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「出来ない人の気持ちがわからない」から、「誰もがスポーツに参加できる社会を目指す」に至るまで~IIBC Cafe Globe #23 岡田美優さん

9月10日は第23回目のIIBC Cafe Globeでした。

Cafe Globeを開店することに至った背景はこちら

今回のゲスト

今回のゲストは岡田美優さん。私は普通にに美優と呼んでいます。

1994年生まれ。神奈川県出身。11年間ハンドボールを続けており、スポーツが大好き。
大学時代は福島で過ごし、スノボ・温泉巡り・川飛び込みなどで自然と共にのびのび成長してきた。
大学3年生の頃に参加したパラスポーツのボランティア活動で車椅子スポーツにハマり、「トビタテ!留学JAPAN」の奨学金でドイツに留学。現地で車いすスポーツの普及が進んでいる環境を見て、「日本でももっと多くの人が車椅子スポーツにアクセスできるような環境を作りたい!」という夢を抱く。帰国後は、ドイツで学んだパラスポーツクラブ経営や社会システムの知見を日本で活かすため、車いすバスケットボールチームのマネージャーとして活動したり、早稲田大学大学院に進学するとともに一般社団法人Knockuを立ち上げる。
現在は東京都新宿区を拠点にドイツをモデルとしたパラスポーツクラブの経営を行っている。
好きな食べ物はカレー・さば・こしあん。

美優と私

6月のゲストだったこうすけとほぼ同じ時期に、トビタテ事務局インターンとして一緒に働いた美優。当時ソーシャルサーカスに参加したり手話ダンスをしている知人の話を聞いていた私にとって美優の活動がとても興味深く、情報交換をしたりしていました。今年2月に一般社団法人を立ち上げた美優。どんな想いで今活動をしているのか、色々お話を聞いてみようと思い、ゲストにお呼びしました✨写真はトビタテで一緒に働いていたころ、美優の留学経験を事務局の皆さんに話してもらう機会を作ったときのもの。

今回のお茶

Cafe Globeでは、ゲストのゆかりのある「お茶」と、ナビゲーターの私がその時おすすめしたいと思った「お茶」を交換して、飲みながらお話をしています。
美優からは、実は今回はCafeの直前に美優が鹿児島に来ていて(!)その場で「美味しかった」と鹿児島のお茶をいただいちゃいました。貴茶のレモングラス和紅茶です。実は第3回のゲストにも私からお送りしているお茶でした!

今回私が送ったのは、霧島の有機和紅茶「Tea Time in KIRISHIMA」の「くつろぎの夜に 霧島紅茶」。まさに夜に開催しているCafe Globeにぴったりだなと思ってセレクトしました。ふるさと納税の商品にもなっているのでもし気になる方は是非ふるさと納税経由で!笑

今回のカフェ。

さて、今回のカフェです。

美優は神奈川県横浜市出身。小さいころに海外旅行に何度か行ってはいたけれど留学に特に興味はなく、自身の海外への興味はお姉さんが英語が得意で中国語や韓国語も話せて、韓国人の彼氏ができるほどのグローバルになっていたところへの憧れから(!)
両親が特別支援学校の先生である岡田家。そこから障がい者支援に興味を持つようになり、もともとは自分自身も特別支援学校の先生になろうと思っていたのだとか。そして、スポーツ女子の美優は11年間ハンドボールをしていて(がっつり体育会系)、①特別支援学校の教員免許が取れる②中高の保健体育の教員免許が取れる③ハンドボール部がある③でもあんまり強くないところ④家から通えないところ、という選択肢から福島大学の人間発達文化学部へ進学します。人間発達文化学部は、要は教育学部の中のスポーツ・体育専攻系で、特別支援学校の先生になる人が多いところだそう。家から通えないところにしたのは、一人暮らしがどうしてもしたかったから。そしてハンドボール部があってあまり強くないところにしたのは、ハンドボールを教える側(=コーチ)になりたいと考えていたので、大学では教育について学び、ハンドボールをやりたい、というバランスを考えてそう考えたのだとか。実際3,4年で入るゼミはスポーツのコーチングについて学べるゼミに入っていたそうです。福島での生活は、寝る時間もお風呂の時間も全部自分で決められて「自由に行動できる」というのが最高だったと美優。自然の中でのびのび過ごしてたそうです。
 
