街路樹の温もり

幼い液体が蒸発していくのを
頬杖をつきながら眺め
人生と照らし合わせれば
私はもう涙しか出ない

強気な発言や
弱気な言い訳を晒し
歩んできた道を
ただただ否定してきた

増えてきた白髪
手のひらのシワは
何かを語ることも無いが
確かに存在している

振り返るには早すぎて
先を見るには遠すぎて

石畳をコツコツと歩いても
街路樹は枝葉を伸ばしながら
風の誘いにサラサラと応え
私に語りかけているようだった

生きていく事とは何か
何処へ向かって行くのか
例え分からなくても
街路樹の温もりが優しくて

暖かな木漏れ日に触れて
希望が溢れた午後三時

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