「原発のある風景」写真展
日本の海岸線に普通に原子力発電所がある風景を撮影した写真家がいる。広川泰士(ひろかわたいし)さんだ。その広川さんの写真展「STILL CRAZY」を2024年6月17日(月)、ギャラリースペース「ありかHole」(東京都中野区東中野4-4-1ポレポレ坐ビル7F)で観た。
これは広川さんの1994年の写真集「STILL CRAZY nuclear power plants as seen in Japanese landscapes」の発表から30年目にあたり開かれているものでオリジナルプリントを展示している。
広川さんは1991年から93年にかけて全国を巡り、国内すべての原発(当時55基)を日本の風景として捉えた。
東京電力福島第一原発事故が起きたのは2011年3月のこと。その20年近く前の姿が映し出されている。
今や再稼働が迫っており、半径30キロ内に70万人もの人が住むため,ひとたび事故が起きた時の甚大さが改めて議論されている日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)と、今年元旦に始まった能登半島の地震によって多くのトラブルが発生した北陸電力志賀原発(石川県)のかつての姿も捉えられている。
新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発。こちらも再稼働に向けての動きが進み、あとは地元同意という段階である。それと関西電力美浜原発だ。
広川さんはいう「このプロジェクトは50年後に同じ場所を後世のだれかによって再び撮影されることによって完結するものと考える」。
その時にどうなっているのかが問われるという。
1950年、神奈川県の海辺の町に生まれ、「高度経済成長期の開発による海岸線の変貌を目の当たりにして育った私が18ヵ所53基(92年現在)の日本の原子力発電所の姿を典型的な現在の日本の風景として捉えたことは決して偶然ではない」と広川さんはいう。
この写真展は6月28日(金)まで開催中。開廊時間は午前11時から午後7時まで。入場無料。
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