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【全32本】2024年1月ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンだったアレコレ

1月2日(火)映画「こちらあみ子」

ちょっとだけ他の人と違ってて、他人の気持ちを想像することが苦手なあみ子の物語。彼女をやれ発達障害だの学習障害だのと断定するのは、映画の本質を外した見方な気がする。優しさとは。それが伝わり合わない時、人はどうやってともに生きていくのか。それが子どもだったら?それを問う作品。あのエンディングがバッドなのかビターなのか、はたまたそれ以外なのか。その評価って、評価する人となりを強く反映する気がする。


1月3日(水)映画「マイ・エレメント」

娘と一緒に観て。同じ日に見た「ウィッシュ」よりも食いついてた。私もこの「マイ・エレメント」の方が好き。素敵な作品だった。移民や人種。世代を跨いだ親子の生き方についての相剋。経済格差。そしてロマンス。昔のガールフレンドが、主人公のエンバーによく似てたってことは、娘には内緒。


1月4日(木)Eテレ「手話劇!夏の夜の夢」

とても感動したNHKのドラマ「デフ・ヴォイス」から間を置かずにO.Aされたドラマ。ろう者と聴者による、手話と日本語ごっちでも楽しめるシェイクスピア劇。とのことだったんだけど、シェイクスピアはよくわからない。これまで何度かトライしてるんだけど、やっぱりわからない。でも劇中の第一言語に手話を使うというのは、素晴らしいことだと思う、


1月5日(金)Spotlight「視覚障害者の友達が、突然一人暮らしを始めました。」

視覚に障害のあるゴールボール日本代表選手が一人暮らしを始めた、という数年前の記事。青年が一人暮らしを始めた当初の怒涛の無掃除状態から、部屋をきれいにしていくまでのBefore/Afterをレポートしている。私は部屋が汚い。だから彼の気持ちはわかる。視覚に障害があるなら、部屋の掃除は輪をかけて大変だろうと思う。私の知人の家は、本当に綺麗だった。いわく「無くしたら最後だから、決まったところに決まったものを置いてる」とのこと。そうはいっても、散らかってないばかりでなく、汚れもなかったのはすごいなと思った記憶が蘇った。


1月7日(日)映画「福田村事件」

強烈だった。関東大震災後、千葉県・福田村で起きた事件を描いた作品。朝鮮人虐殺に関するもの。そこに被差別部落の問題が重なってくる。「九月、東京の路上で」と「それは丘の上からはじまった」を読んでいたので前知識はあったものの、目を覆うとはまさにこのこと。役者陣の演技は素晴らしいを超えて壮絶。いつか子どもと観ようと思う。


1月9日(火)こここ「“障害”ってそもそも何だろう? 困難の原因を「社会モデル」から考える——バリアフリー研究者・星加良司さん」

障害学における「社会モデル」の歴史をわかりやすく説明してくれている良記事。社会モデルはあくまでメカニズムを知るための理論。今年は障害者差別解消法が改正されて事業者も合理的配慮が義務になるし。まして震災があった今だからこそ、あらためて勉強になった。


1月10日(水)カンパラプレス「パラアスリートを撮影できるチャンス!新宿でワークショップ開催」

2024年1月13日(土)、注目のパラアスリート2名をモデルに撮影ワークショップが開催されるとのこと。パラアスリートを撮影する際の極意やレクチャー、本格照明を使用したポートレート撮影のデモンストレーション、ファッションショー形式でランウェイを歩くパラアスリートを参加者全員で写真撮影するというプログラム。すごいイベントだな。


1月11日(木)NHKハートネット「【特集】首都直下地震が起きたら(4)誰も取り残さない防災」

インクルーシブ防災。スフィア基準。災害時のケアプラン。こうやって大きな地震があってから、改めてその意味や重要性を思い返すことばかり。俺は平時に何をやってたんだ。被害にあわずに済んだからって、自責の念が消えるわけじゃない。


1月12日(金)こここ「差別や人権の問題を「個人の心の持ち方」に負わせすぎなのかもしれない。 「マジョリティの特権を可視化する」イベントレポート」

この記事、パンチラインの連続。読み飛ばす部分が一文もない。「良識や公正意識が大事」って上層部に進言したことがあるんだけど、社長や役員からは「正義の反対はまた別の正義」「それだとうちの会社では生きづらいよ」と、バカの思考停止で返ってきたのが2年前。で、先日の仕事始めで「これからの会社には正義を考える社員が必要です!」「これからはDEIだ!」とか手のひら返してた。マイノリティに配慮すべきだと思ってるマジョリティは、いつも変人扱いだ。ほんと疲れる。この記事によれば俺はド・マジョリティなんだけど、この生きづらさはなんだよ。

