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【効果計測】CVをKPIにしている人に見てほしい

広告代理店でコンサルタントとして従事している吉田一貴です。
インターネット広告と他の広告との大きな違いは効果が正確にほぼリアルタイムに計測できることです。
購入や申し込みをCVポイントとして設定し、どの広告がどれぐらいの貢献をしたか判断しています。今回は、そんな計測方法を基礎から説明していきます。

効果計測する理由

大前提の効果計測する理由からご説明します。
結論から言うと、効果計測は予算をどれだけ使うかを決めるために使います
効果計測は、対象の良し悪しを判断することができます。
良し悪しは、①効果計測された数値、②比較対象の2つが必要になります。

②は他の広告媒体・手法やクライアント様が掲げる目標になります。

以下のように効果が計測されたとき、A媒体のほうがよいので、
50万の予算があれば、A媒体に35万、B媒体に15万と割り振ったりするでしょう。
もし、クライアント様の目標が効果15であればB媒体は停止の判断をするかもしれません。

A媒体:効果20
B媒体:効果10

このように、効果計測とは、限られた予算をどこに割り振るか決めるために必要になります。
現実にはあり得ないですが、この予算が無限であれば、思いつく限りの広告を出せばよいだけなので、効果計測はする必要がなくなります。

CVが効果計測として使わている理由

今は、多くのクライアント様がCVをKPIに設定しています。
また、このCVをさらに深く確認するとほとんどの場合はラストクリックCVを活用しています。

つまり、商品購入がCVであれば、ユーザーが購入直前に触れた広告にCVがつきます
以下であれば、RTG広告にCVがつきます。

ユーザーがSNS広告を見る→ユーザーが商品名を検索しサイト遷移→他のサイトを見ているときにRTG広告をクリック→CV

ラストクリックCVがKPIになる理由は、多くの企業が掲げるKGIの売上に直結するからです。
ラストクリックCVが10件増えていれば、10件の売り上げが、ほぼタイムラグなく入ります

ラストクリックCVの罠

ラストクリックCVには3つの課題があります。

1.ユーザーのパスは多様化している
2.最適化はできるが最大化ができない
3.そもそもの計測が不十分

上記の課題を1つずつ丁寧に解説していきます。

ユーザーのパスは多様化している

今までは、ユーザーの動きはシンプルでした。
しかし、現代はマルチデバイス、マルチチャネルの時代です。

ユーザーによって、使うデバイスも違えば情報の収集元も違います。
割引やキャンペーンだけだと動かず、他の商品情報との比較を容易にできます。

簡単に言えば、CVするまでに今まで以上に様々な広告をユーザーに当てる必要があるということです。

今まで、5個ぐらいの広告を当てればCVしていたユーザーが今では、30個は当てないとCVしないというイメージだと分かりやすいかもしれません。

最後に当たった広告だけを評価し他の29個を評価しないのは大きな課題と言えます。

ラストクリックCVがつく媒体は確度の高いユーザーを発見するのはうまいかもしれませんが、確度を高くしているわけではありません
サッカーでシュートだけが上手い選手がいても、そこまでパスを繋ぐ選手がいなければ意味がないのと一緒です。

あなたが運用している広告媒体のチームはシューターばかりをそろえたバランスの悪いチームになってないでしょうか?
昔はシュートうまかったのに、最近点数入れないと感じていたらそれは間違いです。
媒体も進化しているため、シュートの精度は上がっています、しかし、ボールが回ってこなければシュートは打てません
パスが苦手な媒体にパスをさせるのはやめましょう。

最適化はできるが最大化ができない

先ほどの話にも一部ありましたが、ラストクリックCVで最適化すると、確度の高いユーザーを見極める力が強い媒体が多くなります

しかし、その分、認知を促す媒体や確度を高める媒体が減ります
極端に表すと以下のようになります。

100万:認知50万、態度変容30万、ラストプッシュ20万
100人が認知、60人が購入検討、20人がCV

90万:認知40万、態度変容20万、ラストプッシュ30万
80人が認知、45人が購入検討、20人がCV

80万:認知30万、態度変容10万、ラストプッシュ40万
50人が認知、25人が購入検討、20人がCV

認知する人や、認知→購入検討する人数は減りますが、購入検討さえすればほとんどのユーザーがCVするような状態になりました。

認知などの広告予算が減るためトータルの獲得効率は改善していきます。
しかし、CVは増えないしラストプッシュの効率はどんどん低下します。

予算が少ない時期やインターネット広告以外(テレビなど)で拡大している時期はラストプッシュ中心でも上手くいきますが、それは過去の話です。
今は、多くのユーザーがネットを中心に動いていることと、インターネット広告の予算が上がってきていることを考えるとラストプッシュ中心(=ラストクリックCV)で評価することは難しいと言えます。

計測が不十分

インターネット広告は効果が正確にほぼリアルタイムに計測できることと冒頭に書きましたが、これは半分正解で半分間違いです。

ITPやクッキーブロックなどで、計測漏れは起きていますし、オフラインでの効果を計測しているクライアント様はまだまだ少ないと言えます。

つまり、インターネット広告の計測は全てを測れているわけではないが、媒体内で評価する分には正確にリアルタイムで測れているということです。

冒頭の例で以下のように書きましたが、

A媒体:効果20
B媒体:効果10

以下のようなルールだったとしたらいかがでしょう?

A媒体:効果は広告が表示されたサイトを見たユーザーを計測
B媒体:効果は広告をクリックしたユーザーを計測

A媒体の場合は、広告が下のほうに表示されていれば、ユーザーは見てすらいません。つまり、真の効果は測れていないということです。※A媒体内であれば同条件なので問題ありません

B媒体はクリックしているユーザーなので、広告の効果はあったと判断できるでしょう。
他にも、同じ計測でもB媒体はIOSユーザーが多いなどだとITPの影響で計測漏れが多いなども考えられませます。
そのため、広告効果は、局所最適化と全体最適化で見る数値やツールを変更する必要があります

まとめ

・効果計測は広告予算の最適化のために必要
・過去はKGIに近いラストクリックCVをKPIとしていた
・現代はラストクリックCVでは評価しきれていない

今回は、多くのクライアント様が活用しているラストクリックCVでは評価しきれないという内容を書きました。

過去に積み上げたきたノウハウや実績と比較するためには、ラストクリックCVを活用するのがラクですが、現代にあっていないKPIを使うのはどんどん効果が低下していくため、他のKPIを設定してみるべきかもしれません。次回はおススメのKPIについて記述しようと思います。

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