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単発の小説

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単発の短編小説・ショートショートはこちらにまとめています。
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#400字小説

『運命の出会い』

「あ、すみません」 「こちらこそ、よそ見をしていて……」 「……あれ、何処かでお会いしたこ…

『故郷の景色』

「もう一度、故郷の景色が見たい」  そう話す婆ちゃんのため、僕は婆ちゃんの生まれ育った土…

『こいなんかじゃない』

 いなくなってしまった。もうどこを探しても見つからないだろう。最近風当たりも強かったし。…

『巡り巡って』

 中学の頃ハマっていた漫画を古本屋で見つけた。  そういえば10年前、この漫画を古本屋に出…

『造られる奇跡』

「今年も、この季節がやってきた」  新茶を片手に、妻が嬉しそうに微笑んだ。妻はいそいそと…

『三点リーダー症候群』

 巷で流行っているらしい『三点リーダー症候群』なるものに夫が罹ってしまった。  私はその…

『今宵、月の兎は何を搗く?』

 綺麗なお月さんだねえ。しかしこんな時間に、こんな所を歩いてたら危ないよ。最近この辺り、通り魔が出るって噂じゃあないか。  まぁ、いいや。こんな綺麗な月夜だしね。ところで、月には兎がいるっていうけれど、いったい何を杵で搗いているんだろうね。餅? どうして分かるのさ。昔から言われている? それだけ? 少しは自分で考えてみたら?  いや、僕が言いたいのはさあ、あの臼の中身は誰にも分からないってことだよ。それってとても気持ちが悪いと思わない? そんなことない? そうかな? 考えてみ

『とある創造主の末路』

 彼の創り出す世界は、それはそれは素晴らしいものだった。彼にしか創り出せないその世界に、…