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だから、ぼくはヒーローになれない episode 3 -Withコロナ時代のPRパーソンの生存戦略(前編)-

こんにちは、イイジマケンジ|kushamiです。
タイトルはウィズなのかアフターなのか、ポストなのか悩んだ。早く一つに定まってほしいよね。

「PRパーソンの生存戦略」と書いてみたけど、基本的にはどの職業人にも当てはまる内容になるんじゃないかな。
※そもそも個人的に”PRパーソン”という表現の仕方は、おそらく今後消えていく、消していかないといけないと思ってるんだけど、便宜上、PRを生業にしている人=PRパーソンとしている。

PRに携わる者として、PR(Public Relations)の考え方はどんどん拡まってほしいし、PRの考え方やスキルがビジネスパーソンのOS(標準装備)になるべきだと思う。
だが、あえて問いたいのは、
「Withコロナ時代に、PRパーソンはエッセンシャルになれるのか?」
ということである。

PRのエバンジェリストが集結したイベントで語られたこと

4/27にPR Table主催の「Withコロナ時代のPRについて話そう」という特別オンラインセミナーが開催された。

登壇者は現代のPRを語るには欠かせない人たちで、内容も大変充実した意義のある内容だった。個人的には1万円払ってたとしても「聞けてよかった」と思える2時間だった。それが無料で、しかも、オンラインで聞けるなんて素晴らしかった。PR Tableすごい。PR TableがこうしてPublic Relationsの啓蒙をおこなっていることはPR業界にとって大変有益なことだと感じる。

現代のPRのエバンジェリストたちが集まり、様々なテーマについて語られたが、個人的に気になったのはGO三浦さんの発言である。

物事がエッセンシャルかどうかが問われていく。ただし、それは不要不急か否かという話ではなく、本質的に必要かどうかが問われていく時代になるのではないか。
(言い方は覚えていないけどたぶんこんな話だった気がする)

プロダクトやサービスに関する文脈で語られた内容であった。
僕はiPhoneをポケットにしまい、耳にAirPodsをはめてラジオスタイルでその翌日におこなわれるセミナー準備をしながら聞いていたのだが、その話になったとき、背筋が凍る感じがしたのだ。

GO三浦さんはプロダクトやサービスのことについて話をしているけど、実はPRパーソン自身にも言えることなのでは…?

エッセンシャルかどうかが問われる時代

緊急事態宣言の下、あらゆる業種・業界がリモートワークに強制的に変更になった。
「今まで会社に行ってたけど、リモートでできちゃうじゃん」「今すぐやらないといけない仕事、今やらなくてもいい仕事、そもそも要らなかった仕事が整理された」
僕自身が感じたことだ。

今まで一日10数時間働きまくって、いかに効率的・効果的にこなすかを数秒単位で判断し、作業としてこなしていった。作業をこなすうちに「うまくやること」で満足してしまうような感覚になってしまう。それが急にこの状況になって「これはエッセンシャルか否か」が問われることとなったのだ。

大雑把にいうと「昨日まで量で評価されていた業務が、今日から突然質で評価されることになった」のだ。自分がやっている業務は、クライアントにとって、自社にとって、そして自分にとってエッセンシャルなものであるのか、突然突きつけられた感じである。
僕はこの状態を「”スキルの本質化”が求められている」と考えている。

スキルの本質化

PRは広義でいうと、パブリシティ(メディア露出させるための活動)だけでない。コミュニケーション全体のデザインから、企画のディレクション、企業経営のコンサルティングまで多種多様な業務スキルが求められている。
ここで重要なことが、すべての業務において”本質”を見抜いた上で遂行しているかどうかがポイントになっているのだ。

PRにとっての本質の中でも特に重要なことは、”三方良し”である。

三方良しとは、江戸時代から明治時代にかけて活躍した近江商人が大切にしてた心得で、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という経営哲学である。この考え方は、現代のビジネスにおいても必要不可欠な考え方であるが、特にPRにおいてはPR発想の基本のキとなっている。

急激に変わる社会環境のなか、「世間よし」の価値感も刻々と変化する。昨日まで正しいと思っていたことが、今日には間違ったものになるかもしれない。その逆も然りだ。時代によって変わる価値観と変わらない正義。変わる状況と(すぐには)変われない企業のサービスやプロダクト。
僕たちは常に価値観や環境の変動を見極め、予測することから始まる。

スキルの本質である三方良しという考え方がないと、この先PRパーソンの未来はない。この三方良しを絶妙なバランスでデザインし、実行していくことが求められているのである。めちゃくちゃ難しいことであるが、これがPRの醍醐味なのである。

なお、三方良しを哲学としていた近江商人の一人、伊藤忠兵衛が創業したのが、現在の伊藤忠商事と丸紅である。すげえ。

エッセンシャルなPR発想を鍛える

Withコロナでも求められるスキルを本質化させるためには、PR発想の筋肉を平常時から鍛え上げないといけない。スキルはすぐには身につかない。けれども、継続的に鍛え上げれば自然とその発想ができてくるのである。

PRパーソンの生存戦略には、緻密な戦略と大胆な行動が必要である。そしてソーシャルセンスを持ったアイデアも。戦略と行動とアイデアの3点セット。言う慣ればそれも三方良しなのである。

前編はここまでにしよう。後編は書けたら書こう。(曖昧)

いただいたサポートは、年間でまとめて報告してどう使うか考えて記事にします!(500円までは、自分の甘やかしのためにコーヒー代に消えるかもしれませんがそこは許してください…)