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【全29本】2023年12月ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンだったアレコレ

12月1日(金)高井ゆと里氏ブログ「問われているのは、排除」

このブログ、一人でも多くの人に届け!私は高井氏が訳された「トランスジェンダー問題」も、共著の「トランスジェンダー入門」も拝読した。とても勉強になったし理解が進んだつもりだった。差別にも断固NOだけど、なんかモヤモヤが残った。でも、このブログで理解できた。私がモヤモヤしていたのは、トランスジェンダーに関してではなかった。”トランスジェンダーを排除しようとする人たち”を理解できなかったからだった。なんで排除する方向にいくのかわからん!と。「わたしはあなたとこの議論を共有できると信じています。」まさにこれ。だから多くの人に読んでほしいと思う。私もきっと、今後もたびたび読み返すと思う。


12月4日(月)Spotlite「視覚障害者が食事をするときの工夫は?クロックポジションや声のかけ方などをご紹介」

この記事、すっごく勉強になった。言われてみればそうだけど、言われないと分からないことだらけ。だからこそ「視覚に障害のある人のことを知ることから」なんだね。このサイトはこれから全記事読もうと思う。あと、写真が素敵。だけでなくフォントも読みやすい。アクセスビリティへの配慮をきちんとすると、誰にでも見やすいサイトになる好例。


12月5日(火)Spotlite「視覚障害者の誘導方法はどうすればいい?場面別の対応も解説」

いやー、この記事も学ぶところ多々。基本姿勢や声の掛け方から丹念に解説。昔、駅で見かけたことがある。ホームで電車を待っていた視覚障害のある人の肘を、中年の男性がいきなりつかんだんだ。彼としては助けなきゃ、と思ったんだろうけど、怒られてた。触るな、と。やぶからぼうに掴まれたら、そりゃそうなるよね。よかれと思っても、無礼になることもある。やっぱりコミュニケーションは大事だし、丁寧に、だよね。


12月6日(水)THEATRE for ALL「【100の回路】全盲のフィールドワーカー広瀬さんに聞く「無視覚流」のすすめ」

全盲のフィールドワーカー広瀬氏へのインタビュー。この記事、めちゃくちゃ面白かった。ユニバーサルデザインについて、副音声について。視覚に障害のある方がダンスを楽しむこととは?などなど。とても興味深い話ばかり。ドラマ『相棒』の副音声がよくできてるらしい。へー。広瀬氏の肩書き「座頭市流フィールドワーカー」めちゃかっこいい。


12月6日(水)Spotlite「初めてのボート体験。同行援護で、視覚障害者でも安心して楽しめました」

視覚障害のある方の、ボート漕ぎ初体験のレポート。読んでて勝手にドキドキ。でも、楽しかったみたい。視覚に障害がありながら、ボートが曲がっていることが全身の感覚でわかる。すごいな。


12月8日(金)アフター6ジャンクション2「特集:2023年、我々が一番すごいと思ったゲームはこれだ!アトロク2 Presents 2023年ベストゲーム特集【Day1】」

この回、とても面白かった。とくに、全盲のバイオリニストでゲーマーの白井祟陽さんのプレゼン。アクセスビリティに優れたゲームについて。ライターのノイ村さんのプレゼンも。ジェンダーやセクシュアリティに十全な配慮をして、生き方を尊重したゲームについて。しかも、べらぼうに面白いと。全体的に、ダイバーシティな内容だったな。聞き応えが5億点。

12月8日(金)BUSINESS INSIDER JAPAN「ゼクシィ、同性カップルを初めて広告起用。創刊30年、渋谷駅に大型看板」

当事者からは非難もあるみたいだし。いろんな思惑も感じるし。とはいえ、一応結婚業界のオピニオンリーダー的な企業が動くというのは、悪い話でもないし。いろいろ思ったことはあるけれど、最初に沸いた感想は「遅ぇよ」だった。


12月11日(月)荻上チキ・Session「はるな愛さん「こども食堂を開いてみてわかったこと」【Yahoo!ニュース voice in session】」

昼から泣けた。仕事中に聴いてるんだけど、泣けた。ゲストははるな愛さん。困窮していた幼少期について。自身のセクシュアリティに悩んだ時期について。子ども食堂を開設してみて。あの世田谷区でも困窮世帯は多いらしい。いろんな大切なことが詰まってる15分だった。

12月11日(月)荻上チキ・Session「トランスジェンダー差別を煽動との批判が相次いだ書籍の刊行中止(高井ゆと里)」

SNSを見てるだけだと全容が見えてこなかったんだけど、この回でやっと理解できたわ。


12月12日(火)カンパラプレス「魅せるパラ・パワーリフティング大会が築地本願寺で開催!」

この大会、観にいきたかったんだよな。なかなかないよ、築地本願寺でパワーリフティング見れるの。それにしてもカンパラプレスの越智貴雄さんの写真は、やっぱりいつもいい。

