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人間関係は折り合いをつけることで成り立っていく

こんにちは。
小説家として活動している藪田建治です。

今日はVoicyで活躍されている精神科医kagshunさんの放送を取り上げます。
人間関係の構築における大事なEQについての最終回になります。

この記事では関係調整力について書いていきます。
人の悩みというのは、命に関わること以外では人間関係の悩みになることが多いのではないでしょうか。
例えば職場の上司との人間関係、同僚との人間関係、友人との人間関係、恋人やパートナーとの人間関係、家族の人間関係などなど。
人が生きていく中で人間関係は切っても切り離せないことではないでしょうか。
この人間関係が良好だと幸福感を感じることも多いだろうけど、それがあまり良好とは言えなければ、その分幸福を感じる瞬間は少なくなる。

これ以前に書いたEQに関する自分の感情を知る、自分の感情を調整するなどが大事なように、この相手と自分をどう折り合いをつけていくか。ここが人生を楽しくしていく為に大事な部分になってきます。


1 コミュニケーションの大前提

先に挙げた折り合いをつけていく前にコミュニケーションにおける大前提の部分から書いていこうと思います。

コミュニケーションにおける大前提、それはオープンな雰囲気を作る。
このオープンな雰囲気って何気ないことです。例えば笑顔で会話をする、相手の方向をちゃんと向いたり、相手が話しやすいような配慮をする。
他には相手が話しやすいように相槌を打ったり、抑揚をつけてみる。時々ユーモアを交えて、お互いほっこり出来る瞬間をつくってみるとか。それはひとえに相手への配慮だと思います。

これが真逆で考えてみて下さい。いつ見ても暗い表情だったり、話しかけてもスマホを見ながら適当に答えられたり、なんの関心も持たれず、ムスッとしている。もう話続かないじゃないですか。

あとは諦めないということも大事です。例えば今その人との関係は良好と言えずあまりコミュニケーションが上手く取れないとしましょう。
でも他の人はその人と上手く会話出来ている。何が自分との差なんだろうと考えてみるのも手だと思います。
その人達はもしかしたら自分が知らなかった趣味の話で盛り上がっているのかもしれない、じゃあその趣味の話で相手が話しやすい話題を聞いてみるとか、そこから聞き役に徹する。
何か不満事があるなら愚痴を聞いてあげると相手もスッキリする。
自分から歩み寄るというのも大事なんじゃないかと僕は思います。

2自分も相手も気持ち良いアサーティブコミュニケーション

アサーティブコミュニケーション、僕はすごく大事なことです。
主語は自分にして具体的に話す。
例えば放送の中ではこんな話がありましたね。
家に帰ったら靴下を脱ぎ捨ててそのまま放置せずに、洗濯機の中に入れて欲しいという内容。相手を咎めずに、自分はこうして欲しい、相手が受け入れ易いように配慮しながら提案している。これだと相手も受け取りやすい。

これは職場でも同じだと思います。同僚なんかに苦言を呈す時も自分はこうして欲しい、相手が受け取りやすいように提案する。
だから自分のその相手への希望も叶って、相手も受け取りやすくてwin-winになれるんだと思います。

僕は職場にいてよく感じます。これを年齢や立場は関係なく出来ている人が人間関係を上手く作れているなと。そんな人って自然と周りに人が集まってくるんですよね。
例えば相手が若手だから、相手が新入りだから雑に扱っていたら、その人達はもう仕事したくないわと思うじゃないですか。それは当たり前のことだと思います。
人それぞれ価値観は違います。同世代や同姓でも価値観は違うのに、それこそ国籍も世代も違えば、価値観が違って当然です。
相手に配慮しながら具体的に提案して、win-winの関係を築く。ここを大事にして欲しいと思います。

3好ましくないコミュニケーション

今度は逆に好ましくないコミュニケーションを書いていきましょう。

1非主張的なコミュニケーション

相手を尊重することはとても良いのですが、自分のことは主張しない人っていませんか?
相手にはそうですよね。仰るとおりだと思いますなど、相手ばかりを聞き入れて自分は主張しない、言った責任を取らない。
嫌われたくない、イエスマン。こういう人を見かけたりしますが、これは相手に都合よく使われる可能性もある。
そうではなく、相手も自分も大事にしてお互い建設的な関係を作ることがベストだと思います。自分と相手は対等なんだから、自分も大事にしていきましょう。
それに相手ばかりの一方的なコミュケーションって長続きしないでしょうから。

