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春の風が吹くから不思議体験話。

またまた不思議体験話です。
前回の不思議体験話はこちらです。

今回のレベルは前回よりまた少し上がります。
人によっては怖いと感じるかもしれません。
私自身は怖かったです。

それでは、いきます。

【手形】

私がまだ小学3~4年生の時の話。

家族でとあるダムまで一泊小旅行のドライブに行った。
色んな道を行き、そのうち山に入り、昔鉱山だったという場所を通ってダムまで行った。

そこのダムはとても大きく時間はまだ明るい昼間だったけど、自分としてはどこかとても怖かったのを覚えている。
ダム自体もそうだったけど、周りの空気みたいなものが何だかとても怖かった。
周りは山で目の前に大きなダム。
昼間の光もあるし、水面はキラキラ光ってる。
でもなんか怖い。
そんな感じ。

もちろんそんな事私は口にしなかった。
両親はこのダムが出来た経緯を話してた。
多分それを聞いていたからだと思う。
あった村を丸ごと一つ潰してダムを作ったとか何とか。

一応ダム以外にも美術館?記念館?みたいなところもあって、昼間はそこも回った気がする。

ここら辺はうろ覚え。
ダムの印象の方が強くて、他に何をしたのかあまり覚えてない。

それから近くのホテルなのか宿なのか…多分小さなホテル。に向かった。
民宿ではなかった。
それ相応に他にもちらほらとお客さんがいた。

ホテルの人に案内された部屋に入った。
内装はシンプル。
昔だからなのかあまり有名処じゃないからなのか分からないけど、飾り気のない部屋だった。
でもまあ一泊するには充分という畳張りの普通の部屋。
でも私は天井を見て唖然とした。

天井に手形がいっぱい付いていた。

天井中べたべたと所狭しに人の手形だらけだった。
全部大人の人の手形だった。
その手形は全部が錆色。
大人になって気付いたけど例えて言うなら血が酸化したあの色。
無数に天井中にその手形が色んな向きでだーーーー!!っとびっしりある光景はあまりに異様でびっくりした。

何これ??????
人の手????
なんでこんなにいっぱいあるの????

建てた時に気付かないで大工さんが付けちゃったのかな????
とも思った。

それにしても色も凄い色してるし、いっぱいあるし無視できるようなものじゃない。
でも誰も何も言わない。
父親も母親も兄弟も誰もそのことに触れない。

何で?????
こんなにいっぱいあるのにみんななんとも思わないの???

不思議で仕方なかった。

だから母親に聞いた。
私「ねえ天井が凄いよ、手形がいっぱいだよ」
母「そうなの?そんなこと気にしないで、もう少ししたら夕飯だよ」

んんんんん??????
母には見えてないのか????
見えていても気にしてないだけなのか???

私はどっちだか判断がつかず、とりあえず母の言う通り気にしない事にした。
ご飯を食べに行ってお風呂に入っても、やっぱり天井が気になる。
寝る時間になって電気を消しても白い天井に浮かぶ手形。
とにかく気になる。
私は旅先で眠れる性分では無い。
けどこの時は殊更眠れなかった。
闇に浮かぶ無数の手形はとても怖かった。

朝になり大広間で他のお客さんも一緒に朝ご飯を食べる。

みんなそれぞれ宿を満喫しているようで、とても和やかな雰囲気にやっと気が休んだ覚えがある。

帰り支度をしてチェックアウトの時間には普通に宿を後にした。

何度見ても全然消える事のない手形。
動いたとか出てきたとかは一切無い。
ただただ、そこにいっぱい錆色の手形がくっついていたというだけ。

だから余計に不思議でならない。

一体あれは何だったんだろう???

そんな不思議な思い出。

ーーーーー

本当に一体あれは何だったんだろう??
とずっと思っていた。

余談。
月日は流れに流れ現在。
働いていた職場。
その職場には食堂があった。
みんなそこでご飯を食べるのだが、私には一つ気になることがあった。
その食堂の壁に同じ手形があった。
たった一個の手形が壁の真ん中あたりにペタッとあった。
でもそれは多分みんなに見えている。
色もあの時とは全然違い、作業中か何かで知らずに付いてしまったような汚れの色だった。

それでもやっぱり誰も気にしてない。
気にしないのか気にしてないようにしてるのか。
どちらにしろそんな事どうでもいいのか。

誰かに聞きたかったけど、止めておいた。
みんなご飯を楽しそうに食べてたし、そこに割ってそんな話をするのもなあ…と。

私はそれを見る度にどうしてもあの手形群を思い出してしまう。

やっぱり建てた時の誰かの手形なのだろうか?
みんな気にならないのだろうか??
手形ってそんなに残るものなのか???
現実としてついちゃったなら拭かないか??

付けたまま放置する??
手の油が酸化して月日が経って黒ずんだものならまだ分からなくもないのだけど…。

もう本当に不思議。

世界は謎でいっぱいだ。


いかがでしたでしょうか?
こんな感じで不思議体験話まだまだあります。
小さなものからちょっと書くにはためらうものまで様々です。
全部自分の実体験なので、特にオチはありません 笑。

単純に「そんな事あるんだな不思議だね」と読んでいただけると嬉しいです。

また気が向いたら他の話も書きたいと思います。
それでは。

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