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「思考の整理学」とピンクスパイダー

外山滋比古の「思考の整理学」を読了した。いつも途中で閉じてまた再開してを繰り返し、度々ふりだしに戻っていたが、今回はやり切った。

さて、この本の冒頭に「グライダー」という文章がある。自力で飛べない=受動的に知識を得がちなグライダー人間についての話だ。

学校ではグライダー人間は扱いやすく重宝されるが、やがてコンピューターに取って替わられてしまうだろう。現在人類とAIについて盛んに言われていることを、外山氏は既に1980年代に予見していた。

グライダー人間はエンジンがないので飛べない。そのことを考えているうちに、あるひとつの歌が思い出された。

hide with Spread Beaverの「ピンクスパイダー」。

主人公である桃色の蜘蛛は、自力で空に行けない。そこで極楽鳥に教えられた通り蝶の羽根を奪った。でも借りものなのでうまくコントロールできず、墜落する。

大体、こんな感じの歌詞だ。
もちろんこの歌と「思考の整理学」は特に関係がないのだが、スパイダー=グライダー人間とすると、わりとうまくはまる。何かを掴みたいのに、自力でできない哀しさに溢れていて。

そんなスパイダーは最後、ついに自らのジェットで飛ぼうとするのだが、それがうまくいったかについては明言されていない。

ただ、最後に「思考の整理学」が言う所の、エンジンを持ち翔べる、飛行機人間のようになったのだと思う。

本は少々古いけれど、勉強になるところがたくさんあるし、とにかく「ピンクスパイダー」は名曲なので知らない人は聞いていただきたい。

ちなみにhideには「ROCKET DIVE」という歌があって、それは「飛行機人間ヒャッハー」みたいな明るいものでした(元気が出るいい曲です)。

それがポジティブすぎるので「ピンクスパイダー」はちょっと苦い歌になったのだと……。
意訳してますが、当時のインタビューで読みました。ちょっと泣ける。




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