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ワクチンで水道管破裂した男/採血失敗される男


流石に面白かったので忘れる前に残そう。


恐怖!メタルモデルナアーム!


東京に住む友人Tから連絡が来た。「俺の受けるワクチン、モデルナ・メタルエディションなんだけど??」


笑った。モデルナワクチンに金属片が入っていた問題で、該当可能性があるロットNo.が公開された。友人は見事該当していた。おめでとう。


友人N「やったじゃん」
私「メタル・モデルナアームじゃん。かっけーじゃん」


等と煽っていた。Tは「数時間かけて汗だくになりながらワクチン接種を受けに行かなければいけない」と嘆いていた。どこに住んでいるんだお前は。


それから数時間後、TからLINEが入る。


「家の水道管破裂してるんだけど」 と


ゲラゲラ笑った。


N「メタルエディションの副反応、やばすぎでしょ」
私「こりゃ反ワクチン派と一緒に暴れるしかねぇ」
N「ワクチンで5Gがどうのとか寝言言ってる奴ら、水道管破裂に比べたら全く深刻じゃないな。おままごとだわ」
T「全然笑えねぇからな。ネットも繋がらねぇぞ」


煽りながらめちゃくちゃ笑った。あまりに面白いので何人かに話したが、みんなウケていた。人を傷つけない笑いとはこういうことかもしれない。Tと水道管は傷ついたわけだが。


8月頃の東京、当然凍結する季節でもないが水道メーターとの繋ぎ目が見事に壊れていたらしい。飛び散った水でブレーカーが落ちて二次被害も出ていた。Tは最初「どこの家か知らんが、めっちゃ水びたしになっとる」と笑っていたらしい。それが自宅だった時の驚きと怒り。面白い。味わい深い。



考えてみれば、普通に水道管が破裂しただけではこんなに面白くなかっただろう。それがワクチン接種して帰宅後、という奇跡的なタイミングのお陰で、多くの人を笑顔にした。いつもなら憎まれ口を叩かれるであろう破裂した水道管も、みんなの笑顔をつくり惜しまれながら逝けたであろう。ありがとうT家の水道管。もし生まれ変わるなら、またT家の水道管になって欲しいな。水道管冥利に尽きる最期だったであろう。


怪奇!ファイザーの足音!


「予約ログイン競争をしていると、ラグナロクオンラインの不毛なログイン競争を思い出してゲンナリする」という理由で予約を面倒がっていた私も、いよいよコロナワクチンを受ける日が迫っていた。


T「男ならモデルナだよな?家ぶっ壊れろ」

N「星川さん、こういう時面白い現象引くからなぁ〜ハードルあがっちゃうな〜」

私「いや〜ぼくファイザーなんで。壊れてもきっと蛍光灯切れる程度っすよ。水道管は無理っすよ」

間が悪いイベントは幾度と経験して来たが、流石にそう不幸は起きない。体調も変化なく、無事帰宅し、家の設備を全て確認する。よし、どこも壊れてないぞ。ファイザーで正解だったな。反ワクチン派同士で家破壊し合ってろ。


その日の夜、私いつも通りディアブロ2Rハードコアモードをプレイしていた。『一度死ぬと育てていたキャラと装備が消滅する』というイカれたモードである。死の冷たさだけが、生の温もりを教えてくれるんだなぁ。私はこのハードコアモードの中毒者だ。


ゲームの難易度ノーマルをクリアし、次の難易度へ進むための用意をしていた。モーモー牧場、というふざけた名前のボーナスステージで装備を整える。敵は弱くて安全だが、死ぬと全てを失うのは変わらない。油断せず進行していた。


3回目のモーモー牧場。ロード中...の表記がいつもより長い。これ終わったらそろそろ寝るか、等と考えていると画面から「うっ!」というダメージボイスが上がる。私も「んっ?!」っと太い唸り声を上げながら、テレポートボタンを連打する。


もし仮に画面が見えていない状況だが操作を受け付けていたとしよう。敵に即死する攻撃は無い。敵に囲まれていても瞬間移動できるスキルを用意してあるので、連打で逃げられるはずだ。1秒に満たない時間、私はベストな対応をしたと思う。


画面が切り替わると「あなたは死亡した」の文字が。私のキャラは、開始位置で死んでいた。操作不能のロード時間に殺された。数時間プレイして育てた全てが


たまに起こる不運なバグらしいが、欠陥がすぎるだろう。ハードコアだぞこっちは。怒りを膨らませていると「ワクチンの副反応だろ」と指摘が入る。マジで?