そして、ある日特別支援の授業をとっていた時に、先生から「パラスポーツのボランティアに参加してみないか?」と誘われて参加したのがパラスポーツを知る最初のきっかけになります。そのボランティアは東日本大震災で被災している地域の特別支援が必要な子供たちと仮設の幼稚園を使って運動会をするためのサポート。
ずっと競技性の高いスポーツを体育会系の環境の中でやっていて、能力も高かった美優は(自身でスポーツ強者と言ってます)、できない人の立場が分からず、できない人の気持ちが全く分からず、厳しく接してしまったり「この子ができるようになるにはどうしたらいいんだろう?」ととても悩んでいたことがあったそう。そして、このボランティアをきっかけに、「できる部分にもっと目を向けてあげよう」とか「周りがサポートしてあげればその子たちも力発揮できるんだな」ということに気づき、一人一人に合った指導法の存在や周りの支援の大切さ等、考え方が変わっていきます。
 
ここで「障がい者のスポーツ支援を学んだら、スポーツができない人に対する指導とかもわかるんじゃないか」と障がい児にスポーツを教える、ということにすごい関心を持った美優。たまたま福島で障がい者スポーツの指導者の講習会が開催されていたので行ってみると、そこにたまたまドイツの講師の方が。その講師の方が色々な車いすの方のスポーツ指導法を段階的・論理的に考えていたり、技術面・身体的な特徴・心理的な特徴など、様々な面から一人一人の子どもたちの成長をサポートする、という信念を持って指導していると話していて、「その人のもとでもっと勉強したい」と思ったのが、美優の海外へ踏み出そうと思う最初の一歩になりました。
 
そこで出会うのが、のちに美優がインターンとして働き、当時事務局で働いている私と出会う「トビタテ!留学JAPAN」という奨学金制度。官民学協働の文科省主導の奨学金制度で、民間や一般の方の支援金が入っているので、学費だけでなくインターンやボランティアなどと言った形での留学に対しても奨学金が出せる、様々な海外での学びの形を高校生・大学生に支援する仕組みです。元々期間限定で2020年までのものでしたが、どうやら継続・再開が最近発表されたようですね!

さて、そこでドイツにハンドボール留学をするという形で奨学金を獲得していた荒井しょうたさんという方がいて、その方が「トビタテで留学しました」と話しているのをきっかけに奨学金制度を知る美優。福島に来てくださったドイツの講師の方に「もっと色々教えてください」と連絡すると、「じゃあドイツに来なよ」と言われ、この制度が使えるのではないかとひらめきます。応募するにあたり、ドイツの受け入れ先の受け入れ証明が必要な為、相談をすると、「それなら、うちの車いすスポーツ連盟でインターンすることにすればいいよ」と書類を作ってくだったそうです!
 
実際にいくつかドイツにいるときの写真も見せてもらいました。下にリンクが貼ってあるYouTubeでも動画を残しているのですが顔出しNGの方が結構いるのでだいぶぼやけちゃってるので声だけお楽しみください…これは実際に当日来てくださった方だけの特別タイムでしたね!←
私が全然車いすスポーツのことを知らないので、「車いすバスケの人たちのタイヤってなんで斜めなの?」とかすごい素人質問してます。回りが効きやすい、というのもありますが、横にぶつかると指が挟まっちゃうからだそうで、安全面を考慮し改良を重ねた結果今の斜めの角度になったそうです。
 
このドイツでのインターンをきっかけに車いすスポーツに出会う美優。現地で色々なスポーツクラブを巡り、車いすバスケ、車いすラグビー…色々な種目を知ります。そうしたスポーツの大会に同行し、運営のお手伝いをしつつ、現地の方に「どうやって車いすとか集めてるんですか?」「補助金制度があるんですか?」とチームの経営に関することなどを聞いて学ばせてもらっていたのだとか。
 
