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「ちょうどいい」は移り行くもの

昨日の話の続き。

「ちょうどいい」は一つ所に留まらない。常に変化し続ける。好みも体型もライフスタイルも、月日がたてば変わるし、気分なんて日々変わる。一日のうちにだって一定ではない。

それでも、ちょうどいい服を知ってしまうと、もう元には戻れなくなるようだ。オーダーしてくださる方々のほとんどが、超がつくほどのリピーターなのがその証かなと思う。

さて、服から話が逸れるが、最近、わたしにとっての「ちょうどいい」が変化した出来事があった。

一昨年までの十年間ほど生まれ育った町を離れていた間を除いて、35年前から通っていた美容室は、気心の知れた美容師さんの技術も人柄も信用しきっていたのだが、ちょっと前から『なんかちがう…』と違和感を持ち始めていた。

他府県を転々とするたびに、美容室探しが大変だった。わたしの癖毛を上手く活かして扱いやすくカットしてくれる美容師さんを求めて、何度も残念な思いをしてきた。その間に一軒だけちょうどいいところがあったけれど、その土地も離れてからは、本当に美容室難民だった。でも、地元に戻れば、あの美容室がある!と安心していたのだが。。。

そこで、思い切って、新規開拓。恐る恐る予約をし、はじめましての美容室へ行ってみると、あっさりわたしの希望や好みを叶えてくれた。

わたしの望むスタイルは、もしかしたら、美容師業界のマニュアルからは外れたものなのかもしれないし、一般的な最近の流行りの切り方とは違うのかもしれないけど、いっぱい失敗を重ねたおかげで、じぶんの癖の性質を熟知したし、真後ろ以外のセルフカットだってお手の物だから、そうそう見当はずれのことは言ってないはず。

そして、気分良く美容室を後にした帰り道、ドラッグストアで買ったのは、使ったことのないシャンプー&トリートメントのお試し品。

甘ったるい香りや、翌日までしつこく残る強い香りが苦手な上、皮膚トラブルを起こしやすい体質のため、ここんとこ20年くらいは、無香料無添加系のものを使ってきたのだが、なんとなく新しいものを試してみたくなって使ってみたら、ものすごーくいい!ちょっと独特な香りも好みだし、泡立ち抜群、指通りに至っては極上!

ヒトは、案外カンタンに優雅なきもちになれるものなんだな

希望通りのシンプルなカットと相まって、髪の手触りが気持ち良すぎて、ずっと必須アイテムだったヘアワックスの出番が激減したほどだ。

服に限らず、昔から気に入っていたものや人も場所も、移り変わるもの。その違和感に一早く気付いているのはじぶんなのに、それを認めてはいけないような気がして、留まらせているのもじぶんなんだよなーと、しみじみ思うふたつの出来事だった。

「ちょうどいい」は何度でも上書きできる。

ちょっとの冒険から生まれる「ちょうどいい」もある。

ね。

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