第19回「本を売る」ことに魅せられて
2006年(平成18年)春。志夢ネット(株式会社会社 日本書店大学館)は、4期目に突入しました。2月の金沢で行われたオーナー会議の決定事項として、社長が近藤秀二さんから一清堂の清宮英晶さんに代わりました。
そして、懸案事項であった草彅の待遇改善については、常務会では賛成一致であったが、他の4人のオーナーから条件がついたのです。それはアルバイト禁止でした。確かに平日、ブックファーストで働いている時間帯(18時〜23時)は、メールも見れない。携帯電話にも出れません。しかし、この時間帯は就業時間外です。それに、この時間外にあったメールなどの問い合わせについては、ブックファーストから帰宅した夜中に処理していましたので、ご迷惑は、かけていない筈。それでも、時間外に即応させたいのか、平日のアルバイトは禁止だと言うのです。清宮社長と再度交渉しましたが、土日のみアルバイトを継続して良いと言うことになりました。
ところが、ところが、待遇改善でベースアップした給料は、結局平日のアルバイトをやめた金額とnearly=でした。つまり、志夢ネットの給料は増えましたが、全体の収入は改善されていないのですハァ…ヽ(´Д`;)ノガックリ
この春から長女は高校に進学、次女は中学校に進学しました。僕は、このままで家族を幸せにできるのだろうか。
出版科学研究所の調べによれば2005年の出版物販売額は2兆1,964億円,書籍が2.5%減,雑誌は1.8%減,合わせて2.1%減でした。2004年はベストセラーに恵まれて、前年を上回ったのに再び右肩下がりとなりました。出版不況のニュースを見るたびに枕言葉となっているのが、
です。しかし、マイナス成長は、それ以前の日本のバブル崩壊から実質始まっていたように思えます。では数字上では、なぜ1996年まで成長していたのか?
それは、まず出版点数の増加です。売上減をカバーしようと、発行点数を出版社は、増やしていきました。僕が紀伊國屋書店で働いていた頃は、一日百点くらい、年二万タイトルぐらいの新刊点数が、1987年に三万点を越え、1993年に四万点を越えました。さらに売上高最盛期の1996年に六万点を越え、業界がマイナス成長に転じていながら、さらに出版点数は、伸びて2002年に七万点を越えています。
(最多点数は、2013年の82,589点)
しかし、バブル崩壊以降も伸びた要因は、それだけでは、ありません。
既存店の増床や営業時間の延長、そして何よりも新規出店が増加したことです。地方都市を中心に郊外型書店が増加しました。その旗頭とも言えるのは、神奈川県川崎市溝の口に本部をおく文教堂で、1994年にジャスダックに上場しています。
つまり、売上増の正体は、増床や新規出店の在庫と言えます。
ちなみに文教堂のピークは、2005年で店舗数は、220を超えていました。しかし、2023年の店舗数は、80店舗まで激減しました。そんな文教堂の空位を奪ったのはTSUTAYAでした。店舗数は360店舗を超えています。(トップカルチャーのトーハンへの帳合変更や残りのCCC各店を日販傘下とするなど直近では大きな動きがありました)
話を書店バブルがはじけた1996年に戻します。
郊外型書店の出店攻勢に対し、ナショナルチェーンは、店舗の巨大化を図りました。印象的だったのは、ターニングポイントの1996年、新宿にタイムズスクエアが建ち、高島屋が開業しました。そして南館の1階〜6階に紀伊國屋書店新宿南店がオープンしました。売場面積は、4,000㎡(約1325坪)と日本一でした。これは書店業界の狼煙であり、このオープンを機に、500坪〜1000坪を超える大型書店、メガブックセンターが登場します。
1995年の阪神大震災をレバレッジして、ジュンク堂書店が全国展開を始めた時期とも重なります。2001年にジュンク堂書店池袋店は、隣のビルとつながり、900坪から一気に2000坪の売場面積をほこり、日本一大きな書店となりました。
また東京駅前のオアゾに丸善丸の内本店(1750坪)が2004年9月にオープンしています。
しかし、このように書店の巨大化と出版点数増があっても、マイナス成長が止まらなくなってきたのです。
4月11日、定例の打ち合わせで新潮社を訪問。
今月の目玉は、石田衣良の『眠れぬ真珠』
