第9回 ほんまる神保町の棚主として
5月7日、ABEMA TVの番組「ABEMA Prime」で、ほんまる神保町が紹介されました。
同番組は、“紙の本”買わない時代の書店生存戦略 活路はどこに…というタイトルで、
夏野剛さん、箕輪厚介さんや佐賀之書店の本間悠さんも出演されました。
その上で、本間さんは、以下の提言をしていました。
番組の中では「書店員はAmazonを利用しないのか」や「リアル書店で本を買うのと、ネットで本を買うのと、どう違いがあるのか」など、意地悪な質問がありましたが、そもそもネットとリアルの違いが、わからない人に、その良さを伝えることは難しいですね。
人口の減少、高齢化のため、本屋が無くなった?!
夏野剛は、書店が消滅している自治体があると言うが、そもそも自治体そのものが消滅の危機にあり、限界集落について語りました。
箕輪厚介は、「(自分は)コミュニティに刺さる本を作っている」と言い、「出版社は、コンテンツを作るだけでなく、自ら動画もやる。イベントもやる。コミュニティをつくる。そこまで全部設計しなけらばならない。」と語り、
「便利さでは、テクノロジーに負けてしまう。本屋で、わざわざ買う!意味合いをつけるしかない。」という意見には賛同します。
なかなか面白い番組でした。
この討論を聞いて、僕の私見を述べておきたいと思います。
“紙の本”買わない時代の書店生存戦略 活路はどこに…というタイトルでしたが、書店が生き残るためには、現在の正味体系を根本から変えない限り、書店の閉店は、止まらないと考えています。
この業界には、特権階級とも言える出版社、そして書店があります。
高正味の出版社もあれば、低正味で仕入れることができる書店も存在しています。
ビジネスをする上での不平等、差別を撤廃し、業界全体として、それぞれのプレイヤーが儲かる仕組みを再構築しない限り、書店の閉店に歯止めはかからないと思います。
この正味の話については、
第22回「本を売る」ことに魅せられて
でもふれていますので、ご一読いただけたら幸いです。
日本の書店の店舗数は、日本出版インフラセンターによると、下記の表のとおり、
10,918店舗です。(2024年3月現在)
この表から読みとれるのは、坪数別の書店のシェアです。
1-49坪が47.1%
50-99坪が15.4%
100-299坪が24.6%
300坪以上が12.9%(うち1000坪以上のシェアは、1.3%)
また坪数別の書店の減少は下記の表で、
10年前と比較しています。
10年前と比較した減少率は
1-49坪 32.3%減少
50-99坪 40.3%減少
100-299坪 31.9%減少
300坪以上 7.2%減少
そして、書店の新規店は、2022年より年間3桁を割っています。
年間、閉店する店舗数は、614ですから、1日平均で、1.68店舗が閉店している計算となります。
今日も、どこかで書店が消えているのです。
では解決の糸口は、あるのか!
僕は、正直なところ、業界内部からイノベーションは、起こらないと考えています。
既得権をもった出版社や書店が、自ら変わることは、ありません。
これは、ちょうど幕末の幕藩体制に準えます。
その江戸幕府は、どのように変わったか!
外圧です。
黒船来航、尊王攘夷、
坂本龍馬のような脱藩浪人の活躍があったからです。
僕は、ほんまるの棚主の中に、出版業界の外の人がいることに、大きな期待を寄せています。
イノベーションは、外からやってくる。
業界外の人たち、企業の力をお借りして、出版業界の変革に取り組むことが、僕の使命と考えています。
一緒にイノベーターになりませんか?
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この日、夕方
僕は大学卒業後、最初に働いた
明日香出版社に呼ばれて講演をしました。
明日香出版社で働いたのは、1988年〜1995年の約7年半。つまり、もう退職して29年になるのですが、こうして話をする機会をいただけて、ありがたいと思っています。
先代の社長のご子息である現社長の石野栄一さんは、人柄もよく、少数精鋭で働く社員をよくまとめています。
講演の演題は
約60分の講演と質疑応答
そして、懇親会。
営業部の関山 美保子さんをはじめ、僕のnoteを読んでいるという人もいました☺️
感謝!感謝!
ゴールデンウィーク前に出版した藤本 梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』が既に重版になっているとのことで、さっそく読みました!
僕のように講演など人前で話しをする人は、勿論ですが、すべてのビジネスパーソンが知っておくと役に立つ「話し方」の秘訣が満載の一冊です。
この本を教えてくれた編集の朝倉 優梨奈さん
ありがとうございました。
皆さま
ご一読をおすすめします。
つづく
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