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きゃらをの世界

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過去に書いたショートショートです。当時は1500円とか 結構イイ値段でだしました。 全部まとめました。
シュールな笑が欲しい人には向いているかと思います。
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#イラストエッセイ

バタバタママ

1970年の後半に 俺はディレクターに昇進した。 テレビ番組のディレクターだ といってもゴールデンタイムを飾る そんなディレクターではなくて 朝の子供向け番組のディレクターだ 他にもディレクターは何人かいるが 子供向けの番組は、子供たちが楽しめる そんな歌をつくったりもする。 伝説で言えばおよげ!たいやきくんは 伝説と言えるだろうな。 ディレクターとしての初めての仕事 それが2分程度の子供が喜ぶ 歌をつくることだった。 この時代は景気も前向きだから 予算も結構組んで

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速すぎた亀

まず俺が何故戦わねばならないのか そのことを教えて欲しかった。 戦いというものは望む望まないに関わらず 突然やってくるものだった 「お前ノロマだろう?」 いわれなき侮辱だが事実でもある。 だけどそれは種が違う カラスが空を飛べない猫を 馬鹿にするような話だ そう俺は亀であり、やつは兎だった。 同じ亀に言われるならば理解できる。 だが同じ亀には言われることはないだろう なぜなら亀の世界で言えば 俺はオリンピック選手クラスの快速だ 亀がオリンピックをするならば それは

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木こり生活

ショートショートで、無料部分でも成立するように1000文字でまず書いてみました。無料部分だけでも楽しんで頂ければ幸いです。 俺の名はきゃらを 木こりをしている 若いころは必死だったが 年齢を重ねる事で熟練したというのか 木も力いっぱいに切り倒せば 切れるというものではない 木には木の呼吸もあるから そこをうまくつついてやれば 上手に切り倒すことができる ただその日はなんとなく感覚がつかめず 勢いに任せて切っていたら 手をすべらせてしまった ちゃぽーん♪ あぁー湖まで飛

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大きなカブじゃない

何人という単位が正しいか解らないが そこには共同で頑張っている人達がいて 遂に引き抜かれた今 俺は結構腹が立っている 巻き込まれた感がエグイ そこには爺さんと婆さんと孫娘 さらに犬、猫、鼠がいた やったーと彼らは喜んでいたけど 円盤から俺が出たところで 皆フリーズしている様子だった 「なんだよお前らぁ」 「ええぇぇぇぇ」 そうか細く声をだしているのは爺さんだった 「なんなんですか・・あなた!!」 「なんすかって見たらわかるだろう  地球外生命体だろうこっちは」

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窓際族の哀愁

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Oh ロミオ!!

俺は殺されたんだ それはあのロミオとジュリエット そのジュリエットのパパに政敵として 葬られたのである。 謂れの無い難癖をつけられ わが一族はことごとく裏切り者として 処刑されてしまった。 当然、成仏できずに ジュリエットファミリーの家を 徘徊してたのだよね 根は明るいほうだから そんな禍々しいこともできず 無為に日々を過ごしていると 不意にそのチャンスが訪れた 娘のジュリエットが大分、心身を喪失している できるかーできるかなーと 興味本位でやったらできたんだよね

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怪人たちの挽歌

今後は全部イラストをつけていくので、まず、きゃらをのショートショートマガジンの本数を埋め、次にきゃらをの世界2を埋めていきます。 俺の名はきゃらを年齢は40歳半ば 「悪の組織」で働いている。 ただの構成員だ 仮面ライダーを意識してくれれば解る ショッカーのような立ち位置が俺だ 同僚もいるが俺たちは 出世することもない年配の構成員である 若い子達には覇気があるけど できればこの構成員のまま定年を迎えたい。 同じような仲間もいる 要するに構成員における窓際族だ だがその

