「ジャバ・タウン」

予想外にも
厚みのある体躯
厚みのある掌
「握手をしましょう」
癖のある歩み
見送った後にも
まだ鳴っているその声

瞳を輝かせて
この街が好きと言うから
街に怯えて町暮らしの
私にも芽生えるものがあった

チャリンコに乗って
口笛を吹きながらすれ違うおばさんも
酒の匂いだけがするおじさんも
いったい何で稼いでいるのか
全くわからないあんちゃんも
おじさんもおばさんもあんちゃんも
同じ郷土民だということが
どうして今日は嬉しいのだろう

タイフーンに追われているからと
逃げるように帰って行った

生きていてこその物種と
今日ほど思うことも珍しい
(全くないとは言わない
だって随分と大切な人たちが増えたから)
もうすぐ三十九になる
命あってのものだねと
相槌こそ打たなくても
語り合う言葉の輝きが
何が大切かをぜんぶ語っていた

この街が好きと言うから
街に怯えて町暮らしの
私にも芽生えるものがあった

ジャバ・タウン
ようこそジャバタウンへ
ここへ来たらいいよ
ここへ来たら
ここにあるもので
あなたにあるものが
ひとりでに輝くから

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