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視点について

特養で働いていた時の事。

その日は夜勤。申し送りの事だ。
「Aさんは、夜間帯はオムツとなりました。」との報告。
『なんでだ?昨日は普通に歩行出来ていたぞ。』


理由はこうであった。
夜間帯に自分で離床できずに失禁をするようになった。

さて夜間帯。
夕食時もいつもと変わらず歩行出来ている。

0時を過ぎる頃に訪室すると、
Aさんがベッド上で変な向きで臥床し、もそもそしているではないか。
これは、尿意があるものと思い離床させようとして、そして気付いた。
ベッドの端で座ってもらった時に、両足が床につかず少しだけかかとが浮いている。それが原因で踏ん張りが効かず、立ち上がりが出来なかったのだ。

案の定、ベッドを少しだけ下げ両足がしっかりと床を捉えれるようにすると
いつものように立ち上がる事が出来た。

失禁の原因は、ベッドの高さだったのだ。

介護って奥が深い。
介護に専門性はないという人が多くいるが、私は違うと思う。

気付きという視点を持って介護が出来ていますか?
その気づきの大切さを介護の職員に伝える事が出来ていますか?
そして、その介護の専門性に沿った楽しさを実感できる環境を与えれていますか?

今の荒廃した高齢者福祉の中で、
楽しさを教えれる人が少ないのが寂しい限りです。

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