インテリジェント・デザイン説vs無神論

インテリジェント・デザイン説とは、この世は知的な何か(神的な存在)が目的を持ってデザインしたのだという考えに基づく説のことである。

ある日の同僚との会話で、このように言われた。

「E=mc2という法則により、質量とエネルギーの等価性は保たれているのに、石コロから建築物ができるのはおかしい。それと同じように、生物が人間のような複雑性を持つこともおかしい。よって、人間は神が目的を持ってデザインしたものに違いない。ダーウィンの進化論は間違っている」

なるほど、まさしくインテリジェントデザイン論者の主張である。それを聞いた僕は”哲学的な話は職場でしてはならない”という鉄則を思い出して何も言うことはなかったが、以下のように心の中で反論した。

「建築物は、石ころが坂道から転がり落ちる過程でたまたまできるものではなく、人間が目的を持って作ったものであるから、まず前提が間違っている。元は単細胞だった生物が、多細胞生物になり、人間のような複雑な思考を持つ生物になるということはダーウィンの進化論に基づいて考えれば全くおかしい事ではない。生物は自然淘汰により進化していくものであり、人間はその過程でたまたま脳を大きく成長させた結果、複雑な思考を身につけただけであり、それを神の目的だと思うこと自体おこがましい。

インテリジェント・デザイン論者は、人間は特別な存在だと盲信している者なのではないか、と思う。

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