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「車椅子」 「朝の電話連絡」そして「保護者の精神的苦痛」

お母さん
必ず朝、連絡下さいね
欠席や遅刻の連絡は学校の
決まりになってますから
必ずですよ、必ず朝、連絡
お願いします

電話の向こうで息子の担任が
叫んでいた

起立性調節障害だって
診断を受けているって
知ってるのに
朝、起きれないって
知ってるのに
毎朝、電話連絡しろと
担任は言ってくる

私は以前、担任に頼んだ
行ける時だけ学校に電話連絡
という事にさせてほしい

毎朝欠席の連絡を
学校にしなければならない事が
どれだけ保護者の精神的負担になるか

しかし息子の担任はそれを
許してくれなかった

自分の立場を守る事で頭がいっぱいの
先生には、そんな保護者の気持ちなど
どうでもいい事なんだろう

特に息子の担任は講師だから
学校内カーストが低いから
余計うるさく
私に欠席連絡しろと言うんだと思う

その頃の私は
学校の決まりは守らないければ
そんな思考にとらわれていた
朝、どんよりとした苦痛を感じながら
私は電話連絡していた

そして一週間後
やっと息子のMRIの検査の日が
やってきた

総合病院なので
検査も広い病院の中を
動き回らなくてはならない

松葉杖でぎこちなく移動していた
息子に看護師さんが
車椅子で移動しましょうか
と車椅子を用意してくれた

車椅子に座っている息子を見たら
なんだか永遠に息子が
歩けなくなりそうで怖くなった

息子の歩行困難の原因
やっぱり心因性なのかなと
思ってはいたけど

心因性で足の力が入らなくなる?
小さい頃見たアニメ
ハイジの友達クララのように
心因性で歩けなくなるなんて
しかも自分の息子が…

それでも
心因性以外の原因があれば
それはそれで急いで治療しなくては
ならない

とにかくMRIの検査、そして結果が
早く分かればと
2時間ほど予約の時間が過ぎてから
やっと息子のMRIの検査が始まった
 
少しホッとした
でも検査が終わっても
まだ薬は処方されない

結果はまた一週間後

原因がわかるのに
薬をもらうのに
一体いつまで待てばいいんだろう


なにも変わらない息子の体、心
息子の中2の3学期は
どんどん過ぎていく

翌日、とうとう私は朝
学校に欠席の連絡をするのを
やめた
もう学校だけじゃなく
なにもかも遮断したかった

ただ息子が静かに休める環境が
欲しかった
それは私も
学校から先生から 
正論を突きつけられるのも
もう、しんどくて、つらくて
ただ静かに時を過ごしたかった

息子が歩行困難になった頃
私はちょうど勤務先の契約期間の更新時期だった
私は契約を更新するのをやめた

夫が単身赴任で居ないうえに
歩けなくなった息子を家に置いて仕事に行く事は
とても出来なかった

昼間、息子が深く眠っている間も
静かに時は流れる

私は誰かに何かを指図されるのも
的確と思われるアドバイスも
もう何も聞きたくなかった

平日の昼間
幼稚園の頃からずっと
平日の昼間は息子は家に居なかったのに

こんなに一緒に居るのは
赤ちゃんの時以来じゃないのかな

どうしてこんな事になってしまったんだろう

混乱しすぎて涙も出ない

長い夢は覚めない
それは夢ではなく現実だったから

それから、しばらくしても
担任から朝の電話連絡の
強要の連絡がくる事はなかった
きっとモンペが指示を無視した
とでも上司に連絡しているのだろう

ただ、その担任の上司が
息子の3つ年上の娘の元担任で
今、息子の学年主任の女性の数学教師

娘が中学時代にその学年主任を
とても慕っていた為
私も主任の事はとても信頼している

ちょうど私と同年代
小学生の娘も居る母親でもある

今度、主任に直接相談してみようかな

話の通じない担任と話をするのは
ただただ苦痛でしかない

担任ガチャにハズレた息子
生徒、保護者には担任を選ぶ
権限は無い

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