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日本が国際ルール作りに参画することの重大な意義:「ナプキンをはじめに取る者」へ
「ルールを作る側こそ、勝者」
というのが世の常だと思う。これまで日本は、欧米が勝手に作るルールにずっと泣かされ続けてきた。
日本が優勢になってくると、「はい、ルール変更!」としてしまうのが欧米のやり口であり、直近では日本のハイブリッド車潰しのためのEVシフトが例に挙げられる。
けれどもここ最近、「日本がルールを作る側」に回る、という機会も増えてきた。これは、日本の歴史における大きな潮流の変換点だと思うので、ここに記載しておきたいと思う。
以下の報道が、その一例である。
脱炭素分野で日本・EUが調達ルール
日本と欧州連合(EU)は、風力や太陽光、水素といった脱炭素分野で新たな政策協調の枠組みを設ける。太陽光パネルなどを調達する際、環境への配慮など価格以外も判断材料とするよう、日欧で共通ルールを定める。安価な中国製を念頭に、経済安全保障の観点から特定国への過度な依存を下げる狙いがある。先進7か国首脳会議(G7サミット)でも共有し、国際的なルール作りを目指す。
「日欧が共通ルールを定め、G7で共有し、国際的なルール作りを目指す」ということである。
サラッとした報道のように思えるが、かつての日本を考えれば、隔世の感がある。
共同声明には、政府による「市場歪曲(わいきょく)的な補助金」で、太陽光パネルなど戦略物資を特定国に依存させる「経済的依存関係の武器化」に深い懸念を共有することなどを盛り込む。
対応策として、太陽光や風力、水素の脱炭素に関する3分野について、不当な政府補助金がないかの確認のほか、特定国に依存しないこと、環境や人権への配慮、安全性といった共通ルール作りを進める。近く作業部会を設置して、詳細を詰める。3分野にとどまらず、半導体や電気自動車(EV)などにも広げる。
念頭にあるのが中国だ。過度な補助金で脱炭素分野の自国製品の価格競争力を高めており、懸念が強まっている。欧州では中国製の太陽光パネルが市場を席巻し、風力発電や水素関連でも中国製の存在感が増している。欧州委トップは「多くの企業が多額の補助を受けた中国企業に押し出された」と不満を示す。
ファニー・ヴァレンタイン大統領の名言
ここで少し話は変わり、ジョジョの奇妙な冒険に登場するファニー・ヴァレンタイン大統領の名言を見てみよう。
「テーブルのナプキンの右側を取るか、左側を取るか、最初に取った者が決めている」
「世の中の全てのルールは、ナプキンのように、はじめに決める者が存在する」
という内容の言葉である。
民主主義だからみんなで決めてるか?
それとも自由競争か?
違うッ!!
ナプキンを取れる者が決めている!
この世のルールとは「右か左か」?
このテーブルのように均衡している状態で一度動いたら全員が従わざるを得ない!
いつの時代だろうと………この世はこのナプキンのように動いているのだ
これは、「覇権」の本質そのものであり、世界情勢を分析している小生のnote記事にしばしば登場する「名言」である。
右のナプキンを取るか、左のナプキンを取るか、はじめに取る者に全ての者は従う。
つまり、「ルールを作る者こそが真の勝者」である。
少しずつではあるが、日本もナプキンをはじめに取る者の側に回ることができるようになってきたということである。
これは、先進国の経済安全保障を脅かす中国の存在が大きいこともあるが、「地球儀を俯瞰する外交」を展開してきた安倍政権時代の外交の成果であることも、忘れるべきではないと思う。長期政権となり、自民党腐敗の膿が噴出する昨今であるが、功罪は分けて考えなければ、日本はまた道を誤るだろう。
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