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さようなら 飯田橋 ギンレイホール (名画座)’20年追記 ’22年追記 閉館

JR飯田橋駅徒歩二分程度のところに ギンレイホールという名画座がある。

ロードショー過ぎた作品を1000円台程度で二本立てで見せる映画館だ。

私はそこの年間パスポート会員になって10年近く。

10年前は動画配信などなかったので、1万円で50本近く映画が見れる年間パスポートは魅力的だった。今では動画配信の方が安上がりなので今年で会員の継続はやめようかと考えている。

コスパだけではなく、客層の問題、会員や観客の高齢化が、継続を止める一番の要因だ。白髪ヨボヨボの高齢者の割合が多く、本人に悪気はないんだろうけどロビーや通路でよろけて体当たりされたり、若い人と小競り合いを見かけたりすることもある。狭い館内を杖をつき、補聴器かけながらとか見ていてハラハラする。高齢者は昔の映画館の感覚なのか清潔感に欠けるというかはっきり不潔、加齢臭気が強烈な人も多い。

映画館自体もバリアフリーに程遠い昭和仕様で、毎回トイレ待ちの階段にずらりと高齢者が並び、下手にぶつかって転倒させたりしたら賠償させられるかもしれない。

映画館側も入退場を厳しくしたり、マナーを注意したりが多くなってきているが、私のようにポップコーン片手にコーラのようなリラックスしたアメリカンな映画観覧に憧れる人間には窮屈で仕方がない。

むかし昭和の大学映画サークルで黒澤明の映画上映会で居眠りしようものなら怖い先輩に「黒澤先生の映画で居眠りするとは何事だ」とボコられたそうだがそんな緊張感すら感じる。

お金払ってまで、汚い、臭い、窮屈な思いはしたくないということだ。

自宅で足を投げ出しスナック食べながら映画見た方が気楽で楽しめるというものだ。

最近は話題作の抱き合わせというかカップリングのようなダメ映画の比率が高まってきたから特に裏切られた感が大きい。ただ、動画配信されなさそうな本当の「名画」が3か月に1本くらい上映されるのが悩みの種。昔はそんな名画が月2くらいであったのだが・・

映画自体が最近ではレア趣味になってきているからどこまで妥協すべきか・・

2020年 追記 

去年の記事にアクセスが集まっているので調べてみるとギンレイホールでは運営・設備資金をクラウドファンディングで募っていたようだ。
(上の元記事は去年のなので状況は書いた内容とだいぶ変わっているのと思われるので、ご注意)

でもどうなのだろうか。ギンレイホールにどれくらい内部留保があるのかにもよるが、いずれ老朽化したビルを立て直さないといけないだろうし
当座の資金で当座をしのいでも抜本的な業務継続につながるのだろうか。

映画は  リュミエール兄弟のころから最先端の最新技術であっただろうし(今でいえばまさに最先端VRのようだろう)
いつの時代も映画は伝え方を含めて最先端と夢を追い続けて欲しいというのが願いだ。

だからこのままの名画座というパッケージを続けていくのか本当に是とされるのかな、というところ。

若手監督が生まれて初めて撮影した映画はiPhoneだった、というのが逸話でなく普通の事になった今
他の手段で映画文化ひろげられないか。


やはり名画座が廃れるのは理由があるわけだし、ノスタル爺さん達より若い人が映画のすばらしさにアクセスできる環境を整えたい。
今のラインナップをそのままで動画配信(上映期間=配信期間)できれば天晴れなのだが。

日本の映画館の仕組み自体がなかなか新しい事をやるのには厳しい感じだが、そこは日本初のシネパスポートを実現したギンレイホールに期待したい。

飯田橋というロケーションから自由になり転勤先や出張先からもアクセスできれば、北海度からも沖縄からもパスポート会員が相当程度増えるわけだし
一過性のクラウドファンディングより良いのではないだろうか。

2022年 追記

何気なくギンレイを検索していたら本当に「さようなら」の閉館案内が出ていた。初稿で触れたように築昭和ゆえに老朽化に伴う建て替えだそうだ、償却終わっていて賃料も都内格安だったと思われる。

さて今月閉館して移転の予定だが今でも、移転先や移転時期は未定だという。映画館は基本商業地区でないとだめだし、許可や内装考えても早くて来春、遅くて来秋、再来年になるかもしれない。というかそこまで体力持たなければ、移転先を探したけれど無理でした、、完全閉館もあり得るのかなと思う。

前の追記で書いたように期間限定配信するネット館に舵を切ってもいいと思うが、映画館ノスタルジーを感じる人には、やっぱり映画館、、というこだわりがあるのだろう。(自分もその一人だが)

とはいえ、格安が売りの名画座が値上げしたところで新しい客が付くとも思えず、場所は池袋、高田馬場ならまだしも、東京西部、中央線沿いだと通える客が限られると思う。

やっぱり通常は配信館にして企画上映だけ映画館というのが経営的にベストだと思われるが、どうなることやら。

2022年 更に追記

HP上で神楽坂を念頭に交渉継続中と公表され
同時に会員の返金に応じるという報告。

交渉継続中というのは交渉相手があるということで、おそらく金銭的な折り合いがつかないのだろうか。
昭和中期築の今の賃料にくらべれば大幅アップなんだろう、神楽坂いろいろ高いし。

おそらく目途が立たないゆえの返金であり、厳しい状況。
再開するにしても名画座というよりシネコンよりになるのではないか。


May the Force be with you.