初版3万か…とりあえず重版分を予約。
初版6千の長嶋有の『夕子ちゃんの近道』が気になりました。舞台は骨董屋。
4月14日、千駄ヶ谷の幻冬舎を訪問。志夢ネットの2004年度実績は、前年比144%
『1リットルの涙』などミリオンセラーがあったとは言え、ちょっと伸びすぎたかな?何も手を打たないと今年度が厳しくなるぞ。
ということで、今日は今年度の作戦会議。
劇団ひとり『陰日向に咲く』は、30万部突破!19日重版出来。森昌子の『明日へ』も好調。渡辺淳一の『愛の流刑地』が5月17日発売。あれ!『ハリーポッターと謎のプリンス』と同じ日か!打ち合わせを終え、バスで渋谷へ。ブックファーストにて、よしもとばなな『イルカ』(文藝春秋)を購入。
イルカを観た日に新しい生命が宿るって、ステキな話ですね。
「平家にあらずんば人にあらず」ではありませんが、「特約店にあらずんば書店にあらず」というのが、志夢ネットで働くようになり、しみじみ思うことです。
思えば、先述の幻冬舎も、特約店でなければ本が入荷しない代表的な出版社です。
志夢ネットが特約店になれたのも、2004年6月8日の出版社説明会に幻冬舎の花立融さんが駆けつけてくれたからです。
一般の読者からしたら不思議に思うかもしれません。だって新聞広告でデカデカと重版出来と宣伝しているのに、近所の書店には一冊も並んでるいないのですから。
幻冬舎に限らず特約店制度がある出版社は多く、書店は複数の出版社と契約しています。書店は契約に基づき、その出版社の本を積極的に売らなければなりません。時には、ちょっと多すぎるというくらい重版本が送られてくることもあります。しかし、特約店以外には商品が流れないことで優位性が担保され、また売上に応じた報奨金を手にすることができるのです。
平均で経常利益率が1%ないという書店にとって出版社からの報奨金は経営にインパクトを与える金額なのです。
こうして、まったく読者とは関係がないところで、決められている制度ですが、志夢ネットのような小さな書店集団が商品を確保するには、他書店では展開していない商品を仕掛け販売して、唯一無二の存在感を感じてもらい、出版社の特約となっていったのです。
5月10日、日本書店大学の5月例会。出席者は、26名。元近鉄星野書店の河合誠氏の講演は面白かったです。近鉄星野書店は、コバルト文庫創刊から10年間連続で全国1位の店。 耽美系の販売ノウハウを公開してくれました。僕もボーイズラブを読んで研究しようかな.....日本書店大学5月例会の2日目は、集英社に訪問。
5月20日、映画「ダ・ヴィンチ・コード」公開。原作よりも良いかも。
5月24日、文京区の社会保険事務所へ。社会保険を自分で手続き。今まで3年勤めてきましたが、社保なしでした。国民健康保険、国民年金からようやく卒業です(´・_・`)ほんとブラック企業ですね(笑)
5月31日、志夢ネットで、小学館の『きっずジャポニカ』の予約活動を頑張ったら先日発表された 「熱戦速報」で全国1位になりました。全国1位・・・わるくない響きだ。
※5月23日現在の予約獲得数なので、6月29日の発売直前には外商が強いチェーンが予約をあげてくるので、1位の座は維持できないと思いますが・・・
6月1日、文化出版局を訪問。
2005年度の書店法人別の売上順位表をもらいました。
とりあえず、めざせ50位でがんばろうと思います。
6月6日、5月の売上ベストを抽出。
文庫
1位『ダ・ヴィンチ・コード上』角川書店
2位『ダ・ヴィンチ・コード中』角川書店
3位『ダ・ヴィンチ・コード下』角川書店
4位『感染』小学館 ※全店仕掛け販売
5位『佐賀のがばいばあちゃん』徳間書店
文芸・一般書
1位『ハリー・ポッターと謎のプリンス』静山社
2位『東京タワー オカンとボクと時々オトン』扶桑社
3位『陰日向に咲く』幻冬舎
4位『明日の記憶』光文社 ※全店仕掛け販売
5位『愛の流刑地』幻冬舎
文庫は、『ダ・ヴィンチ・コード』が上位を独占し、一般書は、お約束通り『ハリー・ポッター』がダントツ1位。 しかし、『ダ・ヴィンチ・コード』は売れたが、文庫の総売上は、あまり変わらない。同様に『ハリー・ポッター』の発売日は、売上は上がったが、『ハリー・ポッター』を除くと売上はマイナス成長でした。お客様の財布の中身が増えるわけではないのだから、予想できた結果ではあるが!
