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あのときの王子くん

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#人文学

私たちは後世に何を残すべきか 上編 内村鑑三

私たちは後世に何を残すべきか 上編 内村鑑三



 序文
 
 この講演は明治二十七年、すなわち日消戦争のあった年、すなわち今より三十一年前、私がまだ三十三歳の壮年であったときに、海老名弾正君司会のもとに、箱根山上、蘆の湖の畔においてなしたものであります。
その年に私の娘のルツ子が生まれ、私は彼女を彼女の母とともに京都の寓居に残して箱根へ来て講演したのであります。その娘はすでに世を去り、またこの講演を一書となして初めて世に出した私の親友、京都

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私たちは後世に何を残すべきか 下編 内村鑑三

私たちは後世に何を残すべきか 下編 内村鑑三



 昨晩は後世へわれわれがのこして逝くべきものについて、まず第一に金のことの話をいたし、その次に事業のお話をいたしました、ところで金を貯める天才もなし、またそれを使う天才もなし、かつまた事業の天才もなし、また事業をなすための社会の位地もないときには、われわれがこの世において何をいたしたらよろしかろうか、事業をなすにはわれわれに神から受けた特別の天才がいるばかりでなく、また社会上の位地がいる、われ

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