ここで気づいた。美優はドイツ語でコミュニケーションをとっていたのです。留学当初は全く話せず、ドイツ語のレベルも下の方。ジェスチャーをしたり、見てるだけのことが多かったそうです。だんだん「喋らないと何もわからない」と思い、勉強を頑張り半年で結構喋れるレベルまでの試験に合格。留学して最初の5か月は午前中に語学学校に行って午後にスポーツクラブでインターン、という形だったので、午前中に習ったことを必ず午後に現場でアウトプットして使ってみるということを意識することで、思ったより早く習得できたのではないかと分析する美優。その日に習ってすぐ使う。確かに。語学だけに限らないよな…
そして、美優は普段の日常会話は全く困らない位話ができるようになったと同時に、車いす関連や病気関連の専門用語はわかるように。動画で「脊髄損傷」をドイツ語で言ってくれているので是非聞いてみてください。全然聞き取れん。


 参加してくださっている方から言語についての質問が来たので第二言語習得トークが盛り上がります。ドイツ語は女性名詞・男性名詞・中性名詞みたいな日本にはないルールがあり、「スカートなのに男性名詞なの?!」と言った不規則なルールには苦労したそう。(Shotaの時にも触れたけど、イタリア語もそうなんだよねわかる!)また、日本にない概念やドイツにしかない概念、日本語をそのまま訳すとおかしいから現地のどういう表現に直したらいいのか、ということを考えながら話すのに苦労したとか。英語とは違うルールやよくわからない単語・めちゃ長い単語があったり。留学当初、喋れないと伝えたいことがよく伝わらなかったり、知りたいことが知れなかったり、もどかしい思いやコミュニティへの居づらさを感じたそうですが、「伝えよう」とする・「伝えたいことがある」という強い気持ちを持って相手と接することで、相手も「聞こう」と向き合ってくれる・耳を傾けてくれる人がいるなと気付いたそうです。
 
やっぱり辛い経験もあったそうで、健常のハンドボールのチームに所属しているとき、自分にだけ情報が回ってきていないことがあったり、仲間外れになっているんじゃないかと感じた機会があったそう。1人だけ異質(コミュニケーションが取れない)人がいると、作戦会議の時に効率が落ちるので排除されがちだなと思うことがあったそうですが、一方で車いすハンドボールのチームの方では「なるべく皆を入れよう」「一人ひとり役割を与えよう」というテーマで活動していたのもあり、美優に車いすに乗ってと話しかけてくれる人、会の始まりの挨拶をお願いする人など、自分に居やすさを感じさせる工夫をしてくれていることに気づいたそう。ちなみに健常ハンドボールのチームは留学期間中所属し続けて、自身の能力をしっかり成果として見せて(美優曰く「無双した日」)1人で15点くらい決めて地方紙に載ったりもしたそうです。スキルで見せた美優、さすが!
 
さて、日本とドイツのパラスポーツの違いについて参加者の方と一緒に聞いていきます。
日本よりもドイツがパラスポーツにおいて優れているなと思ったところについて聞いてみると、圧倒的な車いすスポーツチームの数だそう。ドイツは車いすの人がスポーツできるチームがバスケやラグビー含めドイツ全土で300以上あるのに対し、ほぼ同じ国土面積で人口は倍の日本では120~130くらいで、統計が出ていないので概算の数。ドイツではどの地域に行っても色々なスポーツチームが市区町村レベルで各地であり、検索したら車いすスポーツのチームもちゃんと出てくる。どの体育館に行っても車いすが利用できる(日本は利用を断られてしまうケースが多い)。体育館の中に競技用車いすが置いてあったりもして、体育館の半面を健常の子たちがフットサル、半面を車いすの子たちが使うといった、日常に障害のある方がいるのが「普通」の空気感が「すごくいいな」と思ったそう。
 
特に車いすが体育館に置いてあるのはいいなと思ったそうで日本でもやりたいなと動いているそうです。日本の場合は自分で競技用車いすを購入し、幅が広いのでバスや電車に乗れないので車で運ばないといけない、と、費用がかかる。ちょっと興味があるぐらいで始めようとするといきなり競技用車いす30~50万円+車が必要になる、というハードルの高さが課題と感じているのだとか。特に子供は自分で車いすを運べないので、自立してスポーツ活動に参加するためにも体育館に置いてあるというのは必須だなと感じているそうです。