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映画どんぐりころころ

少年時代はサッカー部だった 大学で急に演劇部に入ったことと 男女比が9対1だったこととは 無関係ではない。 そしてそのまま 大学は没落して役者になると 嘯いて就職もせず 親の脛を齧りながらフリーターを続けていた そんなある日 映画を撮るとのことで 主役級の話が急に舞い込んできたんだ。 なんでも映画のタイトルは 「どんぐりころころ」と言う話だ。 どんぐりころころは童謡だ そんな事は知っている 水戸黄門のテーマ曲に 合わせて歌っても様になる音調 それを題材にした話で面白

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一休きゃらを

俺の名は一休きゃらを、トンチの利く坊主としてそこそこ知名度も上がり、将軍様に呼ばれることになったんだ。恐らくは何かしら俺のトンチを試そうと仕掛けてくるに違いない。まぁそういう人だから俺みたいななまくら坊主も陽の目を見る機会があるのかもしれないな。 「おまえが一休きゃらをか?」 『はい。』 「苦しゅうない。面を上げよ」 『はい。』 「良い面構えじゃな。早速だがなきゃら休」 チョロQみたいに言わないで欲しいが将軍様には逆らえない。さてさて、どんな謎かけが飛び出すかな?あの水墨

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美女と野獣ときゃらを

それまでは俺はお城の世話係として城より3キロ離れた場所で普通に暮らしていたんだ。小さな小屋があって、そこでベッドメイキングの仕事をしてたのだけど、結構奇麗にすると評判でお城の室内のベッドメイクも任されるようになってからは定期的にお城に通っていた。 まぁお抱えとまでは言えないまでも、王族のベッドメイクをするということで、そこそこ商売は上手くいっていた。その日もベッドメイクにでかけた王様の寝室を奇麗にした後に、客室のベッドメイクもした。 色んな人が泊まるのだけど、王に呼ばれて

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オオカミが来たけど早い

俺の名はきゃらを 物心がついたときから両親はいなかった 今、田舎の村で羊飼いをしている 将来の展望もないまま 無為に日々を過ごしていて 変らない日常に不意に飽きが来たんだ どちらかというと自棄な感情がある それでこの間、オオカミが来るぞーと 嘘をついたんだよね。 そうしたら、村の皆が慌てふためいて 本当面白かった。 だからまたやってやったんだ 慌てふためく様を見て また俺は楽しんだのだけど 今回は流石に2回目だから 悪戯では許されないということで 村の有力者の家に呼ば

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ハロウィンの夜に

俺の名はきゃらを15歳になる。 この時代は自分が石を投げた距離だけ 土地を与えられた。 その与えられた大地を自由に栽培し 生計を立てる。それが15歳になる男子は 元服して行われる だから俺達はずっと 幼少期は石投げをしていた 隣国との戦争があるとき 男たちは総出で戦うのだが 屈強な男をつくるために 王様が考えた政策だ 俺には友達がいたゴガーとヒタペンだ 3人でいつも石投げをしていたが 3年前からはヒタペンは 一緒に石投げはしなくなっていた それでも石投げ意外の時は 野を

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鶴ではない者の恩返し

お腹が空いた。極限状態に近い 何か食べ物をと思って鹿を追いかけていたら 何処か分からない森に迷いこんだ もうだめだな動けそうにない 目の前に鳥たちが泉で水浴びをしている あれは鶴かな?鶴って喰えるのかな 最後の力を振り絞って追いかけたが 人類でもフォルムのおかしな俺が 鳥類にかなうはずもなく 遂に力尽きて気絶した もはや、ここで終わるのか・・・・ しかし終わらなかった 気づけば俺はどこかの民家にいた そして起きて周りをぼんやり見渡すと 見知らぬ男性がいた 男性は凄く優

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占い師きゃらを

俺が暮らす街は港のある城下町だ 仕事は手相占いをしている もちろん師について勉強はして ある程度、手相の知識はつけたが 正直言ってしまえば 会話のキャッチボールで相手の心理を見抜き 時には相手の求めている優しい言葉をなげ 時には方向性を間違えてやれば叱ってやる 要するに手相をもとにした 人生相談に近いかもしれないな 多くの人の相談に乗りアドバイスすることで 当たり外れはあるものの精度が上がってきたので そこそこ評判だったりもする。 目もくらむような稼ぎはないものの 細々

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