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6・19原子力規制委会見

 再稼働を目指している日本原燃の東海第二原発(茨城県)で防潮堤の基礎部の施工不良が見つかっていることに関して、原子力規制委員会の山中伸介委員長は2024年6月19日(水)の定例会見で「防潮堤の作り直しも含めた設計の見直しについて検討して頂きたい」と話した。
 東海第二原発の防潮堤の基礎のコンクリートが未充填、つまり防潮壁の柱が十分深く入っていない状態であり、また鉄筋が変形しているなどの問題が明らかになっており、津波に耐えうるのか疑問視されている。
 「基礎部の施工の不具合について調査が十分であるかといわれますと、まだまだ不具合の調査は不十分であって、今後どのように施工していっていいのか審査チームが判断出来る状況にはないと考えている」。
 「不具合の原因、程度についてきちんと調査してもらって設計の見直しについての提案をして頂きたい」。

東海第二原発(資料)


 日本原燃は原子炉設置をするのに必要な技術的能力に欠けているのではないかとの質問に対して、山中委員長はこの施工不良をもって日本原燃が技術的能力がないとは判断しない考え方を示した。
 さらに作り直しによって施工費が今まで以上に嵩むとの指摘もあった。
 さらに問題となっている工事は間組(はざまぐみ)が行ったとの指摘もされたが、「これまでに実績ある大手建設会社だと思っているので今回の施工不良の原因についてもきちんと調べて対応してもらいたい」と話した。
 山中委員長はさらに「防潮堤の基礎についての基準への適合性について今後も厳正に審査を続けていきたいと思っています」と話した。

東電福島第一原発で複数トラブル発生
 また、昨日(6月18日)に東京電力福島第一原発6号機で電源盤付近のケーブルから発煙が起こって火災探知機が発動し、また6号機の使用済み核燃料プールの冷却ポンプが一時停止するというトラブルがあった。
 この6号機でのトラブルについて同日会見より前に行われた原子力規制委員会の会合で伴信彦委員から質問があった。これに対して原子力規制庁 の山口道夫・事故対処室長がトラブルの内容について説明した。
 ○火災報知器が鳴った。
 ○電源設備が落ちた。
 ○使用済み核燃料冷却のためのポンプが作動しなくなった。
 第一点目について山口室長は「昨日消防が入って止まっていることを確認した・・・炎は確認されていない」と述べた。
 第二点目は「昨日のうちに復旧し、平常通りとなっている」。第三点目に関して山口室長は「すでに冷却が進んでいた状態だったので水位の低下や温度の変化はみられなかった」と説明した。
 そのうえで「東京電力が発電のための現場確認を行っている」と述べた。 
 記者会見で山中委員長はこれらのトラブルについて「安全上重要な事案であるとは理解していない」と問題視していない旨話した。
 そのうえで、ケーブルの損傷についても調べてもらいたいと述べた。
 建屋が劣化しているのではないかと記者から質問があったが、「5号機、6号機に劣化が見られるとは感じていない」と述べた。
 そのうえで、現在、6号機からは使用済み核燃料の共用プールへの輸送が始まっていると聞いているという。


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