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17音の青春 #02 海に眠る戦争の記憶|神奈川大学全国高校生俳句大賞 2016年入選作品から

神奈川大学創立70周年を記念して、1998年に創設された「神奈川大学全国高校生俳句大賞」。今年で22歳になりました。

過去から今までの入選作品のなかから、いろんな作品をご紹介しています。その時代の高校生ならではの、瑞々しい句の景をお楽しみください。


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⻘森・七戶高等学校Oさん


太平洋戦争で撃墜され海の藻屑となった戦闘機、乗員は戦死。「や」の切字が生きた一句目。

二句目も「終戦日」といずれも戦争末期。「水桶の足ましろなる」の意味するところは、水桶に浸けている足。敗戦という虚脱感を表したのか。

三句目「白紙の進路調査表」の「白紙」に作者の苦渋が白い夏の月とともに見えます。


17音の青春とは
最優秀賞受賞作品・入選作品及び選者による座談会、選後評を収録した優秀作品集『17音の青春-神奈川大学全国高校生俳句大賞』として出版しています。