6.呪われた血と偽りの救済(1/7)
<1/7 2/7 3/7 4/7 5/7 6/7 7/7>
1/7「ここにいらっしゃる方のほとんどが半信半疑のはずです。本当にこの私が霧雨病を治せるのかと。インチキではないか、何らかのトリックで騙そうとしているのではないかと!」
老人は厳かに言った。
八十を過ぎている様子だが、よく響く力強い声である。白狼を思わせる長身で、白い背広を着こなし、肩に丈の短いケープをかけていた。
「我ら聖代《せいだい》派は論より証拠! 私が天より授かった奇跡を今からご覧に入れましょう。