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2021年のびじゅさんぽ(ライゾマティクス他)

2020年はなかなか思うように好きな美術館へ行けず、きりきりしていました。そして時は明けて2021年。既に上半期から興味深い展示が目白押しです。時勢を鑑みて厳選に厳選を重ね、行ってみました。

※緊急事態宣言解除後〜まん延防止等重点措置適用前に訪れています


タイトル通り、散歩するように軽やかに美術を楽しんでいきますね。

今回は清澄白河近くにある東京都現代美術館。この中では3つの展示が行われていました。

まずは1番のお目当てであるライゾマティクスの「ライゾマティクス_マルティプレックス」から。

ライゾマティクスは、プログラマーの真鍋大度さんとエンジニアの石橋素さんが率いるクリエイター集団。PerfumeやダンスカンパニーELEVENPLAY(星野源さんのダンスなども担当)への演出はファンにとってお馴染みだと思われます。

こちらはELEVENPLAYと作った舞台の展示である「multiplex」。白いキューブと無人カメラがけなげに動き回っています。別室ではダンサーが入った完成版の映像を見ることができます。きっと躍動感とテクノロジーが合わさった作品が体験できるはず(私が行った時は予想したより混んでいたため、その場で映像が堪能できず後追いのテレビ番組で確認しました)。

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何気なく撮った、スクリーンに投影されたデータの映像。ライゾマティクスは色使いが好きで見てしまいます。計算された美しさも良いもの。

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こちらは光るマスク「Messaging Mask」(制作過程)。中にマイクが入っていて小さな声を拾い、話したことを画面に映し出す。まさにこれからコンサートやイベント時に必要になりそうなものです。ケースに入ったマスクは見栄えも良いから、価格によっては流行るかもしれない。

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最後に今展示のメインとなる「particles2021」。高さ8mのレールにカラーボール大の玉がいくつも転がり、鮮やかな光を放ちます。とても幻想的な光景。

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ここも人で賑わっていたので、遠巻きに眺めながら写真を撮りました。それでも十分、体験としては楽しめたと思います。動くボールにレーザービームを当てて光らせるという試み、ライゾマティクスの皆さんにとっては楽しくも苦しく、それでもやってみたかった実験なのだろうな。


この会場を後にして、少し休憩。自分の体力回復と経済を回すべくソフトクリームを食べました。おいしかった。

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その後、2つ目の展示「Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021受賞記念展」へ。

受賞者の風間サチコさんの作品。以前横浜トリエンナーレで見て興味を惹かれた。白と黒のメリハリ、画鋲の煌めきにズキュン。

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もう1人の受賞者、下道基行さんの作品。愛知県から始まり台湾、香港、韓国などでも行われたプロジェクト「14歳と世界と境」からの抜粋。各地の14歳が身近な境界線についての文を書き、それが新聞に掲載されているのですが……。

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分かりづらいので少し拡大。左下が本題の記事なんですが、右上の絵がなんか気になりすぎる。どうしてこの新聞の号を選んだのかも。

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プロジェクトの内容はこちらにも詳しく載っています。文章をまとめた本を読んでみたい。


そして3つ目の「マーク・マンダースーマーク・マンダースの不在」も見ました。こちらはデジタルと相反する圧倒的な「物」たちの展示でした。

こちらのテキストが比較的わかりやすいので貼っておきます。


3つを見終えたところで、外へ出ました。ちょうど椿が咲き誇っていていて、しばし見とれる。

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そのまま歩いていると桜も満開で、狭間の良い季節を感じられました。

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本当に散歩にもってこいの日で、なんとか行けた喜びを噛みしめながら帰途につきました。


いずれの展示も東京都現代美術館で6月20日まで。

データを駆使する人、絵を描く人、彫刻を作る人、フィールドワークを通して制作する人。美術の多様さが一箇所で味わえるところが良かったです。

ライゾマティクス展は予約の上平日に行くことをおすすめします!




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