12月12日(火)背景HIPHOP「保育園に子供を預けてる間にラップを録る。密着「保育園神」十影&FRANKEN」

いろんな家族の形があるけど、悲しくないのに泣けた。保育士さんへの大きな敬意と感謝。社会への問題提起。心があったまってしかも社会派の動画。全国の保護者と保育士さんに届いてほしい動画。俺もこの前、娘が卒園した保育園の保育士さんを招いてありがとう飲み会したよ。トカバナナ原宿で飲んだことあるけど、すげー美味しいの。十影さんマジでかっこいい。頑張って。頑張りすぎないで。俺もこの動画で頑張れる。今度から服はLDK。親と、親から生まれた人は、全員見ろ。観終わって、我が娘を抱きしめたよ。もうね、いろんなこと大きな声で言いたくなる動画。


12月13日(水)アジアン・ドキュメンタリーズの配信映画「アウト・ラン 走れ!LGBT政党」

2013年当時、世界で唯一だったフィリピンのLGBT政党「ラドラド」。「性的マイノリティに人権を!」をスローガンに、キリスト教が主流の同国で議席獲得を目指すドキュメンタリー。めっちゃくちゃ面白かった。そんでめちゃくちゃカッコいいんだ。タフで、スマートで、笑いを忘れない。差別のあり様はどの国も似ているのかもしれない。戦い方は国の数だけあるのかもしれない。いや、似ているのかも。とても考えさせられた。

12月13日(水)アフター6ジャンクション2「ちょっとクィアなカルチャーニュースガイド。クィア視点で選ぶ『このエンタメがよかった!2023特集』by鈴木みのり」

カルチャー大事。今年はほとんどドラマとか見れなかったから、とっても面白く聴けたわ。


12月14日(木)カンパラプレス「視覚障害を可視化する「VISIONGRAM」で、パラ柔道の関心を高める!」

VISIONGRAM、気になってる。いつかどこかの会場で体験してみたい。


12月15日(金)アジアン・ドキュメンタリーズの配信映画「精神病棟のプロポーズ」

テヘランの精神病院で行われた「結婚プロジェクト」のドキュメント。患者同士の結婚をケアにつなげる試み。でも結婚によるストレスは病状悪化の可能性も。んー医師らはいたって真面目で誠実で一所懸命。でも、なんかいろんな意味で問題だらけな気がする。イランの結婚観という文化の違いもあるんだろうけど。人権ってなんだろうって考え込んでしまった。


12月17日(日)早稲田大学韓国学研究所「新しい日韓スタディーズを目指して〜リリース〜」

在日コリアン2.5世のラッパーFUNIさんと、京都で在日コリアンが最も多く住む東九条という地で日本人として生まれ育ち、今は九条劇を主宰する浜辺ふうさん。この二人芝居を見に早稲田大へ。最高だった。ラップでお互いを演じ合うことでルーツを擬似交換し、マイノリティ性や差別について考える試み。他者理解というHIPHOPの真髄を目の当たりにした。なんと終幕後にはFUNIさんの母上が手作り弁当を配ってくれて。これが美味しくて。海苔のおまけ付き。お二人とFUNIさんご家族に、感謝とNuffRespectを。


12月18日(月)Eテレ「ハートネットTV ドラマ「デフ・ヴォイス」舞台裏に密着」

ろう者20人が当事者として出演。そのドラマの現場に密着。ヤバい。この現場だけでも見応えすごい。ろう者と聴者がともに何かを、しかも大規模なものをつくりあげる過程に、いろんな知恵とか、今後の示唆がある気がする。これ、ドラマ作りだけじゃなくて、いろんな現場で活かせることがたくさんあるんじゃないかな。企業とか学校とかでも。なんでNHKが放送に先駆けてメイキングを放送したか、わかった気がするよ。

EテレハートネットTV ドラマデフ・ヴォイス舞台裏に密着へのリンク

12月19日(火)NHK「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士〜前編〜」

企画から3年以上の歳月をかけ完成。ろう者・難聴者・コーダ(CODA)の当事者20人が出演。このドラマはすごかった。演技がエグい。もちろんいい意味で。ワークショップでお世話になったエノさんこと榎本トオルさんも出てたし。なにより菅原役の那須英彰さんがすごすぎた。サイトの出演者コメントも深い内容で必見。とにかく素晴らしいドラマだった。


12月20日(水)こここ「「合理的配慮」は「ずるい」「わがまま」なのか? インクルージョン研究者 野口晃菜さんによる解説」

合理的配慮とは何か?をわかりやすく解説した良記事。ほんとうにこの記事の通りだと思う。他人が困っているのを「勝手だ」「わがまま」「かまってちゃん」って言い捨てる人いるよね。でもそういう人こそ、それまで自分の困りごとに配慮されてこなかったんじゃないかな。先輩や上司に「知らねーよ」「成長の機会だ」とか言われて。あと、あっちの合理性とこっちの合理性、衝突した時どうするか。努力原理主義者・自己責任至上主義者って、話が通じないんだよな。最後は結局「じゃぁお前やればいいじゃん」になるから。どうするべ。


