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第9回 ほんまる神保町の棚主として

5月7日、ABEMA TVの番組「ABEMA Prime」で、ほんまる神保町が紹介されました。

同番組は、“紙の本”買わない時代の書店生存戦略 活路はどこに…というタイトルで、
夏野剛さん、箕輪厚介さんや佐賀之書店の本間悠さんも出演されました。

書店が1つもない“無書店自治体”が全国で27.7%にのぼるなか、齋藤健経済産業大臣の音頭で、経済産業省が支援に動き出し、書店経営者らと業界の課題や展望などの意見交換を試みた。

一方で、新たな手法を取り入れた書店が、“本の街”として知られる東京・神保町に生まれた。直木賞作家の今村翔吾さんが経営し、企業や個人が本棚を借りて、思い思いの本を販売するシェア型の店舗だ。減り続ける書店に、政府の支援は必要なのか。そもそも紙の本の行く末は――。『ABEMA Prime』では書店の未来を考えた。

国による支援をめぐっては、2024年3月5日に「書店振興プロジェクトチーム」が立ち上げられ、新たな支援策が検討されることとなった。4月17日に斎藤大臣が経営者らと意見交換したところ、補助金申請の手続きの簡素化やキャッシュレス決済の手数料負担が大きいなどの意見が上がった。齋藤大臣は「図書館、ウェブ、本屋、この3つが共存していく世界を目指したい」と語っていた。

 「佐賀之書店」店長の本間悠氏は「現状をなんとかしようと思ってくれているのは、素直にありがたくうれしい」と語る一方で、支援案としてカフェ経営やイベント開催が示されたことには「結局、本は売れないから、他で利益を出せと言っているのと等しい。それが推進されると、従来の“本だけを扱う書店”は残るのが難しいのではないか」と話す。

その上で、本間さんは、以下の提言をしていました。

では具体的に、どんな手段で書店は生き残るのか。本間氏はその策として、書店で選んだ書籍を電子で買う場合に、QRコードを読み込むなどで、書店にも紹介料が入る形にすることを挙げる。「電子書籍が売れた場合に、うちに少しでも手数料が入るようにならないか。現状はショールーム代わりで、『これよさそうだね。Amazonで買おうか』といった客の会話が聞こえてくる」。

 また、本を非課税にして、消費税10%分を書店の利益にすることや、出版業界内での書店の取り分を変えることなども効果的だと語る。現状では、本が売れても利益は2割にとどまり、万引きされれば、その5倍を売る必要がある。「他国では非課税や軽減税率の対象となる事例もある」と補足した。

番組の中では「書店員はAmazonを利用しないのか」や「リアル書店で本を買うのと、ネットで本を買うのと、どう違いがあるのか」など、意地悪な質問がありましたが、そもそもネットとリアルの違いが、わからない人に、その良さを伝えることは難しいですね。

人口の減少、高齢化のため、本屋が無くなった?!

夏野剛は、書店が消滅している自治体があると言うが、そもそも自治体そのものが消滅の危機にあり、限界集落について語りました。

箕輪厚介は、「(自分は)コミュニティに刺さる本を作っている」と言い、「出版社は、コンテンツを作るだけでなく、自ら動画もやる。イベントもやる。コミュニティをつくる。そこまで全部設計しなけらばならない。」と語り、
「便利さでは、テクノロジーに負けてしまう。本屋で、わざわざ買う!意味合いをつけるしかない。」という意見には賛同します。

なかなか面白い番組でした。

この討論を聞いて、僕の私見を述べておきたいと思います。

“紙の本”買わない時代の書店生存戦略 活路はどこに…というタイトルでしたが、書店が生き残るためには、現在の正味体系を根本から変えない限り、書店の閉店は、止まらないと考えています。

この業界には、特権階級とも言える出版社、そして書店があります。
高正味の出版社もあれば、低正味で仕入れることができる書店も存在しています。
ビジネスをする上での不平等、差別を撤廃し、業界全体として、それぞれのプレイヤーが儲かる仕組みを再構築しない限り、書店の閉店に歯止めはかからないと思います。

この正味の話については、
第22回「本を売る」ことに魅せられて 
でもふれていますので、ご一読いただけたら幸いです。

日本の書店の店舗数は、日本出版インフラセンターによると、下記の表のとおり、
10,918店舗です。(2024年3月現在)

この表から読みとれるのは、坪数別の書店のシェアです。
1-49坪が47.1%
50-99坪が15.4%
100-299坪が24.6%
300坪以上が12.9%(うち1000坪以上のシェアは、1.3%)

また坪数別の書店の減少は下記の表で、
10年前と比較しています。

10年前と比較した減少率は
1-49坪 32.3%減少
50-99坪 40.3%減少
100-299坪 31.9%減少
300坪以上 7.2%減少

そして、書店の新規店は、2022年より年間3桁を割っています。

年間、閉店する店舗数は、614ですから、1日平均で、1.68店舗が閉店している計算となります。

今日も、どこかで書店が消えているのです。

では解決の糸口は、あるのか!

僕は、正直なところ、業界内部からイノベーションは、起こらないと考えています。

既得権をもった出版社や書店が、自ら変わることは、ありません。

これは、ちょうど幕末の幕藩体制に準えます。
その江戸幕府は、どのように変わったか!

外圧です。

黒船来航、尊王攘夷、
坂本龍馬のような脱藩浪人の活躍があったからです。

僕は、ほんまるの棚主の中に、出版業界の外の人がいることに、大きな期待を寄せています。

イノベーションは、外からやってくる。

業界外の人たち、企業の力をお借りして、出版業界の変革に取り組むことが、僕の使命と考えています。

一緒にイノベーターになりませんか?

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この日、夕方
僕は大学卒業後、最初に働いた
明日香出版社に呼ばれて講演をしました。

明日香出版社で働いたのは、1988年〜1995年の約7年半。つまり、もう退職して29年になるのですが、こうして話をする機会をいただけて、ありがたいと思っています。

先代の社長のご子息である現社長の石野栄一さんは、人柄もよく、少数精鋭で働く社員をよくまとめています。

講演の演題は

約60分の講演と質疑応答
そして、懇親会。

営業部の関山 美保子さんをはじめ、僕のnoteを読んでいるという人もいました☺️
感謝!感謝!

ゴールデンウィーク前に出版した藤本 梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』が既に重版になっているとのことで、さっそく読みました!

僕のように講演など人前で話しをする人は、勿論ですが、すべてのビジネスパーソンが知っておくと役に立つ「話し方」の秘訣が満載の一冊です。

この本を教えてくれた編集の朝倉 優梨奈さん
ありがとうございました。

皆さま
ご一読をおすすめします。

つづく






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