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過去、現在

私は夫と恋愛結婚した。
昔から、結婚をしたいと思った事がほとんどなかったし、しなくてもいいかな、とも思っていたけど、パートナーは欲しいと思っていたし、子どもは必ず欲しいと思っていた。でも、結婚に憧れも期待もしてなかった。
そんなだったのに、30を過ぎた頃ふいに「あ、そろそろ結婚してもいいな」と思える様になった。何となく気持ちか結婚したいなという感じだったのかもしれない。
私にとって夫との結婚は、恋人同士の時のようにじゃあまたねとそれぞれに帰る事がなくなり、同じ家に帰ることが出来る、という安心というか喜びだった。それが大きかった。でも何より、絶対的な味方が出来たと思ったし、信頼していた。

私達は仲が良かったから、結婚後もきっと仲良く生きていけるだろうと思って疑わなかった。
ただ少し引っかかっていた事があったけど、好きだったから問題視しなかった。

あれから15年経った今、私達夫婦は離婚するかどうかのところにいる。
ここに至るまで、いい事も悪い事も色々あったし、お互い言いたいことはあるけど、ただの喧嘩や倦怠期で終わらなかった根本の事由を私はわかっていない…というか明確にはわからない。おそらく見えていないのだと思う。

子どももいるし、喧嘩したって気分が悪いだけだから、これまでほとんどの場合丸く納める為に私が『謝って』きた。もちろん、本当に悪いなと思って謝ることもあったけど、納得いかないけど、『とりあえず謝っておこう』と逃げでいたのが本当のところだ。険悪になるのが目に見えたし、気持ちが沈むのが嫌だから。

私は争う事が嫌いだ、面倒くさいから。ただエネルギーを消費するだけでいい事なんて一つもないからだ。だから、何事もなかったかのように普通の生活を送りたかったから謝って収めていた。
でもそんな事を毎度繰り返していると、段々と『何で私がいつも謝るわけ?』という怒りが込み上げるようになってきた。
時短だけど週5で仕事もして、子ども達の世話も家事も雑用も、忙しい夫には協力して欲しいとはなかなか言い出せず、弱音も吐きたくなかったから、「大変なのは他のママも同じだ」と言い聞かせて1人で抱え込むようになった。そして夫に対して段々女子特有の「察してよ!」という雰囲気を出すようになった。それは『不機嫌』という空気になって夫婦を蝕んでいったのかもしれない。

正直、結婚前に私が思い描いていたものと現実の差があまりにも大きすぎて、こんなはずじゃなかった…といつも思っていた。特別な事を望んでいるわけではなく、周りの家族と同じ基準で考えていた。…でも違った。基準とかいうことではなく、価値観が違ったのだと思うけど、理解出来なくてますます不満が募っていった。
夫はどういうつもりなのか、これから家族をどうやって幸せにしようと思っているのか全くわからなかった。話そうとすると、なんだかんだと避けるし、言い合いになってしまい何の進展も出来なかった。
きっと夫なりに考えてはいたと思うけど、私とは違う未来を描いていたのだと思う。あるいは、私に対して『理想まで持っていってない自分』という罪悪感のようなものがあるのかもしれない。プライドも高いし。

夫は人のことは重箱の隅をつつくように、確固たる証拠を見つけて確実に仕留めようとするけれど、自分の事は何も言われたく無い人なので、逃げる。とにかくうやむやな返事しかしない。夫も面倒くさいのだろう。

そうしてるうちに、私はある時諦めた。
何度言っても、行動してもこの人の考えは変わらない…と思ったとき、伝える事をやめた。そして私は自分のやるべきことだけをこなす日々を選んだ。それは、小さい部屋に閉じ込められて、窓からしか外が見れないようなそんな感覚に近かった。いつも外を眺めては、見えない遠くの開けた景色を想像するような狭小な世界にいるような気分で悲しかった。
周りは皆んな幸せそうなのに、私はどうしてここにしか居れないの?私の時間は?自由は?
毎日気絶するように寝落ちしてしまい、夜中にハッ!と目が覚めて、終わっていない、やりかけのやらないといけない家事や子ども達のことをしながら力尽きてしまい、朝目覚めて愕然とする…心には余白がなくなり、自分だけがこんなに苦労しているのに…と心を疲弊して、おいおい泣いたこともあった。まだ幼い子ども達に笑いかけることも出来なかったと思う。彼らの記憶の中で笑っているママっていないのではないかな…
実際、いつだったか、私が何かの事で大笑いしていた時、長男に「ママも笑うんだ。。」と言われた事があって、そのまましばらく何も言えなかった事がある。いつもどんな顔をしていたのか、一瞬で分かったし、子ども達に申し訳ない思いでいっぱいになった。一生忘れられない言葉の一つだ。そんな笑顔も出ない日々を何とかやり過ごしていたけど、関係はどんどん悪化していった。
喧嘩したり、冷戦状態になったり、私はもう疲れてしまった。業務連絡のLINEさえ、もう面倒だった。ちょっとしたミスをめちゃくちゃ責められるし、向こうの勝手な妄想と思い込みで、やっても無い浮気を疑われ、あたかも事実かの様に言ってきたり、興信所か何かに依頼して私の行動を調べたり。。(仕事は土日休みだけど、シフトなのでたまに平日休みもあり。その場合は内緒にしているのに、私の行動全部把握してた。)
もう、おかしな事ばかり言うし、誹謗中傷、パワハラ、攻撃攻撃攻撃。ある日はゴミ袋に私の洋服全部詰め込んでたことがあって、「お前の服とかいらねーから全部捨てるわ」と外に放り出された。流石に我慢ならず、「私のものに1ミリでも触るなー!」と大声で抵抗した。
とにかくこの人の負のエネルギーに飲み込まれそうで怖かった、私の大切なものを全て壊されそうで。だから出来るだけ自分を守るようにしたし、波風立てない様にした。何もしなければ何も起こらないと思ったから。それでも少しでも楽しみを見つけ、少しでも綺麗でキラキラしたもので心を満たして自分を保つように心がけた。私が壊れないように、壊れない為に。
そんな中、出会ったのがBTS関連のXの投稿、発信者は"イロ”という主だった。
私は、この"イロ“なる主の投稿を読んで、狭い空間に閉じ込めた自分の心が躍る感覚を覚えたのだった。
きらりと小さな光がそこにあった。



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