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原石鼎 俳人と俳句作品ご紹介11 〜俳句にご興味のあるみなさまへ〜


俳句に何となく興味があるというnoteのみなさまに、明治・昭和期の俳人の方々の作品をご紹介していく記事です。

各俳人の経歴等はここでは省略したいと思います。

気になった俳人の方については、他の作品などといっしょにぜひ調べてみてください。


◇ 今回の俳人 ◇

原石鼎
はら せきてい

花影婆娑かえいばさと踏むべくありぬそばの月

高々と蝶こゆる谷の深さかな

ちかよりてなほこまやかや梅の花

そぞろ出て日永ひながに顔をさらしけり

そのなかに角なき鹿のおぼろかな

ましろなる鳩一羽翔く養花天ようかてん

みちのくは小家小家の鯉幟

山の色釣り上げし鮎に動くかな

頂上やことに野菊の吹かれ居り

つる踏んで一山の露動きけり

秋蝶の驚きやすきつばさかな

遠山の低く沈める花野かな

淋しさにまた銅鑼どら打つや鹿火屋守かびやもり

山国の闇恐ろしき追儺ついなかな

元日の空青々と淋しけれ


花影=かえい
婆娑=ばさ
岨=そば
日永=ひなが
翔く=かく
養花天=ようかてん
鯉幟=こいのぼり
鮎=あゆ
殊に=ことに
蔓=つる
一山=いちざん
銅鑼=どら
鹿火屋守=かびやもり
追儺=ついな
淋し=さびし


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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