2位の『東京タワー オカンとボクと時々オトン』扶桑社 は、既にミリオセラーとなっていましたが、本屋大賞受賞後も動きが止まりません。(2006年1月100万部、2006時4月に本屋大賞受賞、2006年10月200万部のWミリオンを突破、2024年2月現在220万部)
扶桑社に電話すると、志夢ネットを担当してた人が、異動になったのか、辞めたなのか?捕まりません。電話口に出た方に、こちらから扶桑社へお伺いしたいことを告げると、「いやこちらから行きます」と言ってます。おや、フットワークが軽いぞ!志夢ネットの事務所まで足を運んでいただき、『東京タワー オカンとボクと時々オトン』も、たくさん補充を入れていただき、感謝、感謝です。この時の青年が将来、販売局長になるのです。フットワークが軽い人は出世する。これは法則かも!ありがとうございました梶原治樹さん。
6月12日、毎年恒例の「店長パワーアップセミナー」第1講の青田恵一先生は、昨年『たたかう書店』を上梓、今もっとも注目の書店コンサルタント。
第2講の桑原聡子先生は、全国の小売、流通、飲食、サービス業などを熟知。大変人気の高い先生です。第3講の片桐先生は、昨年東北最大のメガブックストアを立ち上げた八文字屋の店長。そして、最終講は本学の学長 田辺聰がトップが期待する店長像を語ります。
「店長パワーアップセミナー」も終わり、志夢ネットの店長は、泊まり込みの店長会議。
7月5日、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を含む7発のミサイルを発射し、金融制裁を続ける米国に揺さぶりを掛けました。
7月6日、いよいよ一週間後「直木賞」と「芥川賞」が発表されます。 伊坂幸太郎は、今回5度目のノミネート。作品は『砂漠』(実業之日本社2005年12月刊)
実業之日本社の原浩史さんは、旧友です。アシーネにいらっしゃったので、書店のことをよく知ってます。出版社時代も含め、大変お世話になりました。直木賞は『砂漠』に決まってほしいのですが、ここ数年の直木賞は以下のように文藝春秋発刊の本が独占しています。
131回(2004上半期)奥田英朗『空中ブランコ』文藝春秋
131回(2004上半期)熊谷達也『邂逅の森』文藝春秋
132回(2004下半期)角田光代『対岸の彼女』文藝春秋
133回(2005上半期)朱川湊人『花まんま』文藝春秋
134回(2005下半期)東野圭吾『容疑者Xの献身』文藝春秋
今年は、伊坂幸太郎さんの文庫化作品も多いので(『陽気なギャング~』『重力ピエロ』など)伊坂さんが受賞したほうが業界的にもいいのですが・・・
7月13日、第135回 直木賞は、三浦しをん『まほろ駅前多田便利屋軒』(文藝春秋)と森絵都『風に舞いあがるビニールシート』(文藝春秋)のW受賞。芥川賞は、伊藤たかみ『八月の路上に捨てる』(『文學界』2006年6月号)が受賞しました。またまた直木賞も芥川賞も文藝春秋ですね(^◇^;)
7月19日、週1回志夢ネットの店長と電話で会議。今日は11人の店長と電話で話しました。議題は、直近の売上やグループでの仕掛け販売の成果、秋から年末にかけての仕込みなど約3時間半、電話で喋りっぱなし。のどがかれてきます。
7月22日「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」が公開。観に行ったのですが、途中から爆睡してクライマックスを見逃しました(笑)
7月26日「洋書を売りたい。もうすぐ開店10周年なので、リニューアルと同時に洋書もおきたい」 とのリクエスト。赤坂のYOHAN(日本洋書販売株式会社)にて打ち合わせ。それにしても、いい場所にオフィスがあるなぁ。窓の向こうにニューオオタニがみえる。
※2008年7月31日、日本洋書販売株式会社は自己破産を申請。
7月29日「ゲド戦記」公開。原作は岩波書店。買切なので映画のヒットを祈ってます。
8月3日、朝一番、神田村の取次から電話が...「デスノート入りました。割り振りどうしますか?」
「ありがとうございます。ではK店15冊、S店10冊、N店7冊・・・」と電話で依頼。よかった。お盆前に商品が揃って!
