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憧れはいつもグレーで眩しい 日々風呂日記#20

眩しい。

曇りは1番眩しいと思う。

真夏のカンカン照りの真昼より、そのグレーな曇りの空の方が目がしょぼついてしまう。

昨日の日記で曇りが好きだ、なんて言った舌の根も乾かぬうちに文句だ。困ったもんだ。

今日もバタバタと作業している間の時間に、少し休憩がてら近くの駅前広場のようなところで本を読もうと散歩に出た。

マスクをして、誰もいない日中の広場だから、今の時期でも少しくらい許されて欲しい。

道中コーヒーを買って目的の場所について本を開いた。

なんせまぁ眩しい。

空を見るのも眩しいけれど、
その本の背景の白さに反射した光は思いの外とてつもなく優しくない。

本は文字をはっきりさせるために白いのだろう。

でも、それはきっと室内で適したコントラストだ。

もしかしたら本は外で読むことは排除されているものかもしれない。

いつか外で読むのに適した背景色の本を作って出そうとおもった。
グレーな曇りの空に溶けていく建築のように、風景に溶けていくような本。

外で読むことを前提にした本。

それはもはや外との関係を前提にしたランドスケープデザインかもしれない。

白に対して、グレーはとても現象的な色だ。

グレーといえば、何か二つのものの間で漂っているようなイメージを喚起される。

そうして何もかも飲み込んで、それでもありのままでそこにいるグレーな空が羨ましくてぼくには眩しいのかもしれない。

それでいて、社会にもコミュニティにも属せていないとてもグレーな今の自分に重なるのかもしれない。

さて今日はこの辺で、おやすみなさい。

今日ののぼせ具合は60%

とても眠いからさっさと上がってしまおう。

眠いのを言い訳にして、今日の文章は文字数だけの文章だから、

そんな日は早く寝て今日という日を漂白して、また新しい日を迎えるに限る。

それでは。

何者でもないアノニマスなグレーさが曇りのグレーな空に馴染んで映える。

その矢印のような造形のままに、ぼくの行先を指し示してはくれないものか。


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