕方は明るい。バンガローに帰って今日の残りのお仕事も頑張ろうと思っていた矢先、なるみーさんから与えられたお仕事はなんと『看板製作』だった。

『ここに飾る、大きめの看板が欲しいんです。ぜひ看板を描いていただけませんか?』

たしかに私は、新卒で看板を作るデザイナーをしていた。しかしそれはパソコンで、イラレでデザインを制作して印刷してというプロセス。さすがに手で描いたことはない。しかし、私が滞在するのは3日間。綺麗にできるかはさておき、安くて早く製作できるのは、手描きが1番。

もちろん不安もあったが、『やってみます!』と声を上げた。

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うまく作れるかという不安もあったが、天候の不安もあった。3連休は雨予報だった。しかしこの日はとても晴れていて、思いっきり観光するならこの日しかなく、なるみーさんからも『せっかくなら、看板製作のインスピレーションも込みで、しっかり観光してください、海にもぜひ!』とおっしゃってくださった。

お言葉に甘えて海に入り、夜はBBQをするため自分が食べたい物を調達、ついでにホームセンターに行ってどんな木材があるかなあと眺める。BBQではなるみーさんの旅の話、海の話、おてつたびの話で盛り上がった。おとなりで2泊されるリピーターの宿泊者さんからいろんな食べ物をいただく。初日から充実しすぎていてお腹いっぱいになった。

BBQのあと、ホームセンターでとりあえず買ったスケッチブックと色鉛筆で看板のイメージを描くが、なかなか決まらない。とりあえず就寝することにした。

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7/14 2日目 大雨に揺られる日

湿気がすごい日だった。ほぼ100パーセント。京都市内もすごいけど、京都の北もなかなかです。とにかく塗料が乾くか心配だった。

なるみーさんには『気合いっしょ!』と背中を押されて材料を買うことができたが、1人だったら、確実にこの段階で折れていた。なるみーさんはとてもパッションのある方で頼もしかった。

ギリギリ雨が降っていない。大きな板を目の前に、手で1から何かを描くことが本当に久しぶりだった。高校ぶりだろうか。いや、高校のときも結局パソコンで下書きを作って板にトレースするということをやっていたので、最後にフリーハンドで何かを描いたのはいつぶりか思い出せない。

スタート!


緊張するもなにも、早く描かないとやばい。屋外の屋根のあるスペースをお借りしたが、雨が入ってくる可能性は全然ある。とにかく冷静に、なおかつ早めに仕上げることが大事。最初に白の塗料を塗り、全力で乾くのを待つ。待っている間、予想通り激しい雨が降った。板は濡れたが白はギリギリ持ちこたえた。

雨が止んだので、次に文字を描く。頭に思い浮かべていたフォントを一旦スマホで調べ、そのフォントを見ながら板に描いていく。骨格を描いて、そこから細い筆に切り替えて綺麗に仕上げていく。

宿泊された方からいただいた鰻!!最高においしかった!


日本語を描くのが難しい。書道をしていたので書道っぽく綺麗に描きそうになるが、私が思い浮かべていたSmall Beachの看板のコンセプトが『あたたかみ』であった。あたたかみのある文字を描きたかった。

パソコンだと『あたたかみ』『フォント』などで検索して、イラレを開いてすぐにデザインイメージを作れる。しかも綺麗に。

でも手描きは違う。描いている途中に『あ、これめっちゃ大変だわ』と何度も思った。だけどこの感覚が、いつもデザインしている環境とは違った新しい刺激とどこか懐かしい感じが混ざり、とてもエネルギーになった。めちゃくちゃ楽しかった。

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しかし事件は起きた。旅先で事件はつきものだ。そう受け入れるしかなかったのだが、まあ心にキタ。

また大雨が降った。

青色だけ、ちょっと水性塗料に水を含みすぎて塗ったこと、雨が降っていない時間帯に屋内に看板を移動させなかったこと、色々原因はあったと思うが、悲しきことに文字が雨で流れてしまった。

😭

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7/15 最終日 好きは偉大だと思った日

前日は夜、暗い中看板を見たため、『ちょっと流れてしまったけど、思ったよりでは?』とまあ楽観的ではあった。しかし朝見ると、思っていた以上に文字が流れていた。

😭😭😭


しかし、ここで諦めるわけにはいかない。

早速なるみーさんにお願いして、追加で白の水性塗料を買い、急いで青が流れてしまったところに白を被せた。前日使った青色の塗料も若干残っていたので、文字もイイ感じに修復していく。

大雨が降る前に、テキパキと修復していき、イイ感じになったところで看板製作を完了させた。完了と同時に、一気に集中力が切れて目の前の視界がぼやけた。私の悪いところは、のめり込むと周りが見えなくなることだ。ああやっぱり私は、職人のように、好きなことには全力になってしまうのだなと改めて感じた。

なんとか完成ーー!!


この日はなぜか子どもたちとめちゃくちゃ仲良くなれた日だった。2泊してくれた5歳の男の子から、看板を描いている私を見て『なにこれ〜?!きれいに描いてるねえ』と何度も声をかけてくれて、しまいにはなぜか『大人になったらぼくと結婚してくれる?🥺』とかわいいプロポーズもしてくれて、ほっこりしながら全力でその褒め言葉を受け止めた。

なるみーさんの2歳の娘ちゃんも、私の看板製作にめちゃくちゃ興味津々で見ていた。なので余った塗料と筆を渡して、端材に色を塗ることを一緒にしてみた。最初はちょっと緊張して手が震えてたけど、手を離した瞬間、思い思いに、楽しそうに色を塗っていった。きれいに塗ることはもちろん、塗料の量の調節もしていて、覚えが早すぎてびびった。もしかすると、私の筆使いもちゃんと見ていたのかもしれない。

絵を描くことが好きみたいなので、帰り際、私がホームセンターで買ったスケッチブックと色鉛筆をプレゼントしたらとても喜んでくれた。おてつたび自体は終わったけど、結局30分ほど娘ちゃんとスケッチブックにお絵描きしながら遊んでいた。好きはほんとうに偉大なのだ。

例の看板はというと、大雨予報もあったので一旦屋内に避難させ、設置は後日とのこと。

そして私の初おてつたびが終わり、15時ごろにバンガローを出発した。なるみーさんが教えてくださったおすすめのドライブコースである丹後半島を通って家に帰宅した。

ちょっとだけ、伊根町の舟屋も見れた!


また京丹後に行きたい。できれば次は晴れた日に。初めてのおてつたびで残した夏を思い出しながら。


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