スーダン・チャリティバザー
2024年5月4日(土・祝)、スーダン・チャリティバザーが東京ジャーミイ(東京都渋谷区大山1-19)で開かれたので行ってきた。
東京ジャーミイの歴史は戦前にまで遡る。ロシア革命を逃れてきたタタール人たちの礼拝所を求める声にこたえて1938年に東京回教礼拝堂が竣工した。老朽化により1986年に取り壊されて、2000年に新たに建てられたのが東京ジャーミイトルコ文化センターだ。
スーダンはアフリカ大陸北東部に位置する大国だ。古来より、地中海世界や紅海沿岸とアフリカ内陸部を結び付ける場所であり、文化の懸け橋としての役割を果たしてきた。二つのナイルが流れるスーダンは、もの、ひと、情報が集まり、拡散、発信される場所でもある。
スーダンは古い歴史がある。キリスト教国だったこともあるが、16世紀末までには北部スーダンの大半がイスラム化された。
スーダンが共和国として独立したのは1956年のこと。2011年7月、スーダン南部が南スーダン共和国として分離独立した。
2018年にはスーダンでもいわゆる「アラブの春」とよばれる民主化運動が起きて、30年にわたって権力を握り続けて「独裁者」ともいわれたバシール大統領が失脚した。だが、混乱は続いている。
この度、第一回スーダン・チャリティバザーが行われ、香油、お菓子、ポストカード、バッグなどさまざまな品々が並んだ。
会場には「Crisis in Sudan」という張り紙があった。それによると、2400万人もの子どもたちが暴力などの権利侵害を被っているという。
人口4800万人のスーダン。2023年4月15日以降だけでも1万3900人もの人たちが殺され、多くの人々が住処を追われて移り住まざるをえなくなり、2480万人の人々が現在、支援を必要としている。
ムサ M. オマール駐日スーダン代理大使がまず挨拶に立った。「日本に来て53年目になるが、その間スーダンについていいことばかり話してきたが、今日はそれだけではない」と話した。
続けて服部孝・元駐スーダン日本大使がマイクを握り「スーダンの魅力として特にアピールしたい点が3つあります」という。
第一は他のアフリカ諸国と比べても農業のポテンシャルが高いということ。第二に人材が非常に優秀であること。過去10年間でスーダンの学生で博士号まで取ったのは3000人にも上るという。
「治安がものすごくよくて夜遅い時間でも移動出来ます」。
三番目として「スーダン自体が非常に親日的な国」だと話した。「例えば、現在の外務大臣は明治大学で6年間学び、経済学の博士号を持っています」と服部氏は紹介した。「日本の人たちにとって、スーダンは大変魅力的な国だと思っています」。
だが服部氏は付け加えたーー「スーダンは大変厳しい状況にあります。私はすぐに復興して、日本政府そして企業が復興の過程で大きな役割を果たしていくことを確信しています」。
服部氏はもともとは商社「豊田通商」のアフリカ・ビジネスの責任者だったが、民間から在スーダン駐日大使として任用された。
スーダン大使が服部氏にとって4回目のアフリカ駐在となった。アフリカ57か国中、48か国には出張で行ったことがあるという。
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