12月21日(木)THEATRE for ALL「【100の回路】バリアフリー演劇結社ばっかりばっかりが考える、演者にも観客にもバリアフリーな演劇のつくり方」

エンターテイメントと福祉の関係だけでなく、障害の本質的なところまで突いた記事だった。示唆ありまくり。含蓄ありまくり。この劇団の舞台、とても観たくなった。朗読劇もやってるみたいだから、まずはそこからだな。それにしても素敵なご夫婦。


2023年12月22日(金)Spotlight「同行援護中に、視覚障害者の避難シミュレーションゲームを見つけました」

うわ!このゲーム、ぜひやりたい。どうやら子ども向けみたいだけど、親子でトライしたい。秋に家族で福島に行って、いろんな震災関係の施設に行ったんだけど、障害のある人の避難について、やっぱいろいろ思いを巡らしていた。こういう体験は本当に大切。次はどこでできるんだろう。イベントで見つけたら、ぜったい体験しよう。


12月24日(日)NHK「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士〜後編〜」

後半は打って変わってサスペンスドラマの趣。人間の醜さや悲しみも。重かった。かなりトンデモな設定と展開だけど、最後まで観れるのは演技がすごいから。とくにろう者俳優のみなさん。さすがの一言。ほれぼれ。

12月24日(日)アフター6ジャンクション「特集:ディズニー ウィッシュ=願いとは何だったのか?by荻上チキさん」

面白かったー。ディズニー映画において、いろいろなマイノリティについて、これからの少数者性について、整理して解説。この年末年始で「ウィッシュ」を娘と観に行こうと思ってたから、映画が楽しみになった。書籍化してくれないかなー。

12月24日(日)Get in touchイベント「妖怪まぜこぜXmas」

行ってきた。クリスマスの日比谷は素敵な雰囲気だったんだけど、このイベントも面白かった。妖怪ってとこが子どもも大人も親しめていい。娘と行って、多様性について話をしてみたよ。来年6月の舞台見に行きたいな。

ゲットインタッチのイベントまぜこぜ妖怪クリスマスのクリスマスツリー。緑色に輝いている

12月25日(月)アジアン・ドキュメンタリーズの配信映画「GOSPEL」

宗教音楽や黒人音楽としてのゴスペルと、ジャンルとして楽しむゴスペル。キリスト教徒じゃないのにゴスペル歌うの?という違和感に直接向き合った作品。作中にはいろんな考え方、スタンスの人がいて、文化というものについて考えさせられた。もちろんゴスペルの背景にある意味や歴史についての学習と理解、愛と敬意は絶対必須。それがなきゃ文化泥棒だよ。でもそれさえあれば、キリスト教徒じゃなくたって高らかに歌っていいんじゃないかな。だって、キリスト教徒も非キリスト教徒も音楽で通じ合えるから。そこに神様は宿ってる。キリスト教徒じゃないとゴスペル歌っちゃダメなんて、そんなケチくさいこときっと神様は言わないよ。


12月26日(火)Spotlite「タッチパネルが視覚障害者の新たな障壁に。「暗証番号が入力できず、買い物を諦めることも」」

視覚に障害のある知人も「タッチパネルしんどいわ」と言ってた。酔っ払っちゃうとさらに使いづらいらしく。操作が億劫→一気にオーダー→ガンガン飲む→酔っ払う→ますます操作が億劫に→一気にオーダー、という無限ループらしい。触覚情報も備えたタッチパネルって開発されないのかね。


12月27日(水)荻上チキ・Session「【特集】社会をどう設計していくか?貧困の実情と課題(今井紀明x永井悠大x石川えり)」

貧困。とくに子どもの貧困。この話題を耳にすると、いろんなことが頭をよぎり、しんどい気分になる。10代の頃のこととか。今日までに出会った子たちのこととか。自分が親になって、ますます思うところが増えた。自分はただ運が良かっただけ。だから毎年ごく少額だけど寄付は続けてる。


12月28日(木)アジアン・ドキュメンタリーズの配信映画「美容室」

イスラエルの小さな美容室。お客であるアラブ人やユダヤ人を洗髪しながら、そのおしゃべりを撮った作品。政治、生活、信仰、差別、愛について語られる女性たちの本音。ニュースじゃわからなかったけど、彼女たちの話からイスラエルの複雑さが少し垣間見えた気がする。映画の最後「きこえてきたのは女性同士の友情や信頼だった」というフレーズに希望を感じた。人間はきっと国よりも賢い。そう信じずにはいられない。

12月28日(木)朱喜哲著「公正(フェアネス)を乗りこなす」(太郎次郎社エディタス)

多様性について、言語哲学からアプローチした一冊。これ読んでマジでよかった。個人として考えている「善いこと」と「正義」をわけて考え、使い分けること。「正義」は合意に似ていて、そのためには会話を止めないこと。会話を止めないためには、「公正」が前提になること。そして、会話に入れていない人がいることを忘れずに、その会話にならない声に耳を澄まし、を排除しないこと。言うのは簡単だけど、哲学的に、論理的には、できる。あとは実践。私はそんな風に読んだ。言うまでもなく深く読めることは間違いない。今年を締めくくるにあたって、ありがたい本だった。

朱喜哲著 公正(フェアネス)を乗りこなす 太郎次郎社エディタス刊の表紙


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