親子編 83回目 八拾五

国際結婚⇒妊娠⇒出産⇒認知

と書いてきました。

当然、子供が生まれれば、養育をしていかなければいけません。

子供を育てていくことの権利と義務を日本の場合

「親権」と言いますが、

親権とは、子供を「養育」「監護」をすることを指します。

身上に関すること、財産上に関することを

それぞれに子供に対して

権利義務をもってあたることになります。

当然、日本人同士の日本人の子供であれば、
日本法である民法に基づいて

これら親権の内容を定めていますが、

父または母が、外国籍の場合、

子供が外国籍の場合は、果たしてどこの法律を基準に、

子供権利義務、親の権利義務の判断をするのでしょうか。

国際法の規定では

「親子間の法律関係は、子の本国法が父又は母の本国法と

同一である場合には子の本国法により、その他の場合には

子の常居所地法による」

(通粗法32条)

となっています。

当たり前ですが、親権とは子の養育と監護をする権利義務のことです。

主役はあくまでも子供です

子供がいなければそもそも親権は発生しませんからね。

ですので、子供が基準になります。

子供と親のどちらかが本国法が一緒であれば、
子の本国法が基準になります。

それ以外の場合、つまり、父と子、母と子、
それぞれ同一になる本国法がない場合には、

子の常居所地法による。

つまり、子供が生活の本拠としている土地の国の法律とする。

ということです。

あくまでも主役は子供ですので、

どうあっても子供を基準に考えます。

多くの場合は、母親と子供の国籍は同じですから、

その場合には、母親と子供の本国法ということになります。

また、母、父とも違う場合であっても、
子供が生活をしているその土地の法律を基準にすることで、

子供に与える影響を極力小さくすることができます。

(より生活実態に根付いた法律ですから、まったくの第三国よりも

生活に対する密着度は高いからです)

そして、主役である子供が「嫡出子」「嫡出でない子」であるかは

この判断基準を決める際には考慮することはありません

ただし、子の国籍すなわち、この本国法の決定に関しては、

生来取得、事後取得関係なく、その子の本国法を決定したうえで、

両親との同一性を考えることになります。