「この会社にいる間に、絶対取り組みたい」ことを、企画提案してください~企業内「発明塾」と「創造的リーダーシップ」
こんにちは。楠浦です。
タイトルは、企業内「発明塾」開催前に
「お題」
を決めていただく際、いつも僕がお伝えしていることです。
「この会社にいる間に、絶対取り組みたいことを、企画提案する」
ために、
「どういう、お題を設定すればよいか」
そう、考えていただきます。
(一例ですが、最も多い例です)
これは、純粋に僕の経験から来るもので、例えば前職のナノテク Start-Up は、立ち上がったのは良いけれど、当初想定していた市場は存在しないことがすぐに判明、かといって対案がある人間がいるわけでもなし・・・資金はあと半年、ということで、
「設立半年で、糸の切れたタコ」
になりました。常識的には
「すぐに辞める(つぶす)のが正解」
という気もしますが、
「どうせつぶれるなら、新しい事業を提案してからでも遅くない」
ということで、特許情報を必死で分析して・・・無事、資金調達にこぎつけました。その時の経緯は、以下で詳しく紹介しています。
過去、学生さん向けの「発明塾」や、弊社内で行っていた「発明セッション」では、原則として、
「僕が OK というアイデア/発明が通る(提案に至る)」
としていました。理由は簡単で、
「結果責任を取るのが僕だった」
からです。
つまり、
「責任を取る人が、基準を決める」
のが、最も合理的だと、僕は考えています。
ですので、企業内「発明塾」では、責任を取る人、つまり
「参加者、一人ひとり」
が、自身で
「お題を決める」
ことになっています。誰かが決めて、押し付ける、というのはありません。
(お題を決めておいて、参加者を募る、ということはあります)
「意思決定」
してもらうことが、大切だからです。
その時の、お題決めの基準の例が、
「この会社にいる間に・・・」
です。
お題決めについては、以下でも書きました。
企業内「発明塾」を、
「実働支援」
サービスと呼んでいるのは、
「参加者一人ひとりが、過去の僕のように、意思決定を行いつつ、企画を練り上げていく」
ことを想定しているからです。もちろん
「僕も、大量のアイデアを出す」
のですが、それを
「選ぶかどうか」
は、
「参加者次第」
です。たまに、
「楠浦さんの基準で選んで、企画書をまとめさせてください」
というような希望を、管理者の方からいただくことがありますが、参加者の方の人生を左右する意思決定に責任は持てないので、お断りしています。
(宣言したら、やっていただくことになり、それには、それ相応の時間を割いていただくことになりますから・・・新規事業は半年や一年では、普通、立ち上がりませんし・・・)
言い方を変えると、企業内「発明塾」参加者の人は、一人ひとりが
「自身の企画を作り上げていく際の責任者」
であり、企業内「発明塾」での討議において、それ以外の人は、その時、支援する人になる、ということです。
それが普通じゃないですかね、というのが僕の感覚です。
なんかおかしなこと言ってますかね(笑
見方を変えると、自身のアイデアを討議しているとき、その人は
「他の人の頭脳を、リソースとして最大限活用する」
権利(義務)があります。ただし、
「丸投げしても、周りの人はついてこない」
(たまにいるんですけどね、こういう人)
ので、
「自身が率先して考え抜き、考え抜いた結果をさらけ出す」
(率先垂範)
必要があると、僕は思います。
それでこそ、周りの人は、
「この人のために、知恵を絞ろう」
と思うでしょう。また、その裏返しで、周りの人が知恵を絞ってくれたから、今度は周りの人を手伝おう、となるわけです。
好循環です。
これを
「組織」
「チーム」
「仲間」
と呼びます。
「よい仲間との、よい議論」
とは、僕の中では、こういうものを指します。
上で挙げた、発明ファンドへの提案のための弊社内発明セッションでも、
「僕が考え抜いている」
からこそ、メンバーも、緊張感をもって、一緒に取り組んでくれたのだと思います。
企業内「発明塾」は、
「参加者一人ひとりのリーダーシップ」
を引き出す場、でもあるとお考え下さって結構です。
単に
「チームをリードする」
ということではなく
「自ら、新たな価値を生み出すことを、率先して行い、周りを巻き込んでいく」
という
「創造的リーダーシップ」
を発揮していただく場、です。
参加者は、企業内「発明塾」での成功体験を通じ、日常的にそのような姿勢で業務に取り組んでいただける、ということが、過去参加者についての追跡調査で明らかになってきました。
学生さん向けの発明塾も、現在は、同じようになっており、楠浦はその発明が良いかどうか、最終的な判断は下しません。
(意見は言いますが)
各自が、自分で責任をもって提案するために、考え抜く。それを、周りが
「自然に手伝う」
場を作るのが、今の僕の仕事だからです。
楠浦 拝
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