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レコード送り合い遊び

随分と久しぶりのエントリーになってしまった。
書きたいことはたくさん溜まっているので、ゆっくりいろいろ書きます。

さて今回は最近たまーに友達とやる遊びについて書きたい。
それは「友達と互いにレコードをジャケットだけで一枚選んで送り合う」というものである。

昨年末に7インチのレコードをいただいた。
いただいたからには聞きたいなと思い、レコードプレイヤーを購入した。
初めてレコードを再生して驚いた。
音が丸い…。そしてなんかめっちゃ楽しい…。
サブスク世代(なーんつって、小中学生の頃はゲオでCDをレンタルしてたし、その後はMD聞いたり、SDカードに入れたり、iPodで聞いてたり…という世代ですが笑)の僕としては、こうしてアナログのレコードを聞くというのはある種のアトラクション的な感覚が強く、一種のアクティビティであり、活動だなと感じる。
サブスクで聞くのはある種受動的な部分が大きかったんだな、とレコードを裏返しながら初めて思う。
レコードの値段は高いし、聴ける曲数も限られている。
曲を飛ばすのも面倒だし、好きな曲だけリピートするのも難しい。
だけどちょっと重量のあるレコードたちを見比べながら、今日はどれにしようかなと一枚を選び、改めてジャケットなんかをちゃんと見て、ターンテーブルに乗せて、再生する時の喜び…。
少しだけ、演奏する側に近い感覚かもしれない。
DJがパフォーマーであるように、レコードをかけるというのは僕にとっては少しだけ演奏者のサイドで音楽を流す感覚になるのかもしれないな。
(素晴らしく意志を持ってデザインされた洋服を選んで着る時、少しだけデザインした側の、表現者側の気持ちになっているような、そんな感じ。よりわかりづらいか?笑)

さて、ここからが今日の本題。
レコードは聞くだけではない。
レコードを探しにいくところからがレコードなのだ(?)。
遠足みたいだね。

ターンテーブルを買って、初めの数日はひたすらその7インチの2曲を繰り返し永遠に聴いていたのだが(本当に永遠に2曲だけずっとリピートしていた)、さすがに他の曲も聞いてみたいなと思いたち、初めて渋谷タワレコのアナログコーナーへ足を踏み入れた。
緊張しながら(なんかダサい盤(?)とか見てたらツウに舐められそうなんだもん)通路を歩き、ビビりながらとりあえず好きなアーティストのアルバムをいくつか買ってきた。
手提げの袋に入ったLP3点はものすごく重く、なんだか「買った感」がすごかった。
ずっしりした袋を片手に乗った地下鉄の中で、そういえば自分が音楽を買ったのっていつぶりだろうなとふと思う。
音楽を作る側になり、どうやったらお金を作れるか?なんてことを考えていながら、自分が音楽を買ったのはもしかしたら中学生以来かもしれない。

家に帰り、ゆっくり袋から出し、まずはジャケットやライナーノーツを眺め、熟読する。
サブスクとはアルバム一枚聞くのにかけたくなる時間が違う。
なんかすぐに再生しちゃうのはもったいない気がする。
ゆっくり全てを見終わってから、コーヒーでも淹れて、レコードをターンテーブルに置き、再生する。
ソファに座る。
フツフツとしたアナログの音の後に、まろやかな音楽が流れてくる…。

…とまあ、レコードを聞く、とはこういうアクティビティなわけですよ。
それ以来僕はこうして一人レコードをきく活動を楽しんでいたわけなんですが、ここからが最近ハマっている遊びの話。
それは、友人とレコードを一緒に買いに行って、互いに合いそうな盤をジャケットだけで選定し、互いに送り合うというもの。
ルールは、自分が聞いたことのないアーティストであること、あくまでジャケットだけで剪定すること、相手に合いそうなものを選ぶこと、そして予算は大体1,000円くらい、という感じである。

中古レコードの棚にいくと、300円〜1,500円くらいで売っているレコードがたくさんある。
素晴らしい音楽であることは間違いないだろうが、勉強不足、聞いたことも見たこともないバンドやアーティストたちの聴きかじられたボロボロのレコードが並んでいたりする。

これまで2度この活動を別の友人とやったのだが、二人とも、往年の黒人ソウル/ファンクボーカルグループ/バンドのアルバムを僕にチョイスしてきた。
2人のコメントは「やっぱりこういうイメージがある」とのこと。
「やっぱり」ってなんなのか?
自分ではあんまりピンとこないんですけど…笑
2人がそれぞれ選んだ盤があまりにも近い種類のものだったので、なんだかおかしいなと思った。
別に俺そんなにそういうの大好きみたいなキャラじゃないけどな〜〜とか言いながら。
いやでも昔からさ〜、とか。
そういえばあの時もさ〜、とか。
そんな会話をしながら選定理由をお互いに説明し合う。
レコード側の情報があまりに少ないから、必然的に相手自身のことを深く掘らないと選べないし、選定理由が説明できなくなる。
なので相手のことをよく考えてこれまでの関係ややりとりを思い出すことになる。
自分のことをよく知っている人とやると、とても面白い。
レコードを選んでいるようで、その友達との思い出を振り返っているんだな。

こうした楽しい遊びが、自分の音楽のライブラリーをより豊かにしてくれるなと思う。
そのアルバムに紐づいている自分の中での意味が増えていく。
もっともっと聞くのが楽しくなっていく。

…でも買い過ぎには気をつけないとね。

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