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大きな大会に出ること、大きな目標を持つこと

スポーツの指導をおこなっていると、毎シーズン「目標をどこに置くのか」が論点になります。
なぜこれが論点になるのか、以下のようにいくつか考えられます。

・実際に活動をする当事者が納得できる目標でないと、「やらされ感」に繋がるから
・目標を定めないと、練習計画が立てられないから
・練習計画が立てられないと、日々の活動にメリハリがなくなるから

この議論をする時に「どのレベルを目指すのか」が一番議論になります。
これは、メンバー個々人の能力に開きがあるなどで、人によっては「大会で優勝」や「表彰台」を目指すことを現実的に見れる人もいれば、そうでない人もいることや、高い目標を立てれば立てるほど、練習がつらくなることが個々に想像できることなどからです。

私は指導方針として「学生の主体性」を大事にしたいと考えているので、基本的には当事者たちが「どうなりたいのか」を徹底的に考えてもらいます。当事者が自分達で考える以上、甘えや妥協が出る場合もあります。「このメンバーにして、この目標(低い)かあ。。。」と感じるときもあります。
(逆に指導者に忖度して、高い目標を出してくるときもありますが・・・)

先にあげた通り、目標設定は当事者たちのやる気を大いに左右するので、慎重な議論が必要ですが、こういった時、「できるだけ大きな目標を立てよう、どうなったら心の底からやったーーって言えるか?」といった確認をする指導はしています。
これは、目標が大きければ大きいほど、自分が直面する壁が大きくなり、それを乗り越えようとすることで大きな成長が得られるためです。

成果を出すためには、まず現状を評価して、大会までに何をやらなければいけないか課題を洗い出して、潰していく必要があります。
課題は人それぞれ違いますし、トレーニングで解決するものだけでなく、食事であったり、生活習慣、学業など様々な面で出るでしょう。
こういった課題ひとつひとつと真剣に向き合うプロセスこそが人を成長させます。この時、目標が高いほど、「現状と期待成果」の間のギャップが大きく乖離します。そしてこれが乖離しているからこそ、これを埋めにかかろうとするときの成長の潜在的な度合いが大きくなるのです。
だからこそ、「1位を目指そう」や「表彰台を目指そう」、「順位決定を目指そう」、「準決勝進出を目指そう」といったような明確かつ自分にとって大きな目標を立てるのが大事なのです。

このGapは全て埋め切ることはできないかもしれません。でもGapを小さく設定をした場合と大きく設定した場合とで、同じ80%の出来高でも成長の度合いは大きく違ってきます。

スポーツにおいて、大会の結果は絶対的なものです。1位は1位だし、2位は2位です。2位になった人はもしかしたら先天的に体格的に不利であったとしても、1位には負けたということになります。実は1位の人にだって、家族環境に恵まれないなど、何らかの不利な状況があったかもしれません。その比較はできません。だから順位だけで結果を評価します。1位は1位です。

しかしながら、立てた大きな目標が達成できなかったら全てがダメというものではありません。それは、先に述べたように、そこに向かうプロセスこそが成長をさせるからです。また、それに向かって取り組んでいる姿、やりきっている姿が後輩などにも伝播し、周囲に良い影響を与えるものになるという観点からも尊いものです。

仮に成果が思うようにいかなくても、大きな目標を立てて頑張るプロセス、これこそが重要だと思うのです。ビビらず、自分を信じ、いっそ大きな目標を立てて、全力で取り組むということを意識してほしいと思っています。

日々、これを繰り返していると、きっと納得できる成果を得られる日がくる。なぜならいつもやりきっているから。だから充実した日々を送れる。日々イキイキできる。そんな姿を私は指導者として応援したいと思っています。


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