2攻撃的なコミュニケーション

自分を曲げない、自分は自分のやり方にこだわる、これをまるで良いことかのように仰る人がいますけど、それは全て相手が自分に合わせなさいということです。
これははっきり言って幼児のすることです。一種の暴力とも言えますね。それはコミュニケーションとは言わない。
もしくは自分の主張ばかりで、まるで自分の意見や意向が通っていると思っていても、その裏では疎まれていたり泣いている人がいる。
これは大人のコミュニケーションではない。

3察してちゃん

主語を自分にせず、具体的にどうして欲しいかも言わない。
言わなくても分かるでしょ、察してください。そんな人って時々いますよね。(まるで自分のようで胸が痛い。)

これは相手に全部丸投げだと思いませんか?相手に自分を気持ちよくさせなさいと言ってるようなもの。
でも相手からしたら分からない。それは先に書いたように価値観も考え方も千差万別だから。
僕も言われてきました。私なんで怒ってるか分かる?
正直僕は全然分かりません、なんで怒ってるんですか?と心の中で思っていましたけど、これも私は主語にして相手が受け入れ易いように話していきたいですよね。

4責め立てるような言い方

僕は職場でよくミスをします。よくあるのが不注意や何かしている時に他の用事を頼まれ、それを済ませたのは良いが元々やってた仕事のことをすっかり忘れる。
それで20代の時は散々に怒られてきました。
その時に責め立てるように怒られる。なんでこうなったの、どうしてこんなことも出来ないの。捲くし立てるように責められる時も。
そうなったら僕は自分の本音も話さないし、相手との人間関係は0になります。これは僕以外でも起こり得るのではないでしょうか。
責め立てるように相手に怒りをぶつけても、そこから建設的な改善は見られない。それどころか職場の雰囲気は悪くなる一方。
責め立てられるから当然言われたことしかやらず、自分で考えて動くというのがなくなる。安易に言われたことだけするということに陥りやすいのではないでしょうか。
そうでななく、次に繋げる為にどうすれば良い思う?次はどうしたいとか?私は以前こうやったら上手くいったから、ちょっと参考にしてみて。
こっちの方がずっと相手は聞く耳を持ちますよね。
相手がオープンな気持ちを持ちやすいように2人の時に聞き出すとか、出来るだけその時も話しやすいように言葉や語気、空気感に配慮するとかいろいろ考えることがあると思います。
でもそれをするからこそ相手から本音が聞けて、職場の改善に繋がるのではないでしょうか?改善に繋がれば実績にもなりますよね。

4折り合いをつける

結局この折り合いをつけるということなんですよね。
一方が100%を目指すのではなく、お互いの最大公約数のようなものを探していく。
ここは相手の希望を叶えるけど、ここは自分に合わせて欲しいとか。
放送の中であったように例えば旦那さんが平日帰ってくるのが遅い、それならパートナーが冷凍食品や惣菜を買って、それで平日の夕食は済ます。
週末最初は一緒に作って妻の負担を減らすとか。旦那さんが1人で作れるようになったら、週末は旦那さんが担当するとか。
この時に大事なのは、相手が喜ぶように配慮することとダメ出しをしない。
やったは良いけど、ひたすらダメ出しではもうやりたくないですよね。

他にも週末に作り置きを2人で作っておいて、それを平日は2人で食べるとか。それで足りない部分は最初に例に挙げた冷凍でまかなうとか。
考えれば方法論は出てくる。
他にも料理は妻が担当、その他の掃除や洗濯は旦那が担当。週末の料理は一緒に作るとかでも良い。

こうやってお互いが歩み寄って、自分達が1番幸福感を感じるにはどうすれば良いだろうとお互いが考える。
だから相手への信頼も今以上になり、相手への愛情も増すのだと思います。

他には厳格にしない。こうあるべきとか完璧思考をなくすことをおすすめします。
自分が自分に対して厳格なのは良いかもしれませんが、相手には関係のないこと。
相手にそれを求めるのはただの押し付けになります。
ハードルを下げて、少しずつ成長していくこと。その過程に相手との愛情が育まれお互いの幸福を繋がるのではないでしょうか。
思いやりや相手への尊重を大事にして、相手の良い所は褒めあうこと。
そうすれば無用な軋轢は減り、自分の人生は変わります。