そして、今年美優が起業に至ったことについても聞いていきます。
ドイツから帰国後、ドイツのスポーツクラブの経営や社会システムを学び「日本に持ち帰りたい」と思ったので、福島大学を卒業した美優は大学院から東京へ。スポーツ経営学・スポーツビジネスの専攻に変えます。日本の実態を知りたいと思い、東京の車いすバスケチーム「NO EXCUSE」に入ります。ここでチームのマネージャーとして練習に通うことになります。
教職の道は…?と聞いたところ、学部生の4年生の時に特別支援学校の教育実習に行った時に実習校の体育の授業が障がいがある方のスポーツ指導法がわからない方が担当していて、根性論的に指導していることにショックを受け、教育だと指導要領などが決められているので介入の余地がない、それよりも私は自分たちでプログラムを組める外部のクラブの方がいいんじゃないか、と思いクラブの選択肢を選ぶことに至ったそうです。
そして、東京の車いすバスケチームに属して気づいたのは、地域のクラブとして活動している車いすスポーツのチームは「競技性がかなり高い」ということ。ドイツのような気軽に来れるクラブではなく、マネージャーの美優ですら「週3!」とコミットメントがかなり求められたそう。
チームメイトたちは先天性・後天性の方両方がいて、車いすバスケを始めたきっかけは「リアルを読んだから」「病院関係者の方にスポーツやらないと誘われたから」といった方もいたそうですが、もともとスポーツの競技嗜好性が高かった人や、もともとガチで体育会系のスポーツやっていた方が事故で…といった、ポテンシャルが高い方たちは入れる空気感があり、「ちょっと楽しくレクでスポーツやりたい」という人はなかなか入れなさそうな感じ。子どもたちが憧れを抱いて見学に来ても、見学しか対応ができなかったり、高齢化した選手が引退をしてしまったりといった状況に悲しいと思ってしまい、その競技力返上になってしまっている状況を何とかしたい、ならば自分でチームを作ろう!と今は自分自身のチーム作りに取り組んでいるそうです。それが、美優が立ち上げた一般社団法人Knocku。

 
社団法人にしたのは、行政や学校、競技連盟とのやり取りが増えてきて、法人格を持ってた方が信頼があったり仕事をもらえるようになるかなと思ったから。事業内容が障がい者の自立支援っていうところで福祉的な社会貢献認容のあるものだと一般社団法人の方が撮れる助成金が多かったこととも、この法人格にした理由だそうです。たちが得るときの費用も安いそうで。
名前は「Knocku」。「人の心をノック(knock)する」+「u(あなた)」という造語で、「障がいがある人たちが自分自身に対して心を閉ざしてしまう・自分の可能性に心を閉ざしてしまう・逆に健常者の方々が障がいのある方に対して偏見とかを持っていて障がい者に対する心を閉ざしてしまう、そうしたお互いの間にある状態・壁をノックして開いていく」という意味だそうです。
現在はここでチーム作りを目指しつつ、主に車いすスポーツのイベントの運営やチーム運営・大会運営など、障がい者のある方のスポーツする環境を構築している状況だそう。
 
ここで人を集めてきたり仕事をどうやって取ってきたのか聞いてみると、留学の時にできたコミュニティ、トビタテの奨学生のコミュニティだったそうです。「起業したいとか、独立したいとか、自分で何か起こしたい、っていう人が多いコミュニティに所属してたのでそこで『自分はこういうことをしたい』とか、ちょっと車いすバスケ興味あるかもなレベルの人とかを『試合観に来て!』ってめちゃ言って来てもらって『めちゃよかった~』って言ってもらったのをそのまま今もズルズル続いてるみたいな感じですね。」今はメンバーが13人。チームに入りたい人たち40~50人くらいを巻き込んで大きなチームを作ろうと試みているそうです。
 
