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発達障害と養育環境

発達障害と養育環境は、とても複雑な関係なんです。
こんにちは!くつばこ+のせんです。一気に暑くなりましたね。昼間はあまりに暑くて、半袖デビューしてしまいました。今週の後半はまた気温が下がるみたいなので、みなさん体調に気をつけて過ごしてください!

☆昨日のnote

昨日のnoteでは、「発達障害児が増えている」という調査の記事を見ながら、その背景にはいろいろな理由があって、もっと別の支援が必要なケースが見逃されてしまっているという話をしました。今日はその中から、養育環境に絞って書いてみようと思います。

☆発達障害と虐待・ネグレクト

くつばこ+のnoteでは珍しい組み合わせですが、実は強い結びつきがあるんです。
まだ発達障害があまり知られていないときは「困った行動は育て方の問題」と見なされ、苦しむ家族が一定数いました。適切な環境で育っても、脳機能の発達の偏りがなくなることはないのに、周囲から「育て方が悪いからこんな子に育ったんだ」と責められ、親子共に孤立してしまったケースがいくつもあるそうです。最近は発達障害が性格や育て方の問題ではなく、脳機能によるものだということが広まって来たので、必要以上に養育者が責められることが減ったんじゃないかなと思います。
一方で、不適切な養育環境によって発達障害のような症状が引き起こされるパターンもあります。先天性の発達障害と厳密なメカニズムは異なるのだと思いますが、表に出てくる症状は同じようなものがたくさんあります。この見分けは難しく、さまざまな検査や家庭訪問、面談を繰り返して判断することが必要です。

☆矢印は双方向

発達障害と虐待・ネグレクトの関係の矢印は、どちらの向きもあります。

・虐待やネグレクトが先にある場合
→不適切な養育環境(自分の身を守るために常に覚醒状態)
→発達障害の症状(落ち着きがない、刺激に敏感/鈍感など)

・先天性の発達障害が先にある場合
→こだわりの強さなど、発達障害ゆえの育てにくさ
→養育者の疲弊
→虐待・ネグレクト

このように、どちらのパターンにもなる可能性があります。なので、発達障害のような症状だけを見て、発達障害に対する支援だけでは不十分なんです。
もちろんこれは必要十分の関係ではないので、不適切な養育環境で育っても発達障害の症状が現れない子どももいます。そして、発達障害があるゆえの育てにくさがあっても、周囲の理解や協力で適切に子育てができる家庭の方が多数派だと、せんは思っています。

☆子どもだけではなく家庭への支援を

子どもの話をするときのお馴染みになりつつありますが、やっぱり子どもの成長に家庭の影響は大きいんです。学校で表面化する子どもの課題は、よくよく紐解いていったら、その子だけの問題じゃなくて家庭全体の問題だった、というケースが多くあります。なので、子どもだけに支援をしても根本的な解決にはならなくて、その子が見せる言動の裏には何があるのか、しっかり見極めて支援の方向性を決めないといけません。

今日は発達障害と養育環境の関連についてのnoteでした。「社会的養護で育つ子どものうち、三分の一から半数が何かしらの障害がある」というデータもあるので、やはり関連の深いものなんだと思います。

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