撰石積記voL.3 ~遅いネットに繋がって~
通信技術の恩恵について考える。
石垣島滞在4日目。
思ったことがある。
これがこんなにもストレスなことだったとは…。
という話。
ウィークリーマンションの一室の艱難
滞在中の仮宿として、市街地の一室を選んだ。立地の割には安かったからだ。初めて部屋に入ったときは、独特のにおいに戸惑ったが、4日も経てば、もう慣れっこだ。
学生時代の狭い1DKのアパートを思い出して、ちょっと懐かしい気分になている。
とはいえ、少し、困ったことがある。
それがよもや…。ネットがこんなにも、遅いなんて…。
ネット回線(有線) が引かれていたのを見つけたときは安心した。
これは安定した通信環境を手に入れた証だと思ったからだ。
まさか、これほどとは…。
自宅や、職場の環境がいかに恵まれていたのか、いまさらながら気づく。
いまはむかし。
そうはいいつつ、こうして旅先にもネットの環境があるだけでも、いい時代になったと思えなくはない。ネットがまだ”インフラ”ではなかった子供の頃を思えば、隔世のカンだ。
そもそも、ツーツーツートントントン、だった頃。モールス信号水準の電信技術までさかのぼれば、ミジンコとトラくらいの差がある。
あることが、当たり前になると、ありがたみを感じなくなってしまうものだ。
コテンラジオから。
最近、わたしの好きな「COTEN RADIO」で、第一次世界大戦シリーズが始まった。さまざまな技術革新と世情が複雑に絡み合って、かつてない長期にわたってすさまじい戦死者を出し続ける”世界大戦”に向かっていく時代を話している。
その内容の中で、電信技術の発達が、世界大戦を可能にした一つの要因であるとしている。戦争の情報を、すばやく詳細に自国に伝えることができるようになったからだ。また、指揮官が参謀本部から遠隔から指令を出すことができるようになった。
技術革新の裏側には、各国の生きるか死ぬかの、瀬戸際があったということか。
YouTube動画が遅くて、不満げな自分をみて、当時の人はどう思うかと、そんな想像をしてしまう。
すべてが手に入る時代。
ちょっと検索すれば、なんでもわかるようになった。
歴史も、天気も、株価も、ニュースも、芸能人の動向でさえ。
それだけ、わかることは増えたときできることはなんだ。先日のある人の発信から引用して終わりにしたい。
『
Googleやclubhouseの登場で、「知識の価値が下がって、行動の価値が上がる」という意見をTwitterで見たのだけど、僕は逆だと思う。
”知識とはそもそも何か?”が鮮明になっていき、知識を体内に内包することの価値が上がって行く。
行動の価値は、これ以上は上がらない。
』
知識とは、なんだろうか。
狭い部屋で。
遅いネットにつながるパソコンの。
そのぼんやりとした画面を見つめながら。
正解のない問いの、
答えを探す。
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