やっぱり神田村の取次は頼りになるな~。
小回りがきくし、必ず返事があるし、神田村サイコーだね。
....と今日来た出版社の営業マンに話すと「神田村ってなんですか」と質問されました。
「ヌシは神田村を知らぬか? ふっ ならば拙者が教えてしんぜよう」
「すみません。勉強不足で」
ついに神田村を知らない人たちが出版社で営業するようになったか・・・
この頃、神田村の三和図書(2018年廃業)と取引をしていました。一番の目的は電撃文庫の仕入でした。電撃文庫は特約店にならないと配本がありません。特約店(電撃組)になるためには売上実績を上げるしかないのですが、そもそも新刊がないのに、既刊だけで売上は上がりません。三和図書は秋葉原界隈のアニメ専門店へ本を卸していたので、電撃文庫の新刊がフリーに入荷してたのです。そのフリー分を三和図書と交渉し、志夢ネットの一部の店舗へ配本しました。なぜ一部の店舗かと言うと、まずあと少しで特約店になれそうなところへ集中配本し、特約店になれればメイン帳合から電撃文庫の新刊が配本されるようになるので、三和図書からの供給を止めて、また次の店舗へと切り替えていったのです。
8月18日夕方、幻冬舎が来訪。2005年度の売上実績を見ながら配本ランクの打ち合わせをしました。前年比136.9% 法人ランクキングも昨年の86位から74位にアップ。販売シェアも0.19%から0.22%にアップ。ちょっと出来過ぎ。2006年度が大変だ~ でも、もうすぐ山田悠介『親指さがし』も映画公開だし乙一『暗いところで待ち合わせ』も今秋公開、山田宗樹『嫌われ松子の一生』もドラマ化になるので、大丈夫かな~
9月6日、午前8時27分、東京都港区の愛育病院で、秋篠宮妃紀子さまが男児を出産。皇室にとって実に41年ぶりの男子皇族で、皇位継承権は皇太子さま、秋篠宮さまに次いで第3位。「ゆったりとした気持ちで長く久しく人生を歩んでほしい」との願いを込め、秋篠宮さまが「悠仁(ひさひと)」と名付けました。
9月13日、洋販と打ち合わせ。ロバート・サブダの仕掛け絵本が大日本絵画で品切れ中、重版出来がクリスマス商戦に間に合わないので、洋書を仕入れることにしました。条件は、買切ですけどね。
9月14日、日本書店大学の会員35名を連れて茅ヶ崎にある松下政経塾を訪問。施設内を見学し、塾頭や卒塾生の講演を聴講。目からウロコの話あり…それにしてもこの財団法人は金利で運営してるとのこと。最近は低金利なので厳しいらしいが…いったいいくら資産があるの?
※2011年8月29日、1期生の野田佳彦が民主党代表に選出され、翌30日に国会で第95代内閣総理大臣に指名されました。松下政経塾出身者から初の内閣総理大臣が誕生したのです。
9月15日、「志夢ネット大賞」という賞をつくりました。この賞は志夢ネットに加盟する書店で仕掛け販売した商品の中から上位3作品を選び、その商品供給に尽力された出版社の営業マンを称える賞です。作品でもない。作家でもない。称えたいのは版元の営業マン。
授賞式を9月15日に日本出版クラブでおこないました。 販売金額の順位は・・・
第1位が光文社の『死亡推定時刻』朔立木
第2位が小学館文庫の『感染』仙川環
第3位が幻冬舎文庫の『安政五年の大脱走』五十嵐貴久
担当営業マンに感謝状と図書カードを贈りました。
9月18日、志夢ネット大賞を受賞した朔立木『死亡推定時刻』(光文社)が原作のドラマを見逃してしまったのですが、友人が録画したビデオを送ってくれました。今日は完全休養日、しかも雨だったので外出しないで、このビデオを観ました。『北の国から』の杉田成道監督と吉岡秀隆が4年ぶりに組んだドラマ。ということで期待もありましたが、ありがちなサスペンスドラマになっていましたね。被害者の父役の松平健をチョイ役で使うわけにはいかなかったのかな? 原作にはないシーンでマツケンが大活躍。最後は被害者の少女が好きだった歌を口ずさむシーンもある。(マツケンだから歌いながら踊りだしたらどうしようかとハラハラした)取調べを担当した刑事や着手金ドロボーの一審の弁護士など冤罪がどのようにつくられたのかを原作に忠実に再現して欲しかった。残念!
