米国初の商業規模 洋上風力発電所Vineyard wind1は、13MW×62基 離岸距離24km。日本の13MW×65基(由利本荘)は2km足らず。          6MW×5基を5km沖、3MW×100基を11km沖でも沿岸住民との紛争があり、風車の夜間停止等がおこなわれている。

この映像をごらん下さい。

Vineyard Wind 1 は米国初の商業規模の洋上風力発電所であり、マサチューセッツ州マーサズ・ヴィニヤード島の南約15マイル(約24キロメートル)の海上に位置しています。

ineyard Wind 1 に設置されている風力タービンは、GE Renewable Energy製のHaliade-X 13 MWで、1基あたりの出力は13 MWです。全部で62基の風力タービンが設置されています。
Vineyard Wind 1 のような24キロメートル程度の離岸距離は、現在の洋上風力発電プロジェクトでは比較的標準的な距離と言えます。

ただし、最適な離岸距離は、以下のような様々な要因によって変化します。

  • 環境への影響: 景観への影響や騒音などを考慮し、一定の距離を確保する必要があります。

  • 技術的な制約: 水深や海底の地質などによって、設置可能な風車の種類や基礎構造が異なり、離岸距離に影響します。

  • 法規制: 各国の法規制や地域ごとのゾーニングによって、設置可能なエリアや離岸距離が制限される場合があります。

近年では、風力タービン技術の進歩により、より大型で高出力の風車が開発されており、より遠くの海域に設置する傾向が見られます。

この13MW風車を秋田県由利本荘市や山形県遊佐町離岸距離に2kmに建設というのはどう思いますか?

13MWの風車を離岸距離2kmに設置することについては、いくつかの懸念点があります。

  1. 騒音問題: 風力タービンの騒音は、風速やタービンの種類、地形などによって異なりますが、一般的に出力が高いほど騒音も大きくなる傾向があります。13MWという大出力の風車を2kmという近距離に設置すると、騒音が周辺住民の生活環境に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、風向きによっては騒音が住宅地に直接届くこともあり、睡眠障害や健康被害を引き起こす恐れも指摘されています。

  2. 景観への影響: 風力タービンは、その大きさや形状から景観に大きな影響を与えます。特に、海岸線に近い場所に設置する場合、美しい自然景観を損なう可能性があります。また、夜間には航空障害灯の点滅が景観を損ねるという意見もあります。

  3. 生態系への影響: 風力タービンは、鳥類やコウモリなどの野生動物に衝突する事故を引き起こす可能性があります。特に、渡り鳥の飛行ルート上や重要な生息地に近い場所に設置する場合、生態系への影響が懸念されます。

  4. 漁業への影響: 風力発電施設の建設や運用は、漁業活動に影響を与える可能性があります。例えば、漁船の航行や漁具の設置に制限が生じたり、騒音や振動が魚類の行動に影響を与える可能性があります。

これらの懸念点から、13MWの風車を離岸距離2kmに設置することは、慎重に検討する必要があると考えられます。環境影響評価や地域住民との合意形成を十分に行い、騒音対策や景観への配慮、生態系への影響を最小限に抑える対策を講じることが重要です。

また、風力発電の導入にあたっては、地域住民の理解と協力が不可欠です。住民説明会などを開催し、風力発電のメリットやデメリット、環境への影響などについて丁寧に説明し、住民の意見を十分に聴取することが重要です。

遊佐のコンター 国会6/4 参議院環境委員会 提出資料

洋上風力発電の騒音に関する訴訟事例は

まだ陸上の風力発電ほど多くはありませんが、イギリスと米国でいくつかの事例が報告されています。


米国:

  • Cape Wind: マサチューセッツ州ケープコッド沖に計画されていたCape Windプロジェクトは、景観や環境への影響、そして騒音への懸念から、長年にわたる反対運動に直面しました。騒音に関する訴訟は起こりませんでしたが、反対運動の圧力により、プロジェクトは最終的に中止されました。

  • Block Island Wind Farm: ロードアイランド州沖に建設されたBlock Island Wind Farmは、米国初の商業規模の洋上風力発電所ですが、稼働後に一部の住民から騒音に関する苦情が寄せられました。事業者は、風車の運転方法を調整することで対応しましたが、騒音問題が完全に解決したわけではありません。
    Block Island Wind Farmでの騒音に関する苦情を受けて、事業者であるDeepwater Wind(現在はØrstedに買収)が行った風車の運転方法の調整は、主に以下の2点です。

    1. 特定の時間帯における風車の停止: 騒音の苦情が特に多かった夜間や早朝など、特定の時間帯に風車を一時的に停止させる措置が取られました。これにより、住民の生活環境への影響を軽減することができました。

    2. 風車の回転速度の調整: 風車の回転速度を調整することで、騒音レベルを低減させる試みが行われました。風速や風向きに応じて、最適な回転速度を設定することで、騒音の発生を抑制することができました。

これらの対策は、風力発電所の出力低下を招く可能性がありますが、住民からの苦情に対応し、社会的な合意を形成するために必要な措置として実施されました。

しかし、これらの対策が騒音問題を完全に解決したわけではなく、一部の住民からは依然として騒音への不満の声が上がっています。洋上風力発電の騒音問題は、技術的な課題だけでなく、住民とのコミュニケーションや合意形成という社会的な課題も抱えていることを示しています。

  • Block Island Wind Farm に設置されている風力タービンは、GE Renewable Energy製のHaliade 150-6MWで、1基あたりの出力は6MWです。全部で5基の風力タービンが設置されています。

    1. Block Island Wind Farm はロードアイランド州ブロックアイランドの沖合約5kmに位置しています。


Block Island Wind Farm 6MW ×5 島より5km

イギリス:

  • Thanet Offshore Wind Farm: 2011年、イングランド南東部のケント州に建設されたThanet Offshore Wind Farmに対して、周辺住民が騒音被害を訴えました。この訴訟は最終的に和解に至りましたが、事業者は騒音対策として風車の運転方法を変更することで合意しました。これらの事例は、洋上風力発電の騒音問題が、地域住民の生活環境や漁業活動に影響を与える可能性があることを示しています。洋上風力発電の開発を進める際には、環境影響評価を徹底的に行い、騒音対策を講じることが重要です。また、地域住民や漁業関係者との対話を 理解と合意を得るための努力も不可欠です。
    Thanet Wind Farmの風車1基あたりの出力は3.0MWです。100基です。また、海岸からの離岸距離は11kmです.



Thanet Offshore Wind Farmの騒音問題に対する和解内容で、事業者が行った風車の運転方法の変更は、具体的には以下の通りです。

  • 夜間における風車の一部停止: 特に騒音被害が大きいとされた夜間帯に、風車のうち一部を停止させる措置が取られました。これにより、夜間の騒音レベルを低減させることができました。

  • 風車の回転速度調整: 風車の回転速度を調整することで、騒音レベルを低減させる試みが行われました。風速や風向きに応じて、最適な回転速度を設定することで、騒音の発生を抑えることができました。

  • 風車のブレード角度調整: 風車のブレードの角度を調整することで、空気の流れを変え、騒音の発生源となる乱流を抑制する試みが行われました。

これらの対策は、風力発電所の出力低下を招く可能性がありますが、周辺住民の生活環境への配慮を優先した結果、事業者と住民の間で合意に至りました。

ただし、これらの対策が騒音問題を完全に解決したわけではなく、一部の住民からは依然として騒音被害の訴えがあることも事実です。洋上風力発電の騒音問題は、技術的な課題だけでなく、住民との合意形成という社会的な課題も抱えていると言えます。





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