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光を求めて──いじめに苦しんだ私の物語Part27

アンリ

《草の葉メソッドによる日本英語の私塾》のテキスト。日本の物語を世界の人々に伝えるために、翻訳ソフトを駆動して英文に翻訳しなさい。

これはまた「グーグル」の翻訳開発チームへの挑戦でもある。現在の翻訳ソフトは、新聞記事やエッセイや論文などの翻訳精度は高いが、文学的表現はまだまだ稚拙の領域である。この文学的表現の精度を上げるには、すぐれた翻訳家たちの翻訳本を広く採集して、その魔術的な技をそのシステムの中に組み込んでいくべきなのだ。

これはまた中学校の英語教師たちへの挑戦でもある。英語に文法などというものは存在しないのだ。存在しないクソ文法を生徒たちに教授している愚かさにいったいいつ覚醒するのだろうか。翻訳ソフトを使えば、中学生たちはこのようなストーリーを英文で書いたり話したりできるのだ。

これはまた中学生たちへの挑戦である。現在の学校で使われている英語の教科書を点検してみた。光村図書、東京書籍、三省堂、開隆堂、学校図書、教育出版の教科書を。すべての教科書は会話体で形成されている。

ケン、何かスポーツするのが好きですか?
はい、ぼくはバレーボールをするのが好きです。水泳も好きです。
へえ、すごいですね、水泳部に入っているのですか。
いいえ。でも、私は毎週日曜日にスイミングスクールに通っています。

こんな安っぽい、空々しい英会話が、一年生の教科書から三年生の教科書まで一貫して貫かれている。こんな会話は英語ではない。英語でない会話を日本の中学生たちは学んでいる。

もう無駄な英語教育はやめてください  中学校三年 木村義人
私たちは、英語を自由に話すことができる人間になるために、英語の勉強をしているのです。ですからもう文法英語や受験英語を教えることをやめて下さい。それがどんなに役に立たない無駄な勉強であったかは、私の父と母が見事に証明しています。私の父も母も学生時代に英語を一生懸命勉強したと言います。通算したらそれこそ何百時間どころか何千時間、何万時間にもなると言います。それなのにまったく英語が話せません。英語の新聞も本も読めません。
こんな無駄な英語教育をいつまでつづけるのですか。私たちはもうこんな英語教育を拒否します。私たちは英語を自由に話せる人間になりたいのです。そのためには先生たちは何をしたらいいのか。英語の授業を私たちが英語を自由に話す授業──「草の葉メソッド」に切り替えることです。
いま私たちは翻訳ソフトを外付きの英語脳として活用することをはじめました。翻訳ソフトこそ私たちの英語を先導していくのコーチであり、インストラクターであり、教師なのです。この翻訳ソフトを駆使すればどんどん英語が話せるようになります。私たちはびっくりしています。私たちは英語の先生たちに告げねばなりません。翻訳ソフトの登場で、文法英語と受験英語を教えるという先生たちの仕事は終わったのです。
言葉は文法で成り立っているのではありません。言葉を文法から教えるなんてそもそも間違っているのです。そのことを自覚して下さい。先生たちにとって人生の根幹を揺さぶる大事件でしょうが、勇気をもって英語の授業を一大転換して下さい。お願いします。

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 光を求めて──いじめに苦しんだ私の物語  Part27

 教室はもう声を失っていた。だれもが呼吸を止めたかのように静まり返っていた。こんなに深い言葉をもった人が、こんなに激しい心をもった人が、いま私たちの前に立っていることに、私たちは圧倒されていた。

「みんな、いいかい、小野がナイフを持っていることを忘れてはいけないよ。いじめというものは、肉体を傷つける暴力だけではないね。もっとちがった暴力がある。臭いとか、バイキンがきたとか言って、仲間外れにする。上履きや体操着を隠したり、死ね、死ね、とその子の教科書にマジックで書いたり、お葬式ごっこをはじめたり。それもまた暴力だ。それもまた人間の尊厳を傷つける、許すことのできない暴力だ。子供たちのいじめがどんどん深くなり、複雑になり、陰険になっている。これは君たちだけの責任ではない。それは社会や大人たちの反映なんだ。日本と日本人が、どんなに腐敗し病んでいるかということを語っていることなんだ。

 ぼくたちの国は、なんだかどんどんすさんで、荒廃し腐敗していくようにみえる。いまの子供たちのいじめをみていてぼくは本当にそう思んだ。だからこそ、ぼくたちはあの高杉先生のような勇気が、必要だと思うんだね。命をかけて、子供たちのいじめのなかに飛びこんでいく勇気が。ぼくはいま小野にナイフをあずけるよ。それは君たちにあずける希望というナイフだ。君たちが君たちの力で希望をつくりあげていくナイフなんだ。

 いま日本の学校中にいじめが蔓延している。しかしぼくたちのクラスはいじめを追放しよう。君たちにはできるはずだ。君たちはそんなクラスがつくれるはずなんだ」
 そのとき私の目に涙があふれでてきた。みっともないと思ったが、あふれてくる涙が止まらない。私はあの赤い薔薇の包装紙を思っていたのだ。あの包装紙のなかに包みこんだ私の意志、私の罪、私の深い傷。その固いものが溶けていくようだった。私はそのとき許されたと思った。
 小野君にナイフが渡された日から、私たちのクラスからいじめがなくなった。私たちのクラスは荒廃から立ち直ったのだ。 (完)

「ゲルニカの旗」より一部転載

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The classroom had already lost its voice. Everyone was silent as if they had stopped breathing. We were overwhelmed that a man with such deep words, with such a fierce heart, was now standing before us.

"Hey guys, don't forget Ono has a knife. Bullying isn't just physical violence.
There is another kind of violence. Saying that it stinks, or that a viking has arrived, and throwing them out of the group. Hiding indoor shoes and gym clothes, writing "die, die" in the child's textbook with magic, and starting to play funerals. It's also violence. It is also unacceptable violence that violates human dignity. Children's bullying is getting deeper, more complex, and more insidious. This is not just your responsibility. It's a reflection of society and adults. It speaks to Japan and how corrupt and sick Japan and the Japanese people are.

Our country seems to be getting worse and worse, desolate and corrupt. I really thought so when I saw the bullying of children today. That's why I think we need courage like Takasugi-sensei. The courage to risk your life and jump into the bullying of children. I'm going to give the knife to Ono now. It is the knife of hope that is entrusted to you. It's a knife that you create hope with your power.

Bullying is rampant in Japanese schools. But let's banish bullying from our class. You guys should be able to do it. You should be able to create such a class."
Tears welled up in my eyes then. I thought it was embarrassing, but I couldn't stop the tears from overflowing. I was thinking of that red rose wrapping paper. My will, my sins, my deep wounds wrapped in that wrapping paper. The solid thing seemed to melt away. I thought I was forgiven then.
From the day Ono-kun was handed the knife, bullying stopped in our class. Our class has recovered from the devastation.

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