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Crossing Tokyoを見て、思ったこと
文化庁メディア芸術祭がいつの間にか始まっていた。
今年から会場が新宿周辺になり、さて、どう回ろうと考えていたら、ついさっき作品に遭遇した。ほんとに偶然に。
エレベーターホールのすみっこで鑑賞したのは、短編アニメーションの「Crossing Tokyo」。
東京の街を丸く立体的に動かした作品である。エネルギッシュで心躍る楽しい映像。人の行き交いの中に自分がいそうで、他人事ではないから、しっかり見てしまう。
まず、ここまで動画編集って進化してるんだな、と感嘆した。自分にはどう作ってるのか皆目わからない。作者のスキルを瞬間羨んだが、やがて悟った。
「こういう作品を作りたい」という意思と、技術が合わさってはじめて作品は形を成すのだと。
とにかく東京を回転させて、普段と違う視点で都市を眺めてもらいたい、その思いがなければ決して作れない。たとえどんなに腕が良くても。
あっという間に映像は終了。外に出た。
新宿は豪雨……でもなかった。
折り畳み傘を開けながら、自分の創作について考えた。
やっぱり書くことしかできないし、たぶん作りたいものも文章なのだ。
東京を歩く自分が、さっきの映像に映る姿を想像し、駅に着いた。そして今、電車に揺られながらキーを打っている。
胃の中のおにぎりが、存在感を消すまでに、書き終わろう。
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