写真を見せてもらうと、年齢層が幅広い。5歳くらいから70歳近い方もいるそうです。まさに、「誰でも参加できる車いすスポーツのイベント」を実現していました。障がいのある方もない方も・子供から大人まで・競技嗜好性の低い人から高い人まで楽しめるようにうまく大会のカテゴリーを分けて開催したそうです。
 
参加している方から、「組織の体制に問題があるっていうのに対して敢えて個人で起業して車いすスポーツを支えようと思ったきっかけとか考えを知りたい」という質問が。
美優としては、パラスポーツの普及における課題は結構いろんな側面があって、競技団体のような組織・行政・チーム・個人、色々なそれぞれの規模での要因が複雑に絡み合っていて、それを1チームのマネージャーというよりも「わたし」というプレイヤー・個人で動いたほうが、「わたし」という個人が行政や医療機関・スポーツチームや選手と沢山繋がっていたのでいいなと思ったのが理由だそう。「『チームの中で動きづらい状態でいる岡田美優』よりも『色々動ける岡田美優』の方がやりやすいと思ってチームを抜けました。」今までの話を聞いていても、一人暮らしをしたくて福島に行ったところから遡ってしまえば、「自分でやりたい」「自分で決めたい」「人から決められたことは苦手」なところが伝わってくる美優。自分の性格に合う選択が、「個人」だったのかなと思う私。
実際東京の車いすバスケチームの中でも「変えたい」と思ったことで内部で働きかけを試みたことがあるそうで、「広報をしよう!」とインスタを立ち上げたり、コミュニケーションが円滑に行くように組織論やコーチングで勉強した知識を活かしてみたり、としたそうですが、権力構造を考えたときになかなか自分1人の権限にも限りがあって難しいなと感じ、辞めることに至ったそうです。
 
「わたし」を強く持っている美優ですが、留学時には「なんで留学するの?」「そんなの意味あるの?」、起業の時には「なんで障がい者の為になんであなたがやらなきゃいけないの?」「早く就職しろよ」とも言われたことも。そうした周りのネガティブな声もあった中でも、「あんまり私人の話聞かないから!」と美優!「Going my wayなんで!」元々小さいころから超マイペースなうえ、自分で決めたことは最後までやり通すといったメンタルは11年続けたハンドボールで鍛えられたところ。そうしたところが彼女の心の強さを作っているのかもしれないです。
ただ、「心が丸くなった」ところもありそう。大学時代ハンドボール部でコーチをしているときは周りに相談しないで自分で全部決めたり(結果責任を全部負ってミスした時に自分が全部抱えたり)、留学初期の頃も起業初期の頃も、「一人で何でもやろう」「自分で何とかしなきゃ」と思っていたそうですが、だんだん「一人でできることって限界があるな」とか「人の力借りた方がもっと活動広がるな」と学んできたそうで、自分自身ができないことを人に頼ったり、そもそもできないことを認めるのが苦手という、完璧主義なところがあることを気づいたそうです。障がいのある方と関わって「障がいってなんだろう?」ってことをすごい考える機会が増え、「できないことを認める」「できないことを誰かに頼って自分のできることで力を発揮していく」といった障がいのある方の姿を見て「私もできないことは認めて誰かに頼ろう」と教えてもらったそうです。今の法人の経営にも、そうしたところをしっかり活かしているそう。
 
そんな美優に、「起業するときに事前に勉強しておいた方がいいこと」という質問が。美優の答えは、「『なんで起業するか』をひたすら問う」でした。覚悟を決める上で、自己分析・「自分がなぜやりたいのか」をとことん突き詰めることが大切だと。「自分がなんで車いすスポーツ・パラスポーツなのか」を現体験から振り返り、今までの大学での失敗やハンドボールで学んだこと、ドイツで学んだことを深掘っていく中で「自分はこれがしたい」という確信を見つけていったそうです。
その「なぜ」を問う機会の大切さは、起業する人向けのプログラム「MAKERS UNIVERSITY」に参加し気づいたり、トビタテの起業をしたい人たちが集まるコミュニティのゼミのようなものに参加したり、ビジコンに出てみたりして気づいたそうです。

