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特殊な世界

音楽を聴きながら書いた1000文字程度のショートショートです。色々と試みておりますぞーいと。宜しくお願いします。

幼稚園から大学まで一貫校だった
毎年政府の役人に選別されて
幼少期に集められる政府の特殊学校

長いことハードなトレーニングを積む
例えば、カードをめくらずにダイヤの8だとか
そんなことができたのは小学3年生の時だった

絶え間のない訓練
それは想像を絶する
1か月近く水分しか与えられずに
薄暗い部屋で胡坐をかきつづけて
己の気の流れを知る

当然死ぬ者もいる
無事大学まで卒業できるものは
4分の1にも満たない

転校など許されない
卒業できない者の末路は死があるのみ
死んだ仲間を解剖させられたときもある

どれほどの精神的な苦痛か
電気を流された日々もある
訓練と言う名の拷問だ

おかげで、意識すると
右手から電流を流すこともできる

これだけきつい日々を送れば
安泰な将来か?といえば
そういうことではない
政府の諜報機関として働くわけだから
そこでもまた死んでいく

卒業した先輩をみれば
30歳まで生きている人は5%もいない
優秀な人間のように言われながらも
政府にいいように捨て駒にされる
それが俺達だ。

ただ、いいこともあった
学生寮のおばちゃんが
決められた食事以外に
こっそり夜食を出してくれた

規則に反すれば
おばちゃんだって処分されるのに
どうしても苛酷なトレーニングのとき
少量の食事ではお腹が空く

おばちゃんの暖かさが
崩壊する精神を支えてくれたと
思っていたけどそれも
そうすることで俺達の精神崩壊を防ぐと

おばちゃんもグルだったと
知ったときの裏切られた感も
トレーニングの一環だった

そこまで苛酷なトレーニング
疑心暗鬼の中で
目的を達成することだけが
優秀者の証だった

入学当初は1000人いた仲間が
卒業するときは250人になっている

さらに250名のうち優秀者の30名は
政府が開発した特殊技能が発動できる
指輪を貰えるのだ。

ただ二度と外せない指輪ではある
外したら爆発する仕組みになっている
だが、特殊能力が発動できるんだ

それが強力ならば卒業後の生存確率は
上がり、人間兵器にもなれる

俺は成績優秀な方だ
1番ではないが10番以内には入る

指輪には少し期待する

俺の前の者は念ずると翼が映えて
生身で空を飛べるジェットが与えられた

今年開発されたものらしい
皆息を飲み羨ましがった

さていよいよ俺の番だ
二度と外せない指輪をつけた
能力の説明を聞いた

瞬間移動ができる
凄い能力だ!と思い説明を聞く

今の技術では1m先に
瞬間移動できるだけだった

瞬間移動しようと念じて
10分後に漸く瞬間移動する

歩いた方が早かった
いらんなぁ・・・

これは十字架だけを背負わされた形になるなぁ

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