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職場での教え方

仕事で人に物を教える時、わたしは自分が分からなかった頃のことを思い出しながら教えることにしている。


当然、相手の理解度によって教え方を変えもする。

◆全く初めてその業務を行うという人
年上であれ年下であれ、まず先に全体像を提示して、今からどの部分を教えるのかを伝える。
最初から最後までのだいたいの流れの後で、各部分の詳細を教える。ノートなどに書いてもらいながら話を進める。
もし業務を進めていて分からないところがあれば何度でも質問して下さいという雰囲気を出しておく。


◆その部分だけを知らない人
「当然、他の部分はご存知だと思いますが」という構えでその部分だけを教える。
先輩格の人には失礼のないように相手を上げるのではなく、自分がへりくだる態度。


わたしはパート社員だが、正社員に教えなければならない時も一緒だ。




教えてもらいたい側、質問したい側の人間は、上司や教えてくれる人の機嫌を取りつつ聞いてくる。相手に失礼なことがあったら教えてもらえない可能性もあるから。完全にヨイショしている。

それは自分が正社員に質問するときがそうだからよく分かる。

職場で立場が異なる人間とは、完全にフェアではない。

相手の気をよくさせながらでなければ、質問一つできないこともある。


かくいう自分の職場がそう。


正社員はなぜだか神のような立場で下位の者、パート等に接する。

同じ人とは思えない暴言を吐いたりもする。

親が子に言うような口ぶりで感情をそのままぶつけてくることがある。

(この人、大丈夫か? と思うこともある。
もちろん大人としての、あるいは人間としての対応ができていませんよ、ということだ)

だが、仕事を続けるためには我慢しなければならない。


彼ら彼女らは、相手が反抗しなければ自分の否を認めようとはせず、あるいは対等な人間であることを忘れてこの相手には何を言ってもいいのだと勘違いし、ますます言動をエスカレートさせていく。


それを陰で怒る人もいれば、文句も言う人もいる。

呆れている人もいれば、可哀想な人だと思っている人もいる。


人はどこかにストレスを処理する当たるハケ口を持っていなければ、平安な気持ちではいられないようだ。


そんなわけで、何かを質問したい人がいたとして、自分に聞こうとしていたらわたしは快く教える。(自信を持って書くのも気恥ずかしいが、そうとう心がけていることの一つです)


相手の方に体を顔をまずは向ける。話、聞くよという態度を取る。

その際に面倒くさそうな態度は絶対にしない。忙しくてもしない。
没頭しすぎていて周囲を顧みていなかったところから引っ張り上げてくれたのだと思って、一旦顔を上げて良い休憩になったと思うようにする。

そして、
それだけで相手は安心する。


「久しぶりにやると忘れちゃうよねー。分かる! わたも一緒だよ」
「分からなくなったら、また聞いてもらって構わないからねー」

そんなことを笑いながら口にすれば、相手の気持ちも開いていく。

とにかく誰かに聞く、教えてもらうということは緊張を伴うことが多い。

同じ立場の人とか、人間関係ができている者同士ならばいいのだけれど。


要は、受け入れる側の心構えの問題だと思う。(質問する側が勘違いして偉そうであれば話は別です)


自分が何もわからない状態だった時、上の人に聞くのも緊張して、さらに嫌な態度を取られるともう聞ける雰囲気ではなくなって、結果間違えて、どうして聞かなかったのかと咎められ、それでさらに怖くなって間違えて。。。という経験は多くの人にあるのではないかと思う。



そして今、同じことを、たぶん、気づかないうちにしている。

何かが出来るようになるということは、出来なかった頃のことを忘れていくということだ。そうやって人は物事をどんどん前に進めていくものだし、それはそれでいいのだけれど、ふと思い出す余裕があると相手に優しくなれるし、それにともない職場環境も良くなるのだろうと思う。


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