被害者の少女(大後寿々花)が好きだった曲がサザンの「旅姿六人衆」というのは嬉しかった。この曲は「綺麗」というアルバムに収録されてる曲ですが、僕も好きな曲です。
9月19日、栗田出版販売にて、映像化されるコミックの補充体制を打ち合わせ。とくに10月からドラマ化される『のだめカンタービレ』の在庫をおさえてもらいました。深夜の『働きマン』も気になるが・・・
9月20日、小泉純一郎総裁の任期満了に伴い自民党総裁選で、安倍晋三(52)が麻生太郎(66)谷垣禎一(61)の両氏を大差で破り新総裁に就任。衆参両院で第90代、内閣総理大臣に指名され、安倍内閣が発足されました。52歳での就任は戦後最年少で、初の戦後生まれの首相。
前年10月に実施した国勢調査に基づく日本の総人口が、1億2776万7994人で確定しました。2004年10月1日現在の推計人口から約2万2000人減少、総人口が前年を下回ったのは戦後初とのこと。2006年10月1日現在の推計人口も2005年を約1万8000人下回り、日本の人口が2004年をピークに減少局面にあることが浮き彫りにされました。
10月10日、11時から13時の間に出版社が3社来訪。昼飯も食べれない状態。でも、いよいよ年末に向けての追い込みだし、婦人誌の新年号の発注〆きりも近い。『主婦の友』と『すてきな奥さん』それに『ミセス』は、部数も決定済み。
本日、最後に扶桑社の梶原治樹さんが来て、今年も『ESSE』をよろしくとのこと。
10月25日、光文社新書の『若者はなぜ3年で辞めるのか?』が売れてます。この本3ヶ月前に光文社で打ち合わせをした時は『上司を食わせるためにボロボロになる若者たち』というタイトルでした。著者はベストセラー『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』の城繁幸。
本書によると・・・ いまの時代、汗水たらして働いても、若いときの苦労はけっして報われない。下手をしたら、一生下働きで終わる可能性もあると説かれています。
僕のまわりでも若者に限らず上司のためにボロボロになっている人がたくさんいますね。
書店業界でも確実に「希望格差社会」「下流社会」の溝は深まっています。
11月7日、日本書店大学の臨店研修で名古屋に来ました。いまじん、三洋堂、カルコス、未来屋などバスを貸し切って団体で訪問。
夜は懇親会。飲んでますが.....同日に
米国では泥沼化するイラク情勢が最大の争点となった米中間選挙の投開票が行われ、イラク政策の軌道修正を訴える野党・民主党が上下両院で12年ぶりに過半数を奪回、歴史的大勝を収めました。
12月8日、新潮社と打ち合わせ。年明けからはじまるドラマ原作本を手配。NHK大河ドラマの井上靖『風林火山』それから山崎豊子の『華麗なる一族』が来年1月から木村拓哉が主演のドラマが始まります。大阪万博前の1960年後半が舞台。
12月12日、今年の年間ベストセラーを集計してみました。集計期間は2005年12月~2006年11月の1年間 。
集計前は、何が上位にくるか楽しみでしたが、ちょっとガックリ。ケータイ小説って何故売れるのかね。書店人よ!間違っても本屋大賞に投票するなよ!
文庫の1位は『ダヴィンチ・コード』
新書の1位は『国家の品格』でした。
12月31日、大晦日なのに…まだ年賀状1枚も書けてません。(仕事の年賀状は27日に投函しましたが)
本棚に収まりきらない本の山も残したまま越年です。手洗いしようと思った愛車をガソリンスタンドで洗車して、ブックファーストに今年最後のご出勤。23時閉店までの勤務なので、今年も帰宅途中の電車の中で新年を迎えます。
と言うことで、紅白は観れないけど2006年は、この曲で締めくくりたいと思います。
Mr.Children「しるし」(作詞、作曲:Kazutoshi Sakurai)
つづく