逆にあえてそういうところに参加したり応募したりしてみることで、その場に身を置くことで自然と自分の「芯」を固めることもできそうだなと思う私。美優も同意。
 
美優のこれからを最後に聞いてみました。
「やっぱり私はドイツで見てきた『誰もがスポーツに参加できる社会』っていうのを日本でも実現したいなって思ってるので、まず形を自分たちで今チームとしてまず作っていきたいなって。そのチームには障がいがある方もない方も・競技嗜好性が低い方も高い方も参加していて誰でも受け入れているようなクラブで、うまく行政とか地域の人たちとも連携しながら体育館でこの競技用の車いす置かせてもらえたりとか病院とか医療とか特別支援学校と連携しながら子供たちが参加していきやすいような入り口を作って行ったり。まず事例作りを行って、この事例ができたらこれが全国に広がっていくように発信をしていったりとか他のところにノウハウを教えていく活動ができたらいいなと思ってます。」
未だ院生の美優は、これをライフワークにしていくかどうかは迷っている所。自分の研究職として大学の病院教員というのをやりながらこうした活動を続けていくか、あるいは何かしらビジネスの軸になるような事業を作ってパラスポーツを仕事にして生きていくっていう選択肢を取るか。特に後者に関しては可能性を模索するべく今現在進行形で事業計画書を作っているところだそう!
 
そんな美優が活動するKnochu、私のような運動音痴(自慢ですが、皆さんが思い当たる「球技」のボール、全部顔面で受けたことがあります)でも参加できるよ!と励ましてもらったので参加してみたいと思う私です。
 
ここでCafé Globe看板狼のモカからも質問が。
最初の頃はスポーツ強者でできない人の気持ちがわからないと話していた美優は、今はスポーツが得意ではない方と出会った時どう向き合っているのか、ということでした。
美優はチーム1つのなかに競技性の低い人と高い人がいると高い人が試合に出れるという流れになってしまうので、ドイツのように5つのディビジョン(複数のチーム)を作って、競技性の違いによってカテゴリーを分けることで競技性の低い人・楽しみたいって人にも参加できる仕組みをつくればいいと思っているとのこと。そうすることで、誰でも大会に出場する機会が得られるのでは、と。向き合い方だけでなく、そうした仕組みを思いつくところも、やはりドイツで実際に見て学んできた美優だからこそ出てくる言葉で、すごい納得がいくし、スポーツ音痴の自分としてはかなり安心する一言でした。モカも「共生ってそういうことで、出来る・出来ないじゃなくてみんなができるところでチャンスがあって成功体験があるってことなんだろうな」としみじみ。
 
最後に、美優からメッセージを。
「久しぶりに自分が車いすスポーツに出会ったときのこととか起業した時のこととかを思い返すことができて私もすごくいい機会になりました。私の話をきっかけに企業に興味を持っていただいたりとか留学に興味持っていただいたりいていただけたらすごく嬉しいなと思います。また是非どこかでお会いできたらなと思いますので是非今後ともよろしくお願いします。」

最後の集合写真はKnockuの「K」で!

懇親会では同じように留学に興味がある方とお話したりとても盛り上がりました!

そんな当日のカフェの様子はこちらから

懇親会タイムは入っていませんが、最初の1時間の様子はこちらからも観れます!ぜひ!

もっと美優

カフェ以降もみゆの活動をみてみたり、応援したい!と思った方へ。美優のインスタをシェアします!

美優が運営するKnockuのインスタも紹介します。体験会とかやっているみたいなのでぜひチェック!

次回のカフェ。

ということで、次回のカフェ。過ぎてしまったのですが10月10日20時からでした。是非noteをご覧くださいませ!毎月10日にやっているので是非次の回にご参加ください。

お申込みや詳細はこちらから。

集合写真とかアップしてるのでぜひカフェのFacebookもフォローしてくださいませ~!

来月も楽しみです!


こんな私ですが、ぜひサポートお願いします。 いただいたサポートは、自分に沢山の学びと気付きの機会を与えてくれた人や団体、そして社会に還元していきたいです。