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人生の紅葉

音楽を聴きながら書いたので
流しながらお読み頂ければ幸いです。

最近頭頂部の抜け毛が酷く
左右はこんもりしているとき
アニメ的には博士的な
ポジションを取れそうだ

検索したつもりもないのに
YouTubeではなぜか
頭髪に悩む人向けのコマースが多い

だがお金がない時
決めている覚悟がある

あれはつくば山にいった10年前
季節的には今より数か月先だが

紅葉が奇麗で
ロープウェイに乗った時に
団塊の世代のご夫妻と
一緒に乗り合わせた

俺の隣に旦那さん。さらに下り側に
奥さんが座る。

旦那さんは奥さんに
見晴らしの良い方を
エスコートしていた

素敵なご夫妻だな

動き出すとすぐに
ロープウェイは結構な角度がつく

ほら、見てあなた、紅葉が奇麗よ
そんなベタな会話をしている

下り側を見るとき
旦那さんの頭に視線がいく

そこにはもう一つ紅葉があった

バーコドシステムが採用された
奇麗に引き延ばされた髪型

恰幅の良い旦那さんで
教育機関の人かはわからないが
明らかに校長の風格だ

様々ある選択肢の中から
何故それを選んだのだろうか?

隣に座る奥様に相談はしたのだろうか?
その時、奥様は洗濯物を落とし
頬を涙が伝わったのだろうか

1つ確かなことは段階の世代が
戦後の日本をつくったということだ

職員室で校長と教頭は
互いのバーコードを認め合うとき
それは戦友なのだろう

男たちの大和がそこにある。

10年前の俺はそんな心配はなかったが
今、鏡を見れば
俺もclose your eyesを歌いたい
というか瞳を閉じたい

薄毛になった今なら解る
俺もバーコードにしようと思う

あえて茨の道を歩みたいとか
それがお洒落だとか
そんな想いではない

誤魔化しきれるなら誤魔化したい
ワンチャンいけるかもしれない

本人だけは現実を
受け入れられないものなのだろう

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