1月13日(土)Spotlight「「人生で今が一番幸せ」全盲の画家、オバケのタムタムさんに聞く」

全盲の画家さんのインタビュー。創作というものが、どれだけ生き方の本質に触れてるのか。それが重くなく、あくまで軽やかに伝わってくる良記事。なによりタムタムさんの作品が欲しくなった。次のTシャツはオンラインショップで買おうかな。


1月13日(土)トカバナナ

ラッパーの十影さんのトカバナナを飲みに砂町銀座のSpicafe へ。美味だった。とくにごまきなこ味。1月はバナナジュースの売上が地震へ寄付とのことで。その日は輪入道さんもいてご両方とも優しく、怖がりな娘もニコニコ。いろんな子がいて騒ぎまくってたけど、とにかくピースな雰囲気。Peace,Love,Unity,and Having funな空間だった。キッズフレンドリーなお店だったのでHIPHOP好きな保護者にお勧め。ご親切にも傘をお借りしたので、娘が「また来る!」と。うん、またお邪魔しよ。

トカバナナのバナナジュース

1月14日(日)Netflix「トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして」

ようやく観れた。トランスジェンダーの表象に関する問題点の総ざらい的な。あれ?いつの作品だっけ?と思ったら4年前だった。まったく古い印象がない。それだけ社会が進んでない証拠。なんだかなぁ。


1月15日(月)東京新聞「「うそをついて生きたくなかった」 同性カップルの日常を動画配信する 「元警察官と元消防士」の退職理由」

当たり前にいて、幸せになるのが当たり前な二人なのに、心身こわすほど生きづらい世の中って、ほんとうは”一億総生きづらいかも社会”なんじゃないのかな。この「男社会=バカマチズモ」みたいな言い方も、早く時代遅れになるといいな。そうじゃない男社会もあるよ。


1月15日(月)マッハスピード豪速球・さかまきの新刊「お尻ふきます!!」

原作さかまき、作画倉田真由美の介護マンガ。マッハスピード豪速球というコントコンビが大好きで、長年のファンなんだけど。その一人が原作。メッチャクチャ面白かった。前著も良かったけどこっちも最高。誰もが関係する介護というとのに関心が向くのはもちろんだけど、それだけじゃなくて。人の多様さとか生きることの豊かさも描かれてる気がする。ちゃんと笑えたし。続編刊行を切望。

書籍おしりふきます表紙

1月16日(火)NHKハートネット「ろうの若者たちと旧優生保護法」

障害のある人への強制的な不妊手術を行うことを認めていた旧優生保護法。被害者は約2万5000人にも上り、38人が国に謝罪と賠償を求めて裁判中。その被害者たちを支援する、ろう者やCODAの若者たちのインタビューなど。国が悪法を作ること。親が家庭内で障害のある我が子に妊娠させないようにすること。この国と個人の間をつなぐ何かが薄気味悪くて、邪悪な気がする。優生思想が間違ってると言えるようになったのは、きっとここ最近なんだろう。


1月16日(火)映画「FLEE」

2022年アカデミー賞3部門ノミネートほか、世界で84受賞138ノミネーションを手にしたアニメーション・ドキュメンタリー。命をかけたアフガニスタンからの難民でありゲイでもあることの、幾重にも重なった苦難や苦悩について。人生が過酷すぎて、観てる間ずっと口に手を当ててた。その分、佳境の救いと癒やしがものすごい。俺はU-NEXTで観たけどアマプラでも観られるみたい。今さらながら、ぜひいろんな人に観てほしい映画。義務教育に組み込むとかね。


1月17日(水)映画「ミッション・ジョイ」

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と、アパルトヘイト撤廃指導者の一人であるデズモンド・ツツ大主教。2人のノーベル平和賞受賞者による対談。これはヤバいに決まってる。金言だらけ。沁みまくり。たとえば「慈悲だけのこと考えてても腹は膨れない」「許すってのは忘れるってことじゃない。怒りや恨みを抑え込むことだ。だから許すとは強さだ。許すことを弱さだという奴は、誰かを許そうとしたことがない奴だ」。リアルで実践的。他にも覚えられないほど心に残ったパンチラインだらけ。しかもこの二人、親友同士なの。それもビジネス親友じゃなくて、ほんとに友だち。映画ののっけから、ふざけまくりのじゃれあいまくり。インタビュアーの表情が凍るほど。オチャメじいさまのじゃれあいが素敵すぎた。原作買おう。


