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サンタクロースがくれたもの
明日はいよいよクリスマスイブ。誰かのためにプレゼントを用意している人も少なくないだろう。
「みんな、誰かのサンタになれる」というような感動話は用意できないが、ひとつサンタクロースとのエピソードがあるので紹介したい。
それは、小学校3年生のクリスマスのこと。まだその頃はサンタがいるものと信じていた。
いつもサンタさんにいろいろもらっているから、お返しをしよう!
殊勝にもそう思った私は枕元にプレゼントを用意した。
私がサンタさんにあげたのは、付録だ。
その当時なかよしを毎号読んでいたので、わりあい豊富に付録があった。
その中から組み立て式のものを選び、自分で作った。
ここまでだと、なんて良い子なんだと思われるかもしれないが、OK大丈夫、ちゃんとオチがある。
なんというか……その、どちらかというと、自分がいらないふろくをあげたのだ。サンタに。ひどい。
今考えると恥ずかしい。
そんな打算にまみれしお子が眠りにつき、朝起きてみると。リクエストしたプレゼントの他に、洋封筒が置いてあることに気づいた。
手紙かな? と思ったが、紙にしては少々ふくらんでいる。
封は特段されていなかったので開けると、
「……!」
そこには白いハンカチが入っていた。花のような繊細な刺繍が施されていて、きれいだ。
広げてみる。
鉛筆で何か書かれていた。
Thank you.
たった一言。英語で。
しかも筆記体。
「サンタさんは本当にいた!!」と私が興奮したのは言うまでもない。小学生にあの書体は外国の人が書いたものにしか思えなかったから。
そしてもちろん、付録はなくなっていた。
やがて長じてサンタが親だということに気づくわけですが、ちょっと遅れてしまったのはこのエピソードがあったから。
特に英語が得意なわけでもないのに、わざわざ筆記体を書く姿を想像すると微笑ましいし、ありがたさがじわっとくる。
翌年の自分は心を入れ替えたのか、もう付録をあげることもなかった。だからお返しがあったのもこの1回だけ。
なかなか特別な思い出です。
ちょっと早いですが、メリークリスマス。
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