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インフルエンザはどこに行った?

冬になる前、「今期はインフルエンザが猛威を振るう可能性がある」とかで、子を持つ親は予防接種を受けさせてくれる病院を必死で探した。


その前の年はコロナ元年みたいな感じで、インフルよりコロナで話題は持ちきりだったけれど、昨年のその頃はだいぶコロナも収まってきていて今年こそはインフルの大流行が来るとのウワサが広まってもいた。




2020年の日本におけるコロナ元年から翌2021年にかけて、インフルエンザにかかったという人は相当少なかったはずだ。


実際、わが町のどの保育園や幼稚園、小学校においてもインフルエンザの話題なんて一つもなかった。休校もなかった。



それを踏まえて、当初、今期わが家は小学生の息子にインフルエンザの予防接種は受けさせない予定だった。


料金のことだけではないが(とはいえ、二回の接種にかかる金額はバカにならない)、前年の例をみて予防できるのではないかと思ったからだ。



(ただ実際は、ウワサに右往左往し、しっかり接種させたところにわたしの弱さが出たのだけれど)




そしてやっぱり、
蓋を開けてみれば前年同様インフルのイの字も出やしない。

(胃腸炎関係は出ていたけれど)



結論から言うと、もう、インフルエンザの予防接種は必要ないのではないか、ということ。


そのくらい、大人も子供も見事に予防ができている。



一番予防できている要因は「手洗い・うがい・マスク」が徹底されていることに尽きるのではないかと思っている。



最初は、大人は守れるかもしれないが子供はどうなのだろうと思っていた。


食事の前、帰宅後に手洗い・うがい。
ましてやマスクなんて、きちんとするだろうか?

そんなふうに思っていた。


しかしそれは杞憂に終わる。


今の子どもたちは、マスクなしに人と会うことができないのだ。

特に低学年の子どもたちは徹底している。物心ついたときからマスクしなければ、バイキンに侵されることを染み込ませられているからだ。



マスクなしで活動していたことに慣れている大人から見ると、コロナ時代の子どもたちはかわいそうにも映る。


マスクなんてなくたって、みんなとおしゃべりを楽しんでいたんだよ。

給食の時間には班ごとにまとまって、友達と顔を見合わせてぺちゃくちゃおしゃべりしながら最高に楽しい時間を過ごしたんだよ。


お母さんたちの時代には、というか2020年以前にはこんな生活が日常だったんだよ。




そんなふうにコロナ元年に一年生になった息子に伝えたところで、彼らにそれは伝わらない。


したことがないので、想像さえ働かないだろう。
かわいそうなんて思うのは、きっと親のエゴだろう。
そんな親の一方的な思いなんて、どこ吹く風の子供たちだろう。




子供の吸収力は大人の想像を超えてずっと早く、ずっと強力で、たぶん幼少期をコロナ時代の真っ只中で経験したことや習慣が、今後の彼らのスタンダードになる。



子供の頃に根付いた「手洗い・うがい・マスク」の習慣はそう簡単になくならない。


三つ子の魂百まで、というやつだ。

まあ、もちろん一部はそれとなく消えていくだろうけれど。

だけどいざとなったら自分の身を守るための防衛手段として「手洗い・うがい・マスク」の武装をするのは容易だろうな。

きれい好きな子が増え、これはまた別の問題が起こりそうな気もする。

わたしはコロナ時代の子供を抱えているので、これからの未来がどう変化していくのかを間近で見られそうで楽しみでもある。怖くもあるが、楽しみのほうが強い。

もしかしたら目新しいことなんて特別なんにも起こらないかもしれないけれど、この子たちが親になったら「お父さんの子供の頃には……」なんて、マスクを取り出して教えたりするのだろうと空想してみたりする。

その時にはマスク生活が日常になっていないことを先に願うけれども。


まあそんなわけで、コロナ以前に比べ、子どもたちでさえ「手洗い・うがい・マスク」の必要性は十分に理解している。


この、ものすごく初歩的で原始的なようにも思えるこれらの三点セットが、毎年猛威をふるうインフルエンザをも遠ざけているように思えるのだ。

今年もインフルエンザには悩まされずにすみそうだ。
このまま突っ切ってほしいなぁ。


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