この記事は置いておいて、このkagshunさんの放送を聞いてみて下さい。
きっといつか振り返った時に、あなたの生活がより良くなって、人生の幸福感は増していることでしょう。

もう1度チャンネルを貼っておきます。今回の放送は4/10にあります。
このEQも今すぐに出来なくても大丈夫、何事もトライ&エラーを繰り返しながら成長していくものだと思います。

あなたの人生がより幸福になることを願って。

kagshunさんの書籍も

5ショートストーリー


俺はなんの為にこれまで何十年とずっと同じ場所で働いてきたんだろうな。
嫌なことも数え切れないくらいあったし、理不尽なことも散々引き受けてきた。
周りは帰っても頼まれた仕事をこなす為に自分だけ残って仕事。
そんなことも多かったな。
それなのに、誰も評価してくれないのか。

「どうしたの?そんな落ち込んだ顔をして。」
「あっごめんな、ちょっと今日仕事でどうしても耐えられないことがあってさ。」
「耐えられないこと?」
「うん、同僚が困っている業務があったから、それを聞いてあげて、代わりにやってあげたんだよ。そうしたらもう今後はずっと俺がするように根回ししてて、俺に丸投げされてね。俺はただの便利屋だったのかな。」

夫はこれまでそうやってずっと頑張ってきてくれたんだ。
時に断りたかったこともあっただろうに。でもフルタイムで働けない私を庇って自分が仕事を一身に背負ってきてくれたのかな。
でも1人にここまで背負わせて良いのかな。私が大事な人が追い込まれていく背中を見たくない。
小さなベランダに置いた1つの椅子、その椅子に座り呆然としている夫。

思わず後ろから抱きしめる。
「ごめんね今までほとんど背負わせちゃって。短時間だけしか働けなかったから。でもこれから私ももう少し働いていけると思うから大丈夫よ。もう無理な頼まれごとは避けましょ。」
「でも良いのか?身体の方は大丈夫なのか?」
「うん、持病のこともあるけど、考えてみれば今の時代自宅でも仕事をすることだって出来るからさ。それを見つけていけば良いじゃない。」
「そうだね。」
気付いたら2人して泣いていた。
「それであなたも仕事を減らして自分達の時間を増やしていきましょうよ。家事のことももう少し手伝って欲しいの。なにかやれそうなことある?」
「もちろんやるよ。じゃあ料理は得意じゃないから、それは2人で一緒にやって良い?あと掃除は今以上にやるから、そこは全部俺が引き受けるよ。」
「ありがとう、そうしてもらえると助かる。」

職場では必要以上に周囲に気を遣ってイエスマンになっていたけど、パートナーといるこの時間は僕にとって幸せな時間だ。
すぐに気持ちを全部切り替えることなんて出来ないかもしれないけど、少しずつでも同僚や上司とも折り合いをつけるようにしていこう。
考えてみれば過剰に相手に依存してたのは自分の問題だ。そこをフラットに考えて、自分の大切な存在により多くの時間と多くの力を注いでいけば良いじゃないか。

妻がそう言ってくれて本当に助かった。
じゃあ今度は自分に何が出来るかな。妻を大事にしたいから。

「なあ今度2人で旅行にでも行かないか?温泉にでも入ってさ。ゆっくりした時間を過ごさない?」
「良いね、私もちょうどそんな時間を過ごせたらなと思ってたの。」
「じゃあ今度温泉を特集にしたガイドブックでも買ってくるから、2人でそれを見てさどこに行くか決めようよ。」
「うん。」

自分はこれまで主張しないこと、相手を尊重することがコミュニケーションだと思ってたけど。今の形では自分を蔑ろにしている。それは結果的に1番大事な人をも軽視してしまうことにもなる。

自分と同僚や上司は対等なんだ。もちろん相手も尊重する。でもそれと同じくらい自分も尊重する。そして折り合いをつけていく、その努力をする。
その方がずっとお互いにとって幸せだということを知った。

「あっあの星むっちゃ綺麗だね。」
「あっ本当だ。あの星だけなんか私達に何か訴えかけているように光ってるね。」
「応援してくれてるのかもしれないな。」
「まあうちらの勝手な妄想だけどね。」
「言えてる。あの星からしたら知らんがなって話だよな。」
2人して自然と笑顔になった。こんな時間をもっともっと増やしたい。こんな時間を求めていたんだな。

でもこの瞬間が自分達の愛情を育む時間になった。

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