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「シベリアのビートルズ」

 ビートルズなど西側ロックをこよなく愛するロシア人の個展に行ってきました。東京・神保町のGallery CORSOで開かれていた『トランスアジア IRKUTSK TOKYO』(スラバ・カロッテ展)です。


 2022年秋に出た「シベリアのビートルズ」(亜紀書店)の筆者・多田麻美さんのご亭主がスラバさん。彼らロックを愛する者たちがソ連そしてロシアでいかに自分たちの趣味を貫いてきたのかが描かれています。
 1980年代半ばのゴルバチョフの「ペレストロイカ」によって状況に変化はあったものの、ロックは「西側の退廃した音楽」とみなされてきた風土のなか、いかにロシア人たちがロックを聴き、演奏してきたのか。
 そのスラバさんはジョン・レノン、ジョージ・ハリスンなどビートルズの4人はもちろん、カート・コバーン、ボブ・ディラン、アバなど多くの西側アーチストの絵を描いています。その作品の数々が展示されました。


 その中で異色だったのが吉田拓郎の絵。「今日までそして明日から」のシングル盤があしらわれた作品で描かれている拓郎はやや乙女チック。麻美さんは「だってかわいかったもの」とスラバさんに代わって答えました。
 自宅のあるシベリアのイルクーツクの風景や、日本でお気に入りの金閣寺などを描いた作品も展示されていました。


 もしよろしかったら、あなたも「シベリアのビートルズ」を手にとってみてくださいね。大変面白く、ためになる本です。

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