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SNSのある世界に生まれてよかった #やさしさにふれて


小学生の頃、SNSをやってみたいがためにパソコンクラブに入部した。

当たり前だけれど、SNSは見れなかった。小学校にあったパソコンから出会い系サイトにアクセスできてしまったら大変だ。

だから家のネットから、SNSをはじめてみた。はじめてSNSに触れた瞬間だった。


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お笑いが好きだった。エンタの神様から入って、レッドカーペット、レッドシアターを経て、たくさんのお笑い番組を見てきた。

親には、毎日夜9時には寝なさいと言われていたが、お笑い番組が見たいときは夜更かしの許可が降りた。眠気を抑えるため、CM中に「顔洗ってくる!」と告げて洗面所に走って、テレビの前に戻ってきて、笑って、眠る。そのルーティーンが生きがいだった。

「ネタ帳」と表紙の隅っこに書かれたノートを毎日ランドセルに入れていた。暇な休み時間にコソっと開いて、ちょっとだけコントを作っていた。それと、友達と一緒に録画していたお笑い番組を見て、コントを丸コピしていた。戻しては停止して、紙にセリフを写して、また再生。

そのルーティーンも生きがいだった。


こんなにも好きだったこの趣味は、あまり公言しないほうだった。お笑いが好きという小学生の女子は笑われそうだな、と思っていた。単純に恥ずかしかった。

だから、この趣味を堂々と話せるコミュニティが欲しかった。それがSNSだった。


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お笑いについて語れる掲示板を見つけた。友達に呼ばれていたあだ名の一部を取って、そのままハンドルネームとして使った。さらにアカウントも作った。

こんなにもお笑いについて語っている人がいるなんて、そして自分も堂々とお笑いについて語って良いなんて。

誰もバカにしない、こんなオタクを歓迎してくれる。このSNSをはじめてから、インターネットは広くて、やさしい空間だと知った。とてもハマってしまった私は、ほぼ毎日その掲示板に顔を出していた。

けれど、新しい人に出会っては、辞めていく人も増えていった。どうしようかと迷っていたときに、仲良くしていた人からTwitterを勧められた。

Twitterの威力は想像以上だった。

掲示板以上にお笑いが好きな人が多かった。さらに、いろんな芸人さんのツイートも見ることができる。なんて素晴らしいツールだと感動したことはよく覚えている。あっという間にフォロワーは増え、とことんハマってしまった。


Twitterを勧めてくれた友達に着いていくかのように、長年使い続けてきた掲示板をサクっと辞めた。寂しいという感情より、新しい空間に移ったワクワク感の方が強かった。

好きなことを好き放題投稿できる。好きな友達と話せる。辞めたいときにサクッと辞めれる。そして、他の場所へ案内してくれる。そんな風通しの良い掲示板の文化が、私にはとても居心地が良かった。


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SNSでたくさんの素敵な人に出会い、SNSに助けられ、SNSが生きがいな私にとって、「SNSは悪だ」という声を聞くと少し寂しい思いをしてしまう。

けれどSNSは中毒性が高く、精神的に悪影響を与えることは決して否めない。「誹謗中傷」「炎上」なんて言葉は馴染みのある言葉になってしまった。

そんな私も、いつも平和なSNSライフを過ごしていたわけではなかった。

掲示板時代にも悪な書き込みをしてくる人はいた。Twitterで良かれと思って書いたツイートが軽く炎上してしまったこともあった。仲良しだと思っていた人から無言でブロックされた。せっかく会えた人に、次の日から冷たくされてしまった。それらの日がきたときはもちろん落ち込んだ。


けれどそれ以上に、SNSでふれたやさしさの数の方が多かった。

「はじめまして」と書き込んで、「呼びタメおkだよ!仲良くしてね。」とリプライが来たとき。「がんばれ」と応援メッセージが来たとき。仲良くなった人とはじめてオフ会をしたとき。毎年恒例で会って遊んだとき。LINEを交換したとき。新しい作品を教えてくれたとき。

やさしさにふれた数を思い出せば思い出すほど、私はSNSに助けられてきたと実感している。だから小学生の頃から今日まで、SNSを続けている。

どんなに荒れようと、私はこれからもSNSは辞めたくない。SNSのチカラを信じ続けたい。

もちろん、SNSに疲れたり、精神的にダメージを受けてしまったらサッと辞めたいと思っている。みんなが使っているから続けたいのではなく、私が楽しいから使っているだけだ。だからSNSを続けている以上、いろんな人を歓迎して、つらくなったらサッと辞めてもいいよと言える人になりたい。

最初にはじめたSNSのように、風通しのいいSNS空間を保っていきたい。


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20歳になって、noteをはじめた。noteを使いはじめて2年。小学生のころ、思い切ってSNSの世界に入っていなかったら、きっとnoteの世界も知らなかった。知っていたとしても、今よりももっと遅かっただろう。

このnoteを最後まで読んでいただきありがとうございました。そんなあなたに捧げます。

「SNSのある世界に生まれてよかった」と。



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