水道管破裂よりマシだけど、一回目でこれ…?


二回目のワクチン接種でどうなっちまうんだ…?記憶とか全て失う…?


死闘!血液採取大失敗!


コロナワクチン接種前に受けていた健康診断の結果が届く。去年まで正常だった肝臓の数値が倍以上跳ね上がり、精密検査を要することになった。


元々酒はあまり飲まず、コロナが始まってから全く飲んでいない。たぶん原因は格ゲー(ギルティギア)のストレスだろう。


まずは再び採血をして、数値の変化が無いか確認する事に。ベテランナースが鮮やかな手捌きで採血の準備をする。私は注射が好きなので、作業過程を見るのも好きだ。プスプスプスグリグリグリグリッ!

ん?なんか太刀筋に迷いがあったか…?刺し直さなかった?刺し直してグリグリしてない?


ナース「あ」


ナース「…吸っていい?」


私「え、はい」


反射的にはいと答えてしまったが、俺が選んでいい問題なのか?ナースは注射器を持ち出す。


どうやら、血が少ししか出てこないので注射器で吸い出すらしい。なるほど。別に打ち直しでも良いですよ?(注射好きなんで)と返答したが、現状針が刺さっているので吸い出すプランに決定。


ギッ……ギッ…(注射器


ちょっとづつしか血が出てこない。オラの身体、どうなっちまうんだ?針が刺さったままの攻防が続く。


裏でナースの皆さんの「まだ出ないらしいよ…」「吸い出してるんだけど…」というやりとりが聞こえて申し訳ない気持ちになる。長時間の風俗でなかなかイカない時とか、裏でこうやって話し合われてるんだろうか、等余計な事を考えてさらに申し訳ない気持ちになる。


ナース「男の人だと我慢しちゃって、具合悪くなる人いるんだよね。耐えられる?大丈夫〜?」


私「え?はい」


3段突きからの抉り(まるでアルフィミィの大技みたい)をキメておいて、なんか余裕あるな。ジャンプ漫画でよくある「この技に耐えられるなんて、なかなかやるじゃん〜(次にもっと大技が来る)」って展開か?俺を倒そうとしてる?


注射嫌いの次男ならこの時点でキレていただろうが、私は注射好きの長男だ。気絶するまで貴方の技に耐えてみせよう。やってやらぁ!!


ナース同士の「もっと血要る?」「それくらいでいいんじゃない?」というやりとりを見守りつつ(鬼か?)、採血終了。結果が出るまで時間がかかるので、昼食を済ませ午後の診察を受けてほしいと説明を受ける。


近くの店で鶏肉と握り飯を食いながら、LINEで友人らとやりとり。ちょっと面白かったので採血3段突きの話する。これも副反応なのか?と


N「毎月第四水曜はギャンブルの日なんじゃない?何回目の注射でキレるか賭けてたんだよ。多分そのナースは3回目でキレるのに賭けてた」

T「賭けた奴が刺すの有利すぎない?刺し加減調整できちゃうでしょ」


そうか、だから3回目刺した後にグリグリしていたのか。女性雑誌版の嘘食いか??恐ろしいギャンブルだ。しかし私は耐え切った。あのベテランナースには悪いが賭けには負けてもらおう。


そんなくだらないやりとりをしていると電話が鳴る。先程の病院からだ。要約すると「さっきの採血に時間をかけ過ぎたから血がアウトだった。もう一回採血させてくれ」ということ。


N「ベテランナース、先月負けが込んでたから泣きの一回を許されたんじゃない?」


T「次は眼球とか刺されるだろ。キレておいたら?」


流石に笑った。採血失敗報告は人生で初めてだわ。ベテランナースもいよいよ確信犯だな?!やってやらぁ!!!


(劇場版へ続く)



採血は無事終わりました。次のワクチン接種後の副反応が楽しみですね。もしかしたら記憶や自我を失うのかもしれません。音信不通になったらあいつはもう居ないんだと思ってください。






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