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3.11&原発事故伝承美術館

 2023年7月、福島県南相馬市に「3.11&福島原発事故伝承アートミュージアム おれたちの伝承館」がオープンし、現在は不定期開館。長期継続のための資金をクラウドファンディングで募っているところだ。
 この小さな美術館。福島原発事故がもたらした教訓を自分の事として見つめ直し、自らのまことの表現で構成に語り紡いでいけるきっかけの場。
 集まったアーティストたちが各々の軸で捉えた3.11、そして福島のその後を、様々な方法で表現した空間が、ポスト原発事故におけるみんなの様々な思いや記憶を交錯させる場となり、未来へとつなぐ新たな価値観創出のゆりかごとなってくれるようにという思いが込められている。
 次々と押し寄せてくる「復興」というイメージの大波に向かってアーティストと福島の人たち、そして福島を案ずる人たちと手を携えて「過去の検証」に乗り出したのが2017年7月の「もやい展」が原点。
 そのプロジェクトを立ち上げたのは、今こそ求められているのは「もやい」だという思いからだった。「もやい」とは荒縄の強い結びである。それは”協同作業”、さらには人々の”結びつき”や”繫り”も意味する言葉である。


 もやい展実行委員会 の中筋純さんは次のように書いていた。
 「東日本大震災と福島原発事故は福島の人たちが連綿と築いてきた人々との「もやい」、そして自然や大地との「もやい」を、ことごとく奪い去った。目に見えない放射能は刃となって、人々が無意識のうちに築き上げてきた大切な「もやい」を切り裂き分断させてしまった」。
 「原発事故の最大の災禍は「もやい」の分断にあるのではないか」。
 「切り裂かれた「もやい」が生み出した「分断」は深く潜伏し、人々は目を閉ざし口を閉じることによって横たわる大きな溝を未だ埋められずにいる。その溝を埋めるための小さなきっかけは、電力という「近代」の象徴に依拠してきた我々が、原発事故が引き起こした様々な状況を「見て」、「知って」、「考える」、そして犠牲による繁栄を享受することの原罪性に気づくことかもしれない」。
 「表現を生業にしているものにとって、福島原発事故は避けては通れないテーマだった。あの日から、各々が各々の手法で表現してきたポスト原発事故のメッセージを、まずは手を取り合ってひとまとめに出来ないか?表現者の「もやい」が分断の溝が生み出す沈黙を打破することができないか?」
 そういう思いから、これまで練馬、石川県金沢、東京・江戸川、横浜で「もやい展」を開催してきたという。

 「おれたちの伝承館」の住所は:福島県南相馬市小高区南町2-23。問い合わせはメールで2021moyai@gmail.com、あるいはもやい展事務局担当の中筋あるいは相原で090-4311-4402まで。

 現在、支援金を募っている。館の維持修繕、事務経費、アーティスト招聘経費などに充てられる。
 ゆうちょ間送金 記号10190 番号72657011
 他行より ゆうちょ銀行018店 普通7265701
      口座名義 モヤイテンジッコウイインカイ
 ゆうちょ振替 00180-3-392592
 他行より ゆうちょ銀行 019店 当座0392592
      口座名義 ミヤイテンジッコウイインカイ


 

 

                            2018年9月15日          

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