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5本指靴下と足袋靴下

草履型スリッパを作っていてすぐに靴下問題に直面しました。販売を始めた当初に、「草履はいいんだけど 冬が寒いじゃない」って意見をよく頂き、仕入れてみたものの いまひとつしっくり来ないので作ってみることにしました。

軍手軍足の専門工場にお願いし、はじめは足袋2型、5本指2型を作ることに。
学校を出た時からニットのウエアのデザインをやっているので、同じような感覚で作れるものだと思っていましたが制約が多く、柄物の場合1コースに入れられる色は2色がベスト。基本的に靴下にはゴムを入れなければいけないのでその分口数を取られてしまうのです。
また、靴下は一回洗うと縮みがでるため、それも頭に入れてサイズ出しをしなければいけませんでした。アパレル時代は許容範囲1㎝程度を課せられていたのでサイズ検品の時は恐怖でもあり、とにかくサイズにしばられていました。数字を合わせるためにセットでサイズを合わせにいったり、工場さんに無理をお願いしたり。

そんな習性があるものだから、最初はサイズで随分神経質になりましたが、今はそれほどサイズに神経をとがらせることなく、履き心地の良さを優先して作れるようになりました。

私たちの靴下は、先が丸いタイプと違って指先から編みます。そして指を編み終わったらそのまま足の甲部分から踵に入ります。通常は甲と指の境目に縫い目が入っていますが、その縫い目がなく、踵を立体的に作るので足にフィットする靴下が編みあがるのです。5本指の靴下は それこそ1本1本を包むので、冬は暖かく夏は汗を吸収してくれます。

近年、足の指より踵の方に重心がいってしまい、指が浮いてしまう現象があるようです。
指で大地をつかむ、踏みしめるような感覚を5本指の靴下やトング型の履物だと感じることがあります。私も美しいハイヒールやぼってりとした底の厚いスニーカーを好みますが、足腰の状態を整えるのには指の解放って重要だなと思います。

私の理想はメゾン マルジェラの足袋シューズに合わせられる靴下を作ることです。営業面から厳しいところもありますが、足指にやさしく普通におしゃれに履きたいじゃないですか。








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