1月18日(木)パラちゃんねるカフェ「生きづらさの原因がようやく判明…まさか私が「複雑性PTSD」だなんて」

この記事、他人事じゃないと思った。記事の最後に「私の体験がより心が楽になる治療を求めるきっかけのひとつになれば嬉しい」とあり。私も週明けに心療内科を予約している。生まれて初めてで、なんともいえない怖さがあったけど。この記事を読んで、少し落ち着いた。これも一つのきっかけなんだろう。ありがたかった。


1月18日(木)映画「マグニフィセント・セブン」

肌の色、国籍、宗教、民族。バラバラな七人がかっこいいことかっこいいこと。ただ。これだけ現実世界で戦争が起きると、なんか素直に「楽しかった!」って大声でいう気になれないんだよな。


1月19日(金)渋谷ジェンダー映画祭2024

渋谷区が主催。子育て中の同性カップルのみなさんが登壇して、国内のパートナーシップ制度や、海外の同性婚制度についてトークセッション。日本の制度の不足点などについて語っていた。いろんな家族がいる。それが当たり前になるってことは、家族はこうあるべし、という呪いから解放されて、生きやすくなる人もいるはず。だから同性婚は、当事者だけの話じゃないよ。そんな内容だった。登壇した副区長の「個人的には、結婚は行政がどうこう口出しするものじゃないと思っている」というぶっちゃけコメントがとても好きだった。この風通しの良さが、今の渋谷区の美風なんじゃないかな。

渋谷ジェンダー映画祭でのトークセッションの様子。

で、そこで観たのが映画「ジェンダー・マリアージュ」。2015年6月、全州で同性婚が容認されたアメリカ。カリフォルニア州での訴訟から始まった、そこに至るまでの約5年間にわたるドキュメンタリー。ヒューマンドラマかと思ったら、ゴリゴリの法廷モノだった。登場人物はみんなキャラ立ってるし、綺麗事じゃないリアルな現場も記録されている。この映画は、マジですごい。アメリカ最高裁が同性婚を認めた決め手は「同性婚によって誰も損害を受けないから」だった。だよね。日本でも早く同性婚が認められるといいのに。


1月20日(土)チャレスポ!TOKYO

今年も行った。あいにくの雨ということもあり、残念ながら客足は少なかった。せっかく有名パラリンピアンもたくさんいて、パラ競技を一緒に体験できたのに。あと、各競技ブースは、初めての人が体験してみようと思えるような工夫がもう少しあってもよかったのでは。単に「体験できます」だけでは、お客は集まらないのでは。今年はパリ・パラもあるから、パラスポーツがもっと盛り上がるとイイね。

チャレスポ東京の会場の様子。東京体育館。客はまばら

1月20日(土)映画「ジャンプ、ダーリン」

俳優から転身し、ドラァグクイーンの世界へ足を踏み入れた青年と、どこか自由で、自分の生き方をしっかり持ってるおばあちゃんが、一緒に暮らすことに。はてさて、ふたりはこれからどんな人生を歩むのか。ドラァグ・クイーンとしてのパフォーマンスシーンが良かった。あと、パンクなばあちゃん最高。


1月22日(月)TBS NEWS DIG「【ボッチャ日本選手権】廣瀬隆喜 パリパラリンピック代表内定!東京パラ金の杉村英孝を下す」

ジャックボールにピタリと寄せるスーパーショット。これ、朝のニュース番組で見て、鳥肌立ってた。いよいよパリ・パラが近づいてきた感じがヒシヒシと。


1月23日(火)東海林毅氏YouTube「なぜトランス役は当事者の俳優になのか〜日本語字幕入り(30分)〜」

これメチャクチャ勉強になった。なぜ「トランスジェンダー役は当事者に」という主張をするのか、へのアンサー。理路整然で明快。しかし理屈だけじゃなくて、人間理解がそこある。とてもフェアだなという印象だった。「トランスジェンダー役は当事者の役者さんが演じるべき。そうだよね」としか考えてなかった自分が恥ずかしい。目から鱗が滝のように落ちたわ。今後映画を見るときの視点が、ひとつ増えたよ。


1月24日(水)Tokyo Borderless TV「新根室プロレス物語 オッサンタイガー インタビュー」

新根室プロレス物語、観たいと思いつつまだ見れてなくて。とりあえずインタビュー動画観たら、まさかの泣けた。悲しみとおかしみとプロレス愛。ダイバーシティ的な視点も。もう最高。最高といえばこのサイトもなんか好き。着眼点とか佇まいとか。昔、西新宿8丁目に住んでたからご近所さんだったんだね。かつての新宿のサブカルな自由さ、そこはかとない哀愁、優しさ。そこからくる居心地の良さを感じるんだよな。


1月25日(木)「紅桜 prod. by OLIVE OIL|Red Bull 64 Bars」

いやーやっぱいいわ。紅桜さん。めっちゃくちゃ歌うまいし。この人の喉には、ほんとうに聞き惚れる。リリックかっこいいし。氏はエノックリン出身と歌ってる。俺は彼にダイバーシティを感じる。ヒップホップ流のダイバーシティを。3月の映画たのしみ。ぜったい行く。


1月26日(金)生活ニュースコモンズ「「せんそうはんたい」 川崎・桜本に生きるハルモニたちの思いを歴史とともに語る映画「アリラン ラプソディ」|」

この記事、とっても素敵だった。クソ真夜中に読んだけど和んだし、大切なことを教わったよ。この映画、観ればよかった。。。


1月27日(土)セクシュアル・マイノリティフォーラム「本当に大切なことを話そう~共に生きるトランスジェンダー」

高井ゆと里先生の講演に行ってきた。いやー勉強になりまくり。最新のトランスジェンダーの定義案とか、未来について考えるための4つのアプローチとか、公的調査の状況とかとか。間に挟まるコメントもパンチラインだらけ。自分の頭をかなりアップデートできた気がする。4月までに新著が3冊出るみたい。読むのが楽しみ。


1月28日(日)某所のこども食堂

知り合いがやっているというこども食堂へ。これはこの日のメニュー・ビーフライス。来てた人もたくさんいたし、いろんな人がいた。シングルママ。子だくさん。障害のある子。兄弟だけで来てる子。もちろん家族総出で、というお宅も。家族のかたちは本当さまざま。みんな隣で生きてる。もっといろんな人がいるって、忘れちゃだめだよね。本当。

1月29日(月)マイカ・ラジャノフなど著「ノンバイナリー〜30人が語るジェンダーとアイデンティティ〜」(明石書店)

タイトルの通り、ジェンダーとアイデンティティについて、ノンバイナリー(男女二元論の両方あるいはどちらでもないところに自己認識がある皆さん)の30名が寄稿した本。ほんとにいろんな人がいるし、いろんな人生がある。当たり前だけど。そうなると性のあり方もその人の数だけあっておかしくない。この本読むと、それがありありと分かる。正直、ノンバイナリーの人たちの苦しみは想像しきれない。でも、それがある、意外と近いところにあるかもしれない、ということは、よーっくわかった。知らないことと、ないことは違うのだ。その知識と想像力はずっともってたい。最後の寄稿者紹介の一覧まで読み応えあり。

書籍ノンバイナリーの表紙

1月30日(火)女性自身「ダウン症の俳優・吉田葵(17) 「七実ちゃんが言えなかった」プロのダウン症俳優が生まれた瞬間」

当事者役は当事者が。言うのは簡単だけど、現場ではこれまで以上の、あるいはこれまでなかった労力がかかるだろう。でもかけるとなにか新しい地平が開ける労力というのもあって。それはもはや労力とかじゃなく、何か新たな創造作業なんじゃないか。人前に出るお仕事は、こうやって当事者のポテンシャルを示せる大きな可能性があるよね。こういうことにリソースを割ける作品こそ観たいと思う。


1月31日(水)バリアフリープロレスHERO公式チャンネル「バリアフリープロレスHEROとは?」

聴覚障害のある人のために、リングの四方や売店、受付に手話通訳者。会場の大型スクリーン映像は完全字幕付き。レスラーにはろう者もいる。視覚障害のある人のために選手の筋肉やマスクに触れたり、リングに上がってマットの感触を確かめられるコーナーを用意。無料貸し出しラジオで実況解説。車いすユーザーには、バリアフリーに配慮した会場づくりと最寄駅からのサポートを。シティライツをはじめとした専門団体も協力。会場だけではなくて、YouTube公式チャンネルには「プロレス手話部」とか「ろうを生きる難聴を生きる」という動画リストも。しかも、プロレス自体のレベルも高そう。それがバリアフリープロレス「HERO」。近所のお店の店先にポスターが貼ってあって。ずっと気になってる。毎月〜隔月で大会やってるから、近